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コラム2012年12月03日 【SCOPE】 公開買付け実務の弊害を解消、インサイダー取引で規制緩和(2012年12月3日号・№477)

クロクロ取引も適用除外範囲を拡大
公開買付け実務の弊害を解消、インサイダー取引で規制緩和

 インサイダー取引の規制緩和が行われる方向だ。実務上の弊害を解消するため、公開買付け等事実の情報受領者について、インサイダー取引規制の適用を除外する見直しを行うもの。たとえば、情報受領者が公開買付けを行う場合などだ。クロクロ取引についても、

公開買付け等に係る実務上の弊害とは?  現在、金融審議会のインサイダー取引規制に関するワーキング・グループでは、年内にも「インサイダー取引の見直しに関する意見書」を取りまとめる方向で検討を行っている。今回の見直しは、公募増資に関連したインサイダー取引などを踏まえたもの。情報伝達行為への対応および課徴金額の計算方法の見直しなどが対象となっているが(本誌476号12頁参照)、そのほかにもインサイダー取引の規制緩和も併せて実施する方針だ。
 たとえば、公開買付者等関係者に係るインサイダー取引規制(金商法167条)では、公開買付者等関係者に加えて、公開買付け等事実の伝達を受けた情報受領者についても、公開買付けの公表前に被買付企業の株券等を買うことは禁止されている(同法167条3項)。
 しかし、実務上では、①上場会社の買収の実施を決定した者が他の潜在的な買収者に対して未公表の当該決定事実を伝達することにより、他の買収者は買付けができなくなる、②公開買付けの実施を決定した者が他の者(被提案者)に共同公開買付けを提案したが協議不調となった場合、当該被提案者は情報受領者となり、被買付企業の株券等の買付けができなくなるといった弊害が指摘されている。
情報提供者が公開買付けを行うケースは除外  実務上の弊害を解消するため、未公表の公開買付け等事実の情報受領者が公開買付開始公告および公開買付届出書の提出を行う場合あるいは情報受領者自らが公開買付けを行う場合については、インサイダー取引規制の適用除外とする方向で検討が行われている(図1参照)。

 また、公開買付け等事実の情報受領者が伝達を受けてから相当の期間を経過している場合には、伝達を受けた情報の価値は劣化しているとし、取引を可能とする方向だ(図2参照)。
 そのほか、いわゆる「対抗買い」に係る適用除外の規定も見直す。現行、公開買付け等事実の情報受領者による取引が可能になる規定として、「公開買付け等に対抗するため被買付企業の取締役会が決定した要請に基づいて株券等の買付け等を行う場合」(金商法166条6項4号、167条5項5号)が定められている。
 ただし、「公開買付け等に対抗するため」という要件について、公開買付け等に該当する事実が存在するか否かは被買付企業にとっては他者情報であるため、当該被買付企業がその存否を確実に把握することは難しいとの指摘がなされている。今後、この点の解釈を明確化する方向だ。
第二次情報受領者との間で行う取引もOK  いわゆるクロクロ取引(今号42頁参照)に係る適用除外についても見直しが行われる。現行、会社関係者のインサイダー取引規制(金商法166条)に係るクロクロ取引については、会社関係者と第一次情報受領者との間での取引が適用除外とされているが、第一次情報受領者と第二次情報受領者との間で行う取引も適用除外の対象とする方向だ(図3参照)。

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