コラム2012年09月10日 【税実務Q&A】 課税時期前3年以内に取得した土地等の評価(2012年9月10日号・№466)
税実務Q&A
No.134 資産税>株式評価
課税時期前3年以内に取得した土地等の評価
青空税理士法人青山事務所 税理士 川村 徹
問 取引相場のないA社の株価を純資産価額方式で評価するに際して、A社が所有している以下の資産の評価方法はどのようになるのでしょうか。なお、課税時期は平成24年7月31日、課税時期の直前期末は平成24年3月31日となっており、課税時期の直前期末現在の資産負債を基としてA社株式を評価します。
①平成21年6月1日に取得した土地(通常の取引価額2億円、相続税評価額1.5億円)
②評価会社A社が平成23年4月1日の吸収合併により被合併法人B社から引継いだ土地(B社での取得時期は平成10年9月20日で通常の取引価額3億円、相続税評価額2.5億円)
答
評価会社が課税時期前3年以内に取得した土地等及び家屋等の評価 評価会社が所有する各資産を純資産価額方式で評価する場合において、評価会社が課税時期前3年以内に取得又は新築した土地及び土地の上に存する権利(以下「土地等」という。)並びに家屋及びその附属設備又は構築物(以下「家屋等」という。)の価額は、路線価等によって評価するのではなく課税時期における通常の取引価額に相当する金額によって評価するものとされています(財基通185)。
設問①の取扱い 当該土地の取得時期は平成21年6月1日であり、取得時から課税時期である平成24年7月31日までは3年超経過しておりますが、取得時から直前期末の平成24年3月31日までの期間では3年超は経過しておりません。この点、純資産価額方式は課税時期現在における評価会社の資産負債に基づき計算することを原則としておりますが、直前期末から課税時期までの間に資産負債の金額について著しい増減がないと認められる場合には、直前期末現在の資産負債を基として評価して差し支えないこととされております。すると直前期末を課税時期とみなし、直前期末から3年以内に取得した土地に該当するのではとの懸念があるかもしれません。しかし、上記取扱いはあくまで簡便法として認められたものであり、直前期末を課税時期とみなしている訳ではありません。したがって、設問①の土地は取得日から課税時期まで3年超経過しているため、相続税評価額1.5億円で評価することとなります。
設問②の取扱い 課税時期前3年以内に取得した土地等及び家屋等の判定にあたって「取得」には合併による取得も含まれるものと考えられます。従って、被合併法人B社における土地の取得時期から考えれば課税時期まで3年超経過しておりますが、A社が合併により取得した平成23年4月1日から課税時期である平成24年7月31日までで判定すると取得から3年超を経過していないため、設問②の土地は通常の取引価額3億円で評価することとなります。
No.134 資産税>株式評価
課税時期前3年以内に取得した土地等の評価
青空税理士法人青山事務所 税理士 川村 徹
問 取引相場のないA社の株価を純資産価額方式で評価するに際して、A社が所有している以下の資産の評価方法はどのようになるのでしょうか。なお、課税時期は平成24年7月31日、課税時期の直前期末は平成24年3月31日となっており、課税時期の直前期末現在の資産負債を基としてA社株式を評価します。
①平成21年6月1日に取得した土地(通常の取引価額2億円、相続税評価額1.5億円)
②評価会社A社が平成23年4月1日の吸収合併により被合併法人B社から引継いだ土地(B社での取得時期は平成10年9月20日で通常の取引価額3億円、相続税評価額2.5億円)
答
評価会社が課税時期前3年以内に取得した土地等及び家屋等の評価 評価会社が所有する各資産を純資産価額方式で評価する場合において、評価会社が課税時期前3年以内に取得又は新築した土地及び土地の上に存する権利(以下「土地等」という。)並びに家屋及びその附属設備又は構築物(以下「家屋等」という。)の価額は、路線価等によって評価するのではなく課税時期における通常の取引価額に相当する金額によって評価するものとされています(財基通185)。
設問①の取扱い 当該土地の取得時期は平成21年6月1日であり、取得時から課税時期である平成24年7月31日までは3年超経過しておりますが、取得時から直前期末の平成24年3月31日までの期間では3年超は経過しておりません。この点、純資産価額方式は課税時期現在における評価会社の資産負債に基づき計算することを原則としておりますが、直前期末から課税時期までの間に資産負債の金額について著しい増減がないと認められる場合には、直前期末現在の資産負債を基として評価して差し支えないこととされております。すると直前期末を課税時期とみなし、直前期末から3年以内に取得した土地に該当するのではとの懸念があるかもしれません。しかし、上記取扱いはあくまで簡便法として認められたものであり、直前期末を課税時期とみなしている訳ではありません。したがって、設問①の土地は取得日から課税時期まで3年超経過しているため、相続税評価額1.5億円で評価することとなります。
設問②の取扱い 課税時期前3年以内に取得した土地等及び家屋等の判定にあたって「取得」には合併による取得も含まれるものと考えられます。従って、被合併法人B社における土地の取得時期から考えれば課税時期まで3年超経過しておりますが、A社が合併により取得した平成23年4月1日から課税時期である平成24年7月31日までで判定すると取得から3年超を経過していないため、設問②の土地は通常の取引価額3億円で評価することとなります。
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