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コラム2015年04月06日 【レポート】 小規模企業共済法の改正で事業承継をバックアップ(2015年4月6日号・№589)

レポート
小規模企業共済法の改正で事業承継をバックアップ
経営承継円滑化法等の改正案が国会提出

 政府は3月27日、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律等の一部を改正する法律案」を閣議決定し、国会に提出した(施行は公布から1年以内)。改正法案は経営承継円滑化法のうち、「遺留分に関する民法の特例」の対象範囲について、事業承継税制に合わせる形で拡大することとしている(本誌587号36頁参照)。ただ、今回の改正はこれだけに留まらず、小規模企業共済法についても改正し、事業承継を円滑化するための施策が講じられている。例えば、個人事業者が親族内で事業承継した場合には、廃業した場合と同等の共済金が支給されることになる。

廃業後の不安は生活資金の確保  今回の改正案では、経営承継円滑化法で認められている「遺留分に関する民法の特例」について、昨今の親族外承継が増えている現状を鑑みて、被相続人の兄弟姉妹及び親族外承継についても対象とすることとしている。これにより、親族外の後継者についても、先代経営者の推定相続人との合意等を経て、遺留分放棄の手続を単独で行うことが可能になる。
 また、経営承継円滑化法以外にも、小規模企業者の事業承継をバックアップするため、小規模企業共済法が一部改正される。具体的には、個人事業者が親族内で事業承継した場合や65歳以上の会社役員が退任した場合の共済金を引き上げることとしている。
 中小企業が廃業する際の不安のうち、最も多いのが「廃業後の生活資金の確保」。特に経営環境の変化の影響を受けやすい小規模企業者にとっては、小規模企業共済法に規定される小規模企業共済制度は廃業後の生活資金として重要な役割を担っているものの1つとなっている。

共済金は退職所得扱い  この小規模企業共済制度とは、小規模企業経営者(個人事業主、会社役員)が廃業や引退に備えて、掛金を積み立てるもの。掛金(月額7万円が上限)は全額所得控除(月額7万円の場合は84万円)、廃業時等に受け取る共済金は、一括で受け取る場合退職所得扱いとなる(分割で受け取る場合は公的年金等の雑所得扱い)。節税効果の高いものとなっており、平成26年3月末時点で約123万者が加入している。

廃業の場合と同等の支給額に  ただ、この小規模企業共済制度だが、現行、事業を廃業した場合の方が事業を親族内で承継した場合よりも多額の共済金が支給されることになっている。このため、今回の改正案では、個人事業者が親族内承継した場合も、廃業と同様の支給額に引き上げることとしている(準共済→A共済)。例えば、掛金4万円で20年間掛金を納付すれば、現行は968万円だが、改正後は1,115万円となる。
 また、事業承継を促す観点から、65歳以上の役員が任意に退任した場合の支給額について、加入年数に関係なく老齢給付と同等に引き上げる(準共済→B共済)。例えば、掛金4万円で10年間掛金を納付すれば、現行は480万円だが、改正後は504万円となる。

小規模企業共済制度とは?
 小規模企業共済制度とは、小規模企業の個人事業主や会社の役員が廃業・退職後の生活の安定等を図るための資金として積み立てを行う共済制度のこと。運営主体は独立行政法人中小企業基盤整備機構となる。在籍者数は122.6万人(平成26年3月末)。月額掛金の在籍者平均は3.9万円となっており、平均支給額は1,068万円となっている。

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