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解説記事2014年06月09日 【税制改正解説】 地方法人税詳説(2014年6月9日号・№549)

税制改正解説
地方法人税詳説
 一般社団法人日本経済団体連合会 常務理事・経済基盤本部長 阿部泰久

はじめに

 平成26年度税制改正により、「地方法人税」という名称の国税が創設された。これは、法人税の付加税である法人住民税法人税割の税率を引き下げ、その引下げ分に相当する別の法人税の付加税を創設するものであり、納税者の負担が大きく変わるものではない。しかし仔細に見れば、地方税である法人住民税が国税である地方法人税に変わることにより、納税義務の範囲や課税計算において、いくつかの点で異なるところがある。
 そこで、本稿では、地方法人税法および地方法人税法施行令を読み込むことにより、その全体像とともに、何が違うのかを解説していきたい。

Ⅰ 地方法人税の創設経緯
 なぜ、このような新税が必要とされたのか。まず、地方法人税の創設経緯からみていきたい。
 与党平成26年度税制改正大綱では、地方法人税を創設する目的について「消費税率8%段階において、地域間の税源の偏在性を是正し、財政力格差の縮小を図るため」であるとしている。法案提出時の「理由」においても、「地方団体の税源の偏在性を是正しその財源の均衡化を図ることを目的として地方交付税の財源を確保するための地方法人税を創設する」としている。また、地方法人税法第1条(趣旨)では、「地方交付税の財源を確保するための地方法人税」と明記されている。
 すなわち、地方法人税は、自治体間の税源の偏在性を是正し、財政力格差の縮小を図るために、地方交付税の財源を確保するために創設された国税である。  
 現在、地方財政全体では約13.3兆円の財源不足額があるのに対し、一方で、地方交付税不交付団体の留保財源と財源超過額の合計額は1.8兆円を超えている。
 消費税率引き上げに伴う地方消費税率の引上げと交付税原資の拡大により、地方財政全体の財源不足は改善するとしても、一方で地方消費税収には、人口1人当り最大の東京都と最小の沖縄県との間で1.8倍の格差がある(平成24年度決算)ことから、このままでは東京都をはじめとする一部の富裕団体はますます豊かになり、偏在性がさらに拡大していくことは確実である(図1参照)。

 そこで、地域間の税源の偏在性を是正し、財政力格差の縮小を図るため、平成26年10月1日以後に開始する事業年度より、法人住民税法人税割の税率(標準税率)を法人税額の17.3%(都道府県分:5.0%、市町村分:12.3%)から法人税額の12.9%(都道府県分:3.2%、市町村分:9.7%)へ4.4%分引き下げるとともに、これに相当する分を地方法人税として国税に移し、その税収全額を交付税及び譲与税配付金特別会計に直接繰り入れ、地方交付税原資とすることとされた。
 また併せて、平成26年10月1日以後に開始する事業年度より、地方法人特別税・譲与税についてはその規模を縮小し、法人事業税に復元することとされた。
 地方法人税の創設と地方法人特別税・剰余税から法人事業税への復元は、ともに6,000億円程度とされるが、地方法人特別剰余税は、東京都等の不交付団体にも一定額が配分されるが、地方法人税は交付税財源とされるため不交付団体には配分されないことにより、偏在性の是正は進むことになる(図2参照)。



Ⅱ 納税義務者
 法人税を納める義務がある法人は、地方法人税を納める義務がある(第4条)。
 人格のない社団等および法人課税信託の引受けを行う個人は、法人とみなして、地方法人税法の規定が適用される(第3条第1項)。なお、法人課税信託の受託者は、各法人課税信託の信託資産等および固有資産等ごとに、それぞれ別の者とみなして、地方法人税法の規定が適用される(第3条第2項)。
 ここでは、地方法人税の納税義務者が、必ずしも法人住民税の納税義務者と同一ではないことが重要である。
 法人住民税では、社会福祉法人、更生保護法人、学校法人または私立専修学校及び私立各種学校が行う事業でその所得の金額の90%以上の金額を当該法人が行う社会福祉事業、更生保護事業、私立学校、私立専修学校または私立各種学校の経営に充てているもの(その所得の金額がなく当該経営に充てていないものを含む)は収益事業の範囲に含まれないため(地方税法施行令第7条の4)、納税義務はないが、法人税ではそのような規定がないため、地方法人税では納税義務がある。
注:法人税では、学校法人、社会福祉法人、更生保護法人については、みなし寄附金として、所得金額の50%か200万円のいずれか多い金額を損金算入することができる。
 また、国内に恒久施設(PE)を有しない外国法人については、法人住民税は課されないが(地方税法第24条第3項、地方税法施行令第7条の3の5)、法人税では、PEを有しないことで課税がなされないのは「国内において行う事業」から生じる所得であり、それ以外の「国内にある資産の運用、保有若しくは譲渡により生ずる所得(法人税法第138条一号)」などは、PEの有無にかかわらず課税されるため、地方法人税も課税されることとなる。

Ⅲ 課税対象=基準法人税額
 地方法人税の課税対象は、「法人の各課税事業年度の基準法人税額(第5条)」であり、基準法人税額とは、以下の法人税の額である。ただし、附帯税の額は除かれる(第6条)。
① 確定申告書を提出すべき法人
 各事業年度の所得の金額につき、所得税額控除、外国税額控除及び仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の控除に関する規定を適用しないで計算した法人税の額 
② 連結確定申告書を提出すべき連結親法人
 各連結事業年度の連結所得の金額につき、所得税額控除、外国税額控除及び仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の控除に関する規定を適用しないで計算した法人税の額 
③ 退職年金等積立金確定申告書を提出すべき法人
 各事業年度の退職年金等積立金の額に対する法人税の額(いわゆる特別法人税であり、現在は課税停止中)
 このうち、①②の基準法人税額については、法人住民税法人税割の計算では、法人税の額から試験研究費にかかる税額控除等の租税特別措置法上の税額控除が控除されるのは中小法人に限られていることとは異なり、その計算について、租税特別措置法上の税額控除が差し引かれていないことに注意を要する。

Ⅳ 課税事業年度・納税地
 地方法人税の課税事業年度は法人の各事業年度である(第7条)。納税地は、当該法人の法人税の納税地である(第8条)。

Ⅴ 課税標準・税額の計算

1.課税標準
 地方法人税の課税標準は、各課税事業年度の課税標準法人税額=基準法人税額である(第9条)。

2.地方法人税の額  地方法人税の額は、各課税事業年度の課税標準法人税額に100分の4.4の税率を乗じて計算した金額である(第10条第1項)。

3.特定同族会社等の特別税率の適用がある場合  法人の各課税事業年度の基準法人税額に特定同族会社の特別税率(法人税法第67条第1項)または連結特定同族会社の特別税率(第81条の13第1項)の規定により加算された金額がある場合には、この加算された金額を控除した金額を課税標準法人税額としたうえで、特定同族会社等の特別税率の規定による合計額に100分の4.4を乗じて計算した金額を加算した金額が地方法人税の額(以下、「所得地方法人税額」)となる(第10条第2項、第11条)。

4.外国税額控除の扱い
(1)基本的規定
 内国法人の各課税事業年度の控除対象外国法人税の額が法人税の控除限度額を超える場合には、課税事業年度の所得地方法人税額のうち、その源泉が国外にあるものに対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額を限度として、その超える金額を課税事業年度の所得地方法人税額から控除する(第12条第1項)。
 この「政令で定めるところにより計算した金額」については、課税標準法人税額につき、基準法人税額から以下の①から⑤の規定により加算される金額がある場合には、基準法人税額から加算された金額を控除した残額を基準法人税額とみなして法第9条及び第10条の規定を適用して計算した金額に、課税事業年度に係る法人税法施行令第142条第2項から第8項までの規定を適用して計算した同条第1項に規定する割合を乗じて計算した金額である(地方法人税法施行令第3条第1項)。
① 連結子法人であったものが連結納税の承認を取り消された場合において、連結加入時の連結所得の金額の計算上損金の額に算入された試験研究費の額等として加算された金額(租税特別措置法第42条の4第11項)
② 連結子法人であったものが連結納税の承認を取り消された場合において、連結加入時の各連結事業年度の連結所得に対する法人税の額から控除された租税特別措置法による税額控除額のうち当該連結子法人に係る金額に相当する金額として加算された金額(第42条の5第5項、第42条の6第12項、第42条の9第4項、第42条の10第5項、第42条の11第5項、第42条の12の3第5項)
③ 使途秘匿金の支出がある場合の特別税率(租税特別措置法第3章第5節)
④ 土地の譲渡等がある場合の特別税率(租税特別措置法第3章第5節の2)
⑤ 各年度税制改正における経過措置の規定により、現在も効力を有する同趣旨の規定
(2)連結法人の場合  連結親法人・連結子法人が外国税額控除の規定の適用を受ける場合において、連結親法人の課税事業年度の個別控除対象外国法人税の額が連結親法人の連結控除限度個別帰属額を超えるとき、または連結子法人の連結事業年度の同項に規定する個別控除対象外国法人税の額が連結子法人の連結控除限度個別帰属額を超えるときは、課税事業年度の地方法人税控除限度額で連結親法人・連結子法人に帰せられる金額として政令で定めるところにより計算した金額を限度として、その超える金額を課税事業年度の所得地方法人税額から控除する(第12条第2項)。
 この「政令で定めるところにより計算した金額」は、課税事業年度の地方法人税控除限度額に、連結控除限度個別帰属額の計算(法人税法施行令第155条の29)に規定する割合を乗じて計算した金額である(地方法人税法施行令第3条第2項)。
 ここでの「地方法人税控除限度額」とは、連結親法人の各課税事業年度の第10条の規定を適用して計算した所得地方法人税額のうち当該課税事業年度の連結所得でその源泉が国外にあるものに対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額をいう(第12条第3項)。具体的には、連結親法人の課税標準法人税額につき法第10条の規定を適用して計算した地方法人税の額(基準法人税額から、以下の①から⑤の規定により加算される金額がある場合には、基準法人税額から加算されたこれらの金額を控除した残額を基準法人税額とみなして、法第9条および第10条の規定を適用して計算した金額)に、当該課税事業年度に係る法人税法施行令第155条の28第2項から第6項までの規定を適用して計算した同条第一項に規定する割合を乗じて計算した金額である。
① 連結親法人であったものが連結納税の承認を取り消された場合において、連結加入時の連結所得の金額の計算上損金の額に算入された試験研究費の額等として加算された金額(租税特別措置法第42条の4第11項)
② 連結親法人であったものが連結納税の承認を取り消された場合において、連結加入時の各連結事業年度の連結所得に対する法人税の額から控除された租税特別措置法による税額控除額のうち当該連結親法人・子法人に係る金額に相当する金額として加算された金額(租税特別措置法第68条の9第11項、第68条の10第5項、第68条の11第12項、第68条の13第4項、第68条の14第5項、第68条の15第5項、第68条の15の4第5項)
③ 連結法人に使途秘匿金の支出がある場合の特別税率(租税特別措置法第3章第17節)
④ 連結法人に土地の譲渡等がある場合の特別税率(租税特別措置法第3章第18節)
⑤ 各年度税制改正における経過措置の規定により、現在も効力を有する同趣旨の規定
(3)法人住民税  外国税額控除は、法人税、地方法人税の順に控除し、控除しきれない場合には法人住民税から控除されることとなる。なお、法人住民税についても、地方法人税の創設や、これに伴う法人税割の税率引下げを受けて、外国税額控除の限度額の計算方法等についての改正がなされている(地方税法施行令第9条の7、第48条の13)。

5.仮装経理に基づく過大申告の場合の還付の特例の扱い  内国法人の各課税事業年度開始の日前に開始した課税事業年度の基準法人税額に対する地方法人税につき税務署長が更正をした場合において、仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う地方法人税額の還付の特例(第29条第1項)の規定の適用があったときは、更正に係る同項に規定する仮装経理地方法人税額(既に第29条第2項、第3項または第7項の規定により還付されるべきこととなった金額およびこの項の規定により控除された金額を除く)は、各課税事業年度の所得地方法人税額から控除する(第13条)。

6.税額控除の順序  4および5による控除は、まず外国税額を控除し、次に仮装経理地方法人税額を控除するものとされている(第14条)。

Ⅵ 連結法人の地方法人税の個別帰属額の計算
 連結親法人が地方法人税確定申告書を提出する場合において、連結親法人・各連結子法人に各課税事業年度または各課税事業年度終了の日の属する連結事業年度の基準法人税額に対する地方法人税の負担額として帰せられ、または地方法人税の減少額として帰せられる金額は、連結親法人・各連結子法人の課税事業年度または連結事業年度の個別所得金額がある場合には、それぞれ個別所得金額に課税事業年度の連結所得に対して適用される法人税の税率(適用法人税率)を乗じて計算した金額の100分の4.4に相当する金額と、加算調整額(連結親法人・連結子法人に係る以下の①に掲げる金額)とを合計した金額から減算調整額(連結親法人・連結子法人に係る以下の②、③に掲げる金額の合計額)を控除した金額、または減算調整額から個別所得金額に適用法人税率を乗じて計算した金額の100分の4.4に相当する金額と加算調整額とを合計した金額を控除した金額である。
 連結親法人・各連結子法人の課税事業年度または連結事業年度の個別欠損金額(法人税法第81条の18第1項に規定する個別欠損金額)がある場合には、それぞれ加算調整額から個別欠損金額に適用法人税率を乗じて計算した金額の100分の4.4に相当する金額と減算調整額とを合計した金額を控除した金額、または個別欠損金額に適用法人税率を乗じて計算した金額の100分の4.4に相当する金額と減算調整額とを合計した金額から加算調整額を控除した金額である。
① 第11条に規定する合計額のうち連結親法人・各連結子法人に帰せられるものとして政令で定める金額の100分の4.4に相当する金額。
  「政令で定める金額」は、法第11条に規定する合計額にアに掲げる金額のうちにイに掲げる金額の占める割合を乗じて計算した金額である(地方法人税法施行令第4条第1項)。
 ア 連結親法人・各連結子法人の連結個別留保法人税額の合計額
 イ 連結親法人・各連結子法人の連結個別留保法人税額
 「連結個別留保法人税額」とは、当該連結親法人・各連結子法人の法人税法施行令第155条の43第2項に規定する留保金個別帰属額から同条第4項に規定する留保控除個別帰属額を控除した金額を法人税法第81条の13第1項各号に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に当該各号に定める割合を乗じて計算した金額の合計額である。
② 第12条第2項の規定による控除をされる金額のうち、第12条第2項の規定により当該課税事業年度の同項の所得地方法人税額から控除される金額のうち連結親法人または各連結子法人に帰せられる部分の金額(地方法人税法施行令第4条第2項)。
③ 第23条第1項の規定により還付を受ける金額のうち連結親法人・各連結子法人に帰せられるものとして、政令で定める金額。「政令で定める金額」は、法第23条第1項の規定により還付を受けるべき金額に、当該金額の計算の基礎となった法人税法第81条の31第1項(同条第3項において準用する場合を含む)の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となった連結欠損金額(同法第2条第十九号の二に規定する連結欠損金額をいう)に係る連結親法人・各連結子法人の同法第81条の9第6項に規定する連結欠損金個別帰属額(同条第2項の規定により連結欠損金額とみなされたものに係る部分の金額を除く)の合計額のうちに連結親法人・各連結子法人の連結欠損金個別帰属額の占める割合を乗じて計算した金額である(地方法人税法施行令第4条第3項)。
 なお、連結親法人が中小法人として軽減税率の適用を受ける場合(法人税法第81条の12第2項)には、各課税事業年度の連結所得の金額につき同条の規定により計算した法人税の額の当該連結所得の金額に対する割合(連結所得の金額がない課税事業年度にあっては、同項に規定する年間800万円以下の金額に対して適用される税率)を前項に規定する適用法人税率として、同項の規定を適用する。

Ⅶ 申告、納付及び還付

1.中間申告
 法人税の中間申告書を提出すべき法人は、課税事業年度開始の日以後6月を経過した日から2月以内に、税務署長に対し、地方法人税の中間申告書を提出しなければならない(第16条、第17条)。
 地方法人税中間申告書を提出すべき法人がその地方法人税中間申告書を提出しなかった場合には、その法人については、その提出期限において、税務署長に対し地方法人税中間申告書の提出があったものとみなされる(第18条)。 
 これらは、平成27年10月1日以後に開始する課税事業年度の地方法人税の中間申告書について適用される(附則第3項)。

2.確定申告  法人は、原則として各課税事業年度の終了の日の翌日から2月以内に、税務署長に対し、以下に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない(第19条)。
① 当該課税事業年度の課税標準である課税標準法人税額(第6条第一号から第三号までに定める基準法人税額に係るものに限る。)
② ①に掲げる課税標準法人税額につき前章の規定を適用して計算した地方法人税の額 
③ 当該法人が当該課税事業年度につき地方法人税中間申告書を提出した法人である場合には、前号に掲げる地方法人税の額から当該申告書に係る中間納付額を控除した金額
④ ③に規定する中間納付額で同号に掲げる金額の計算上控除しきれなかったものがある場合には、その控除しきれなかった金額
⑤ ①から④に掲げる金額の計算の基礎その他財務省令で定める事項

3.納付及び還付  中間申告書または確定申告書を提出した法人は、これらの申告書の提出期限までに、地方法人税を国に納付しなければならない(第20条、第21条)。
 中間申告書を提出した法人からその中間申告書に係る課税事業年度の確定申告書の提出があった場合において、その確定申告書に中間納付額で課税事業年度の地方法人税の額の計算上控除しきれなかった金額の記載があるときは、その金額に相当する中間納付額が還付される(第22条)。
 欠損金の繰戻しによる法人税の還付請求書を提出した法人に対して還付所得事業年度または還付所得連結事業年度に該当する課税事業年度に係る法人税を還付する場合において、課税事業年度の確定地方法人税額があるときは、法人に対し、確定地方法人税額のうち、法人税の還付金の額に100分の4.4を乗じて計算した金額に相当する金額が併せて還付される(第23条)。
 なお、法人税法上の欠損金の繰戻し還付は、大法人については停止されているが、中小法人については1年間の繰戻し還付が認められている。法人住民税には、そもそも欠損金の繰戻し還付に関する規定がないため、扱いが異なることとなる。

Ⅷ 罰則・その他
 罰則について必要な規定が定められている(第33条~第37条)。
 更正の請求の特例、還付の手続等について、法人税法の規定に準じて所要の規定が設けられている(第2条、第3条、第8条、第15条、第24条~第32条)。

Ⅸ 施行期日
 地方法人税法は、平成26年10月1日から施行され(附則第1項)、中間申告の規定を除き、施行の日以後に開始する課税事業年度の基準法人税額に対する地方法人税について適用される(附則第2項)。なお、中間申告の規定は、法人の平成27年10月1日以後に開始する課税事業年度から適用される(附則第3項)。

おわりに
 地方法人税の創設により、法人の税負担に大きな変化があるものではないが、これは、法人実効税率25%への引き下げのためには欠かせない布石であると考える。
 日本の法人実効税率が高い大きな理由は、地方法人二税の存在である。また、地方税において法人所得課税のウエイトが大きいことにより、景気変動に依る税収の不安定性とともに、税源の偏在性を免れることができない。消費税率10%引き上げ段階では、法人住民税法人税割の地方交付税原資化をさらに進めるとともに、地方法人特別税・譲与税を廃止するとともに現行制度の意義や効果を踏まえて他の偏在是正措置を講ずるなど、関係する制度について幅広く検討を行うこととされているが、地方法人二税をできる限り国税化し、地方共有の財源とすることで、不安定性と偏在性が解消できる。
 また、地方法人二税を自治体固有の財源としていたのでは、税率の引き下げに耐えられない自治体が出てくるのに対し、共有財源とすることでその影響を和らげることができる。
 地方法人課税、法人所得課税を国税に一元化する手法として、その拡充は法人税改革の大きな要になるものと考える。

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