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解説記事2016年07月18日 【SCOPE】 利益連動給与の採用進まず、依然として手続や開示がネック(2016年7月18日号・№651)

新指標の「ROIC」を採用する企業も
利益連動給与の採用進まず、依然として手続や開示がネック

 平成28年度税制改正では、利益連動給与の拡充が行われているが、平成28年3月決算の有価証券報告書で利益連動給与を採用している旨を開示している企業は34社にすぎないことが本誌の調査により明らかになった。採用が進まない理由としては、算定指標以外の利益連動給与を採用するための要件の見直しが行われていないことが挙げられそうだ。また、利益連動給与の算定となる指標については、「利益の状況を示す指標」と従来よりも幅広い指標が使用できることになったが、現時点で利益連動給与を採用する企業では依然として「当期純利益」「経常利益」等を指標としているところが多い。しかし、「投下資本利益率(ROIC)及び担当事業本部(セグメント)営業利益率」を指標として採用した企業も出てきた。

利益連動給与を採用するハードルは高いまま
 平成28年度税制改正では、損金の額に算入することができる利益連動給与(法法34①1三)の算定の基礎となる「利益に関する指標」が「利益の状況を示す指標」に拡充された(法令69⑧)。
 これまで「当期純利益」「経常利益」「営業利益」等に限られていたが、ROA(総資産利益率)、ROE(自己資本利益率)、営業利益率(当期他社比)、EBIT(利払・税引前当期利益)など、幅広い指標を使用することが可能になっている(表1参照)。

対象会社や有報への開示等は改正なし  しかし、本誌が平成28年3月決算の有価証券報告書を調査したところでは、利益連動給与を採用している企業は34社にすぎないことがわかった。
 平成28年度税制改正では、利益連動給与の見直しは算定指標の拡充にとどまっている。従来と同様、同族会社は対象となっていないほか、報酬委員会の決定(指名委員会等設置会社)や監査役適正書面の提出(監査役会設置会社)等の手続きを経ていること、算定方法が有価証券報告書等により開示されていることなどの要件は変わっていない。このため、利益連動給与を採用する要件のハードルが依然として高いことがネックになっているようだ。
多くが「当期純利益」等を指標とするが……  利益連動給与を採用した企業についてみると、これまでと同様、「当期純利益」「経常利益」「営業利益」を指標として採用する企業がほとんどとなっている(表2参照)。

 しかし、三井造船では、今回新しく指標として認められた「投下資本利益率(ROIC)及び担当事業本部(セグメント)営業利益率」を採用している。今後、新しい指標を採用し、利益連動給与を採用する企業がどの程度増えていくか注目される。

利益連動給与とは?
 損金の額に算入することができる利益連動給与とは、同族会社に該当しない法人が業務執行役員に対して支給する利益の状況を示す指標を基礎として算定される給与のこと(法法34①1三、法令69⑦~⑫)。①算定方法が利益の状況を示す指標(有価証券報告書に記載されるものに限る)を基礎とした客観的なものであること(報酬委員会が決定していること等)、②利益の状況を示す指標の数値が確定した後1月以内に支払われ、又は支払われる見込みであること、③損金経理の要件がある。

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