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コラム2015年03月02日 【SCOPE】 国外事業者の施行日をまたぐ電子商取引に係る消費税は?(2015年3月2日号・№584)

BtoB取引は国内事業者に申告義務
国外事業者の施行日をまたぐ電子商取引に係る消費税は?

 平成27年度税制改正では、国外事業者が国境を越えて行う電子書籍・音楽・広告の配信等の電子商取引に対して消費税が課税される。現行、国内事業者が提供する場合には消費税が課される一方、国外事業者が提供する場合には消費税が課されていない不均衡を正すものといえる。ただ、今回の見直しでは、事業者間取引(BtoB取引)については、国内事業者が国外事業者に代わって消費税を申告するだけに要注意だ。本誌にも電子商取引の内容や、平成27年10月1日の施行日をまたぐ取引の取扱いなどの質問が企業等から寄せられている。スコープでは改正の概要とともに現時点で取材により明らかになった事項をお伝えする。

国外のアナリストが行うレポートの通知は電子商取引に該当?
 国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の見直しについては、電子書籍・音楽・広告の配信等の電気通信回線を介して行われる役務の提供を「電気通信利用役務の提供」と定義し、その上で内外判定基準を役務の提供に係る事務所等の所在地から、役務の提供を受ける者の住所等又は本店等の所在地で行うこととしている。
 この「電気通信利用役務の提供」だが実質的な役務の提供が国外で完結している取引、例えば、「国外で行われる当該子国外に関する情報の収集、整理若しくは分析等(その結果の提供を含む)」や「国外で行われる当該国外に所在する資産の取得、管理又は譲渡等に係る役務の提供(その結果の報告を含む)」については国外取引として不課税となる。
 具体的にいえば、国外の法律事務所が行う法的見解、専門的なコンサルティングやアナリストなどのレポート、システム開発に関する結果や、カストディサービスの通知などが該当することになりそうだ。
汎用性のあるレポートはNGの可能性  ただし、同じレポートであっても汎用性があり、当事者以外にも閲覧することができるようなものであれば電子商取引に該当し、課税されるケースもある。個別の取引が電子商取引に該当するか否か1つずつチェックする必要がある。

月ごとに役務提供が完了するケースであれば施行日前は課税なし
 今回の改正は、平成27年10月1日以後に国内において事業者が行う資産の譲渡等及び課税仕入れ並びに保税地域から引き取られる課税貨物について適用される。消費税の納税義務者はサービスの提供者となるが、この場合、国外事業者がサービス事業者となるため、新たな課税方式が導入される(参照)。
 広告配信など、サービスの性質や取引条件等から明らかに事業者向け取引の場合にはリバースチャージ方式が導入される。リバースチャージ方式とは、サービスの提供者ではなく、サービスの受け手に納税義務を課す方式である。この場合、国内事業者が納税義務者となり申告納税を行うことになる。一方、電子書籍や音楽の配信など、消費者向けの電子商取引については、国外事業者が申告納税を行う方式が採られる。国内に税務代理人を置くことを条件に仕入税額控除が認められる。
経過措置はなし  このように事業者間取引であれば、国内事業者に消費税の申告義務が課せられることになる。これまで消費税が課せられていなかった取引に対して、平成27年10月1日を境に取扱いが180度変わることになるだけに要注意だ。この点、すでに企業から疑問の声が挙がっているのが経過措置の取扱いだ。平成26年4月1日に消費税が8%に引き上げられた際には一定の取引に対して経過措置が設けられていたからだ。しかし、今回の見直しについては、経過措置が設けられておらず、平成27年10月1日以後に行われる資産の譲渡等については8%が適用される。
 また、もう1つの疑問が平成27年10月1日の施行日をまたぐ取引だ。例えば、平成27年1月から12月までの1年間の広告配信を契約しているケースである。この場合の資産の譲渡等の時期はその約した役務の全部を完了した日となり(消基通9-1-5)、8%の税率が適用されることになる。
 ただし、平成26年4月の消費税率引上げ時と同様、料金が月額で定められており、その役務提供が月々で完了するものであれば契約に基づき計上した前受金に係る資産の譲渡等の時期は毎月の役務提供が完了する時となる。この時点が施行日前であれば消費税は不課税、施行日後であれば8%の税率が適用されることになる。
 そのほか、企業が1年分の対価を一括して受け取り、企業が継続してその対価を収受した際(施行日の前日である平成27年9月30日まで)に収益計上しているものについては不課税のままとされる。

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