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コラム2013年03月04日 【税実務Q&A】 外国法人株主からの自己株式の取得(2013年3月4日号・№489)

税実務Q&A
No.157
法人税>外国法人の法人税

外国法人株主からの自己株式の取得
 公認会計士緑川事務所 税理士 莟 秀明

 内国法人(未上場会社)である当社は、自己株式の取得を検討しています。
 当社の株主の中には、外国法人A社(日本に恒久的施設なし)が存在しますが、当社がA社から自己株式を取得する場合、A社の日本における課税関係はどうなりますか。

 外国法人株主からの自己株式の取得であっても、通常の自己株式の取得と同様に、その買取対価は、みなし配当と株式譲渡損益に区分されます(法法142)。
 日本国内に恒久的施設を有しない外国法人の場合、みなし配当については20%の源泉徴収のみで課税関係が完結し、株式譲渡損益については、一定の場合を除き、日本では課税されません。なお、租税条約に異なる定めがある場合には、租税条約が優先されます(憲法98②)。
(1)みなし配当の課税関係  20%の源泉徴収のみで課税関係が完結します(所法213②二)。
(2)株式譲渡損益の課税関係  次の①~③に該当する場合を除き、日本では課税されません(法法141四イ、法令187①三・四、②~⑪)。
① 同一銘柄の株式の買い集めによる譲渡  同一銘柄の内国法人株式の買集めをし、その所有者である地位を利用して、その内国法人又はその特殊関係者(※1)に対し譲渡をした場合
② 事業の譲渡に類似する株式の譲渡  内国法人の特殊関係株主等(※2)である外国法人が行う次の要件を満たす株式の譲渡
イ 譲渡事業年度終了の日以前3年内のいずれかの時において、特殊関係株主等が発行済株式等の25%以上を所有していたこと
ロ 譲渡事業年度において、特殊関係株式等が、内国法人株式を5%以上譲渡する場合
③ 不動産関連法人の株式の譲渡  資産の価額の総額のうちに、次の資産の価額の合計額の占める割合が50%以上である内国法人株式を譲渡した場合
イ 国内にある土地、建物等
ロ イの保有割合が50%以上の法人の株式等
(3)損益通算  自己株式の取得により、みなし配当と株式譲渡損失が生じる場合、みなし配当については、源泉徴収のみで課税関係が完結します。一方、株式譲渡損失については、一定の場合を除き、課税対象外となるため、みなし配当と株式譲渡損失の損益通算が出来ず、源泉徴収された所得税のみが課税されます。
 なお、国内に恒久的施設を有する外国法人が自己株式の取得に応じる場合は、通常の内国法人と同様の課税関係と同様となります。
※1 特殊関係者:内国法人の役員又は主要な株主等その他これに準ずる関係のある者
※2 特殊関係株主等:内国法人の株主等、その株主等の同族関係者その他これに準ずる関係のある者、一の株主等が締結している組合契約に係る他の組合員(民法組合等を通じた投資に対する課税の適正化を図るため、平成17年度税制改正により、特殊関係株主等の範囲が拡大されました)

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