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解説記事2015年12月07日 【SCOPE】 特別目的会社を利用した消費税節税スキームを封じ込め(2015年12月7日号・№621)

会計検査院の指摘事項が税制改正に直結
特別目的会社を利用した消費税節税スキームを封じ込め

 会計検査院の指摘事項である特別目的会社を利用した消費税節税スキームを封じ込める改正が平成28年度税制改正で実現する。問題のスキームは、PFI事業等を実施するために設立された特別目的会社が第1期目に建物の建設等に関する仕入税額控除により消費税の還付を受ける一方で、課税売上が発生する第2期目に簡易課税制度を選択することでみなし仕入割合相当分の仕入税額控除を行うというもの。これに対処するため、平成28年度税制改正では、高額特定資産(税抜き1,000万円以上)を取得・建設後2期分については簡易課税制度の選択を認めず、本則課税を強制する内容の改正が実施される。なお、今回の改正は、平成28年4月1日施行の見込みだ。

高額資産(1,000万円以上)取得後2期は免税・簡易課税の選択不可
 近年、自動販売機を使った消費税還付スキームへの対処(平成22年度税制改正)や簡易課税制度のみなし仕入率の見直し(平成26年度税制改正)など、消費税に関する会計検査院の指摘事項が税制改正につながるケースが目立っている。平成28年度税制改正では、会計検査院が平成24年度決算報告で指摘した「特別目的会社(SPC)」を利用した消費税の節税スキームに対処する改正が実施されることになりそうだ。
不動産流動化やPFI事業で消費税二重控除  特別目的会社とは、特定の事業を営むことを目的として設立された会社のことで、一般的に不動産の流動化(特別目的会社が資産流動化計画等により不動産等を取得して、その不動産等の賃貸、売却等を行うもの)やPFI事業(今号42頁参照)などを実施する際に設立される。会計検査院の指摘事例は、PFI事業等を行う特別目的会社が第1期で本則課税を適用し、建物の建設等に要した課税仕入れに関する仕入税額控除により消費税の還付を受けているにもかかわらず、第2期において簡易課税制度を適用することで、課税売上(建物売却代金等)に対するみなし仕入割合(建設業は70%)相当分が本来課税仕入れのない第2期で仕入税額控除の対象になるというもの(参照)。この点に関し会計検査院は、平成24年度決算報告のなかで、高額の不動産等を取得してその不動産等の賃貸や売却等により課税売上高等が多額であるのに、事業者免税点制度や簡易課税制度を適用していた法人が相当数見受けられたなどと指摘していた。

平成28年4月施行も経過措置あり  この消費税節税スキームに対処するため、平成28年度税制改正では、高額な資産を取得した場合の仕入税額控除制度の適用が見直されることになった。
 具体的な改正内容は、高額特定資産を取得または建設した後の2期分については、免税事業者となることができず、簡易課税を選択することもできないというもの(本則課税を強制適用)。高額特定資産は、棚卸資産および調整対象固定資産(棚卸資産以外の資産で建物およびその附属設備、構築物、機械装置等)で、仕入れに係る支払い対価の額(税抜き)が1,000万円以上のもの(自己で製作・建設等したものを含む)が対象となる。
 なお、今回の改正は平成28年4月1日から施行される見込み。ただ、平成27年末までに契約した高額特定資産については、一定の経過措置が設けられる予定だ。

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