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コラム2017年01月16日 【編集部レポート】 会計事務所のための平成28年分所得税確定申告のチェックポイント(2017年1月16日号・№674)

会計事務所のための
平成28年分所得税確定申告のチェックポイント

 平成28年分所得税の確定申告が2月16日からスタートする。平成28年度税制改正では、被相続人の居住用家屋に係る譲渡所得の特別控除制度の特例の創設など、重要な改正が行われている。平成28年分の所得税の確定申告から適用されるチェックすべき改正事項の概要を紹介する。

絶対注意!! 平成28年分所得税の改正事項

▶土地・住宅税制
確認 改正項目 内 容
被相続人の居住用家屋に係る譲渡所得の特別控除制度の特例の創設(措法35、措令23)  相続又は遺贈による被相続人居住用家屋(当該相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋であって、昭和56年5月31日以前に建築されたこと、当該相続の開始の直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいなかったこと等の要件を満たすものをいう。)及び被相続人居住用家屋の敷地等(当該相続の開始の直前において当該被相続人居住用家屋の敷地の用に供されていた土地等をいう。)の取得をした個人が、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に、次に掲げる譲渡(当該相続の開始があった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間にしたものに限るものとし、その譲渡の対価の額が1億円を超えるもの等を除く。)をした場合には、居住用財産を譲渡した場合に該当するものとみなして、居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除を適用できることとされた。
 ただし、当該譲渡の対価の額と、当該相続の時から当該譲渡をした日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に当該相続による被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等の取得をした相続人がした当該譲渡に係る資産と一体として当該被相続人の居住の用に供されていた家屋又は当該家屋の敷地の用に供されていた土地等の譲渡の対価の額との合計額が1億円を超える場合には、本特例の適用を受けることはできない。
① 当該相続若しくは遺贈により取得をした被相続人居住用家屋(当該相続の時後に当該被相続人居住用家屋につき行われた増築等に係る部分を含むものとし、次に掲げる要件を満たすものに限る。)の譲渡又は当該被相続人居住用家屋とともにする当該相続若しくは遺贈により取得をした被相続人居住用家屋の敷地等(イに掲げる要件を満たすものに限る。)の譲渡
 イ 当該相続の時から当該譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。
 ロ 当該譲渡の時において地震に対する安全性に係る規定又は基準に適合するものであること。
② 当該相続又は遺贈により取得をした被相続人居住用家屋(イに掲げる要件を満たすものに限る。)の全部の取壊し等をした後における当該相続又は遺贈により取得をした被相続人居住用家屋の敷地等(ロ及びハに掲げる要件を満たすものに限る。)の譲渡
 イ 当該相続の時から当該取壊し等の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。
 ロ 当該相続の時から当該譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。
 ハ 当該取壊し等の時から当該譲渡の時まで建物又は構築物の敷地の用に供されていたことがないこと。
住宅の多世帯同居改修工事等に係る特例の創設(措法41の3の2、措法41の19の3、措令26の4、措令26の28の5) ① 住宅の多世帯同居改修工事等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例が創設され、個人が、その者の有する居住用の家屋について、特定多世帯同居改修工事等を含む増改築等を行った場合において、当該居住用の家屋を平成28年4月1日から平成31年6月30日までの間にその者の居住の用に供したときは、当該特定多世帯同居改修工事等を含む増改築等に係る費用に充てるために借り入れた次に掲げる住宅借入金等の年末残高(1,000万円を限度)の区分に応じ、それぞれ次に定める割合に相当する金額の合計額を所得税の額から控除できることとされた。本特例は、住宅の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除との選択適用とされ、控除期間は5年とされた。
 イ 特定多世帯同居改修工事等に要した費用の額から当該特定工事に係る補助金等の額を控除した金額(250万円を限度)に相当する住宅借入金等の年末残高 2%
 ロ イ以外の住宅借入金等の年末残高 1%
② 既存住宅に係る多世帯同居改修工事等をした場合の所得税額の特別控除制度が創設され、個人が、その者の有する居住用の家屋について、多世帯同居改修工事等を行った場合において、当該居住用の家屋を平成28年4月1日から平成31年6月30日までの間にその者の居住の用に供したときは、当該個人のその居住の用に供した日の属する年分の所得税の額から、その多世帯同居改修工事等の標準的な工事費用相当額(250万円を限度)の10%に相当する金額を控除できることとされた。
特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法36の2、36の5)  適用期限が平成29年12月31日まで2年延長された。
居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除(措法41の5)及び特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除(措法41の5の2)  適用期限が平成29年12月31日まで2年延長された。
住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除(措法41)等  次に掲げる措置について、改正前の居住者が満たすべき要件と同様の要件の下で、非居住者が住宅の取得等をする場合について適用できることとされた。
① 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除(措法41~41の3)
② 特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例(措法41の3の2)
③ 既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除(措法41の19の2)
④ 既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除(措法41の19の3)
⑤ 認定住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除(措法41の19の4) 等
 この改正は、平成28年4月1日以後に住宅の取得等をする場合について適用される(改正法附則76、77、80~82等)。
住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除(措法41)及び特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例(措法41の3の2)  エネルギーの使用の合理化に資する修繕又は模様替を適用対象に加える措置は、適用期限(平成27年12月31日)の到来をもって廃止された(旧措令26 、26の4⑦ )。
 なお、増改築等をした家屋を平成28年1月1日前にその者の居住の用に供した場合については、従前のとおりとされている(改正措令附則11)。

▶金融・証券税制
特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除等の特例及び特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除等の特例(エンジェル税制)(措法37の13、37の13の2)  適用対象となる株式の範囲から地域再生法に規定する認定地域再生計画に記載されている事業を行う株式会社が発行する株式が除外された(旧措法37の13①四)。
 なお、平成28年4月1日前に払込みにより取得をした株式については、従前のとおりとされている(改正法附則72)。
特定新規中小会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例及び復興指定会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例(エンジェル税制)(措法41の19、震災特例法13の3)  次の改正が行われた。
① 適用対象となる総合特別区域法の指定会社に係る同法の規定に基づく指定期限を平成30年3月31日まで2年延長された。
② 適用対象となる特定新規株式の範囲に、地域再生法に規定する特定地域再生事業を行う株式会社で平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に同法の規定による確認を受けたものにより発行される株式のうち、当該確認を受けた日から同日以後3年を経過する日までの間に発行されるものを加えられた。
③ 適用対象となる東日本大震災復興特別区域法の指定会社に係る同法の規定に基づく指定期限を平成33年3月31日まで5年延長された。
上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除(措法37の12の2)  適用対象となる上場株式等の譲渡の範囲に、国外転出をする場合の譲渡所得等の特例等(所法60の2、60の3)の適用により行われたものとみなされた譲渡が加えられた(措法37の12の2②十一)。
無記名公社債の利子等の帰属(旧所法14)  無記名の公社債、無記名の株式又は無記名の投資信託等の受益証券の元本の所有者以外の者が利子等の支払を受ける場合には、その元本の所有者が利子等の支払を受けるものとみなす措置が廃止された。
 なお、元本の所有者以外の者が平成28年4月1日前に支払を受ける利子等については、従前のとおりとされている(改正法附則5)。
特定の取締役等が受ける新株予約権等の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等(ストックオプション税制)のうち特定多国籍企業による研究開発事業等の促進に関する特別措置法に係る措置(旧措法29の3)  適用期限(平成28年3月31日)の到来をもって廃止することとされた。
 なお、平成28年4月1日前に取締役等が行った特定外国新株予約権の行使については、従前のとおりとされている(改正法附則68)。
先物取引に係る雑所得等の課税の特例及び先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除(措法41の14、41の15)  次に掲げる取引が除外された。
イ 商品先物取引業者以外の者を相手方として行う店頭商品デリバティブ取引
ロ 金融商品取引業者のうち第一種金融商品取引業を行う者以外の者又は登録金融機関以外の者を相手方として行う店頭デリバティブ取引
 なお、この改正は、平成28年10月1日以後に行う先物取引について適用される(改正法附則79)。

▶事業所得等関係
国庫補助金等の総収入金額の不算入制度(所法42等)  適用対象となる国庫補助金等の範囲から、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律に基づく独立行政法人空港周辺整備機構等の補助金が除外された(旧所令89四)。
 なお、平成28年4月1日前に交付を受けた補助金については、従前のとおりとされている(改正所令附則6)。
減価償却制度(所法49等)  平成28年4月1日以後に取得する建物の附属設備及び構築物並びに鉱業用の建物の減価償却の方法のうち、定率法が廃止された(所令120の2等)。
 なお、この改正は、平成28年分以後の所得税について適用される(改正所令附則8①)。
エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度(環境関連投資促進税制)(措法10の2)  次のとおり見直しを行った上、その適用期限が2年延長された。
① 対象資産から認定発電設備に該当する太陽光発電設備を除外し、対象資産に認定発電設備に該当しない太陽光発電設備のうち一定のものを加える(措法10の2①一、措令5の4①一、平成28年財務省告示第103号)。
② 対象資産に認定発電設備に該当しない風力発電設備のうち一定のものを加える(措法10の2①一、措令5の4①二、平成28年財務省告示第103号)。
③ 対象資産から建築物に係るエネルギーの使用の合理化に著しく資する設備を除外する(旧措法10の2①二)。
④ 特別税額控除制度に係る措置の対象資産から車両運搬具を除外する(旧措法10の2③)。
⑤ 認定発電設備に該当する風力発電設備のうち一定のもの(特定エネルギー環境負荷低減推進設備等)についてその取得価額から普通償却額を控除した金額までの特別償却(即時償却)ができる措置を廃止する(旧措法10の2⑥⑦)。
(注)認定発電設備に該当する風力発電設備のうち一定のものは、対象資産からは除外されていないので、30%の特別償却(中小事業者については7%の税額控除を含む)の適用は引き続き可能である。
 なお、この改正は、平成28年4月1日以後に取得等をするエネルギー環境負荷低減推進設備等について適用される(改正法附則59)。
生産性向上設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除(旧措法10の5の4)及び特定農産加工品生産設備の特別償却(旧措法11の3)  所要の経過措置(改正法附則62、63①)を講じた上、廃止することとされた。
特定設備等の特別償却制度(措法11)  公害防止用設備に係る措置について、対象設備からフッ素系溶剤に係る活性炭吸着式回収装置を含むドライクリーニング機を除外した上、その適用期限が1年延長された(平成28年財務省告示第104号)。
障害者を雇用する場合の機械等の割増償却制度(措法13)  対象資産を事業者が有する機械装置、工場用の建物等で、障害者が労働に従事する事業所にある一定のものに限定する等の見直しを行った上、その適用期限が2年延長された。
 なお、この改正は、平成28年分以後の所得税について適用される(改正法附則57)。
サービス付き高齢者向け賃貸住宅の割増償却制度(措法14)  償却割合を次のサービス付き高齢者向け賃貸住宅の区分に応じそれぞれ次のとおり引き下げた上、その適用期限が1年延長された(措法14①)。
① 耐用年数が35年未満であるもの 100分の110(改正前:100分の114)
② 耐用年数が35年以上であるもの 100分の114(改正前:100分の120)
 なお、この改正は、平成28年4月1日以後に取得等をするサービス付き高齢者向け賃貸住宅について適用される(改正法附則63④)。
中小事業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例(措法28の2)  適用期限が平成30年3月31日まで2年延長された。
復興産業集積区域等において機械等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度(震災特例法10の2)  復興産業集積区域に係る措置について、次のとおり見直しを行った上、その適用期限が5年延長された。
① 福島県又は福島県の区域内の市町村以外の認定地方公共団体の指定を受けた事業者が取得等をする機械装置並びに建物等及び構築物の償却割合を次のとおりとする。
 イ 機械装置 100分の50(平成31年4月1日以後に取得等をするものについては、100分の34)(改正前:その取得価額から普通償却額を控除した金額までの特別償却(即時償却))
 ロ 平成31年4月1日以後に取得等をする建物等及び構築物 100分の17(改正前:100分の25)
② 福島県又は福島県の区域内の市町村以外の認定地方公共団体の指定を受けた事業者が平成31年4月1日以後に取得等をする機械装置並びに建物等及び構築物の税額控除割合を次のとおりとする。
 イ 機械装置 100分の10(改正前:100分の15)
 ロ 建物等及び構築物 100分の6(改正前:100分の8)
 なお、この改正は、平成28年4月1日以後に取得等をする減価償却資産について適用される(改正法附則130)。
復興産業集積区域において被災雇用者等を雇用した場合の所得税額の特別控除制度(震災特例法10の3)  平成31年4月1日以後に福島県又は福島県の区域内の市町村以外の認定地方公共団体の指定を受けた事業者の税額控除割合を100分の7(改正前:100分の10)に引き下げた上、その適用期限が5年延長された。
復興産業集積区域における開発研究用資産の特別償却制度等(震災特例法10の5)  福島県又は福島県の区域内の市町村以外の認定地方公共団体の指定を受けた事業者が取得等をする開発研究用資産の償却割合を100分の50(平成31年4月1日以後に取得等をするものについては、100分の34)(改正前:その取得価額から普通償却額を控除した金額までの特別償却(即時償却))に引き下げた上、その適用期限が5年延長された。
 なお、この改正は、平成28年4月1日以後に取得等をする開発研究用資産について適用される(改正法附則131)。
被災代替資産等の特別償却制度(震災特例法11)  償却割合を次の減価償却資産の区分に応じそれぞれ次のとおり引き下げる等の見直しを行った上、その適用期限が3年延長された。
① 建物等及び構築物 中小事業者以外:100分の10(改正前:100分の15)
② 建物等及び構築物 中小事業者:100分の12(改正前:100分の18)
③ 機械装置、船舶及び車両運搬具 中小事業者以外:100分の20(改正前:100分の30)
④ 機械装置、船舶及び車両運搬具 中小事業者:100分の24(改正前:100分の36)
 なお、この改正は、平成28年4月1日以後に取得等をする被災代替資産等について適用される(改正法附則132等)。
特定住宅被災市町村の区域内の土地等を地方公共団体等に譲渡した場合の2,000万円特別控除(震災特例法11の5)  適用対象となる事業は地方公共団体等が行う東日本大震災からの復興のための事業であることを明確化した上、その適用期限が5年延長された。
 なお、この改正は、平成28年4月1日以後に行う土地等の譲渡について適用される(改正法附則133)。
特定の資産の買換えの場合等の課税の特例(震災特例法12)  被災区域である土地等又は その土地の区域内にある建物等若しくは構築物からの買換えに係る買換資産を一定の資産に限定した上、その適用期限が5年延長された。
 なお、この改正は、平成28年4月1日以後に震災特例法第12条第1項の表の第1号の上欄に掲げる資産の譲渡をして、同日以後に同号の下欄に掲げる資産の取得等をする場合の当該資産について適用される(改正法附則134①)。

▶その他
税務関係書類における個人番号(マイナンバー)の記載(通則法124等)  次の見直しが行われた。
① 提出者等の個人番号を記載しなければならないこととされている税務関係書類(申告書及び調書等を除く)のうち、次に掲げる書類について、提出者等の個人番号の記載を要しない(所法10③、57②、措令2の6①、25の13の2②、所規55一等)。
 イ 申告等の主たる手続と併せて提出され、又は申告等の後に関連して提出されると考えられる書類(例:所得税の青色申告承認申請書、青色事業専従者給与に関する届出書)
 ロ 税務署長等には提出されない書類であって提出者等の個人番号の記載を要しないこととした場合であっても所得把握の適正化・効率化を損なわないと考えられる書類(例:非課税貯蓄申込書、財産形成非課税住宅貯蓄申込書、非課税口座移管依頼書)
  なお、上記イの改正は、平成29年1月1日以後に提出すべき書類について適用され、上記ロの改正は、平成28年4月1日以後に提出すべき書類について適用される(改正法附則4、6、改正措令附則4①、10①、改正所規附則6等)。ただし上記イの書類については、平成29年1月1日前においても、運用上、個人番号の記載がなくとも改めてその記載を求めないこととされた。
② 個人が次に掲げる告知又は特定口座開設届出書等の提出をする場合において、その告知等を受ける者が、その告知等をする者の個人番号その他の事項を記載した帳簿を備えているときは、当該告知等をする者は、当該告知等を受ける者に対して、当該告知等をする者の個人番号の告知又は特定口座開設届出書等へのその者の個人番号の記載を要しない(所法224①等)。
 イ 利子・配当等の受領者の告知(所法224①、所令336④)
 ロ 特定口座開設届出書の提出をする者の告知(措法37の11の3④、措令25の10の3)
 ハ 国外送金等をする者の告知書の提出(国外送金法3①、国外送金令5②) 等
  なお、この改正は、平成28年4月1日以後に支払の確定する利子・配当等又は同日以後に特定口座開設届出書等の提出をする場合などについて適用される(改正法附則19、71等)。
非課税所得(所法9)  次の改正が行われた。
① 義務教育学校の児童又は生徒が、その学校の長の指導を受けて預入等をした預貯金等の利子等について、所得税を課さない(所法9①二)。
② 通勤手当の非課税限度額を月額15万円(改正前:10万円)に引き上げる(所令20の2)。
③ 学資に充てるため給付される金品のうち非課税所得とならない給与その他対価の性質を有するものから、給与所得を有する者がその使用者から通常の給与に加算して受けるものであって、法人である使用者からその法人の役員の学資に充てるため給付する場合など一定の場合以外に該当するものを除外する(所法9①十五、所令29)。
 なお、上記②の改正は、平成28年1月1日以後に受けるべき通勤手当(同日前に受けるべき通勤手当の差額として追加支給されるものを除く)について適用され、上記③の改正は、平成28年4月1日以後に受けるべき金品について適用される(改正法附則3、改正所令附則2)。
株式等を取得する権利の価額(所令84)等  個人が法人から役務の提供の対価として特定譲渡制限付株式等を交付された場合の経済的な利益の価額の算定方法及び当該特定譲渡制限付株式等の取得価額が定められた(所令84①、109①二)。
給与所得者の特定支出の控除の特例(所法57の2)  本特例の対象となる特定支出の範囲から、「雇用保険法に規定する教育訓練給付金」及び「母子及び父子並びに寡婦福祉法に規定する自立支援教育訓練給付金」が支給される部分の支出が除外された(所法57の2②)。
国外転出をする場合の譲渡所得等の特例(所法60の2)及び贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例(所法60の3)  次の改正が行われました。
① 対象となる有価証券等の範囲から、次に掲げる有価証券で国内源泉所得を生ずべきものを除外する(所法60の2①、所令170①)。
 イ 特定譲渡制限付株式等で譲渡についての制限が解除されていないもの
 ロ 株式を無償又は有利な価額により取得することができる一定の権利で、当該権利を行使したならば経済的な利益として課税されるものを表示する有価証券
② 国外転出等の日の属する年分の所得税につき確定申告書の提出及び決定がされていない場合には、その国外転出等の時に保有等をしていた有価証券等又は未決済信用取引等若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約(以下「対象資産」という。)について、その国外転出等の時における価額をもって取得したものとみなす措置等を適用しない(所法60の2④、60の3④)。
  なお、この改正は、平成28年1月1日以後に譲渡等をする対象資産について適用される(改正法附則7①、8①)。
③ 国外転出等の日の属する年分の所得税につき国外転出をする場合の譲渡所得等の特例等の適用を受けるべき者が、その国外転出等の日から5年を経過する日までに死亡したことにより、対象資産の相続等による移転があった場合において、その死亡した者について生じた遺産分割等の事由により、対象資産の移転を受けた相続人等である個人に非居住者が含まれないこととなったときは、その相続等による移転があった対象資産については、国外転出等の日の属する年分の所得税につき国外転出をする場合の譲渡所得等の特例等による譲渡等がなかったものとすることができる(所法60の2⑥三ロ、60の3⑥三ロ)。
  なお、この改正は、平成28年1月1日以後に遺産分割等の事由により対象資産の移転を受けた相続人等である個人に非居住者が含まれないこととなった場合について適用される(改正法附則7②、8②)。
④ 国外転出をする場合の譲渡所得等の特例等の適用がある場合の納税猶予に係る期限の満了に伴う納期限を、国外転出の日から満了基準日(その国外転出等の日から5年を経過する日又は帰国等の場合に該当することとなった日のいずれか早い日をいう)の翌日以後4
 月を経過する日とすることとする(所法137の2①②、137の3①~③、復興財確法18)。
  なお、この改正は、満了基準日が平成28年1月1日以後である場合について適用される(改正法附則10、11①~③)。
⑤ 国外転出等の日の属する年分の所得税につき確定申告書を提出し、又は決定を受けた者が、その国外転出等の日から帰国等の日まで引き続き有していた有価証券等について国外転出をする場合の譲渡所得等の特例等の適用がなかったものとすることができる措置を適用することにより、その国外転出等の日の属する年分の所得税について修正申告をすべき事由が生じた場合には、その帰国等の日から4月以内に限り、その年分の所得税についての修正申告書を提出することができること等とする(所法151の2、151の3)。
  なお、この改正は、平成28年1月1日以後に帰国等をした場合について適用される(改正法附則12、13)。
⑥ 居住者が年の中途において死亡した場合の確定申告書の提出期限後に生じた遺産分割等の事由により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例が適用されたため新たに当該確定申告書を提出すべき要件に該当することとなったその居住者の相続人は、その遺産分割等の事由が生じた日から4月以内に、その居住者の死亡の日の属する年分の所得税について期限後申告書を提出しなければならない(所法151の5)。
⑦ 相続の開始の日の属する年分の所得税につき贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用を受けた居住者について生じた遺産分割等の事由により、非居住者に移転した対象資産が増加し、又は減少した場合には、その居住者の相続人は、その遺産分割等の事由が生じた日から4月以内に、その年分の所得税について、税額が増加する場合等には修正申告書を提出しなければならないこととし、税額が減少する場合等には更正の請求をすることができる(所法151の6、153の5、復興財確法20の2⑥、21⑥)。
  なお、上記⑥⑦の改正は、平成28年1月1日以後に遺産分割等の事由が生ずる場合について適用される(改正法附則15)。
寄附金控除(所法78)  義務教育学校を設置する学校法人に対する寄附金が、特定寄附金の対象とされた(所法78②二、平成28年財務省告示第93号)。
 なお、この改正は、平成28年4月1日以後に支出する寄附金について適用される(平成28年財務省告示第93号)。
外国親会社等が国内の役員等に供与等をした経済的利益に関する調書(所法228の3の2)  調書の対象となる経済的利益の供与等を受けた者の範囲に、外国法人がその発行済株式の100分の50以上の数を保有する内国法人等の役員又は使用人である非居住者(当該内国法人等の役員又は使用人であった者を含みます。)で国内源泉所得となる経済的な利益の供与等を受けた者等を加えることとされた。
 なお、この改正は、平成28年1月1日以後に供与等を受ける経済的利益について適用される(改正法附則20)。
国等に対して重要有形民俗文化財を譲渡した場合の譲渡所得の課税の特例(措法40の2)  適用期限が平成30年12月31日まで2年延長された。
債務処理計画に基づき資産を贈与した場合の課税の特例(措法40の3の2)  適用要件に、贈与を受ける内国法人が金融機関から受けた事業資金の貸付けについてその貸付けに係る債務の弁済の負担を軽減するため中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律の施行の日(平成21年12月4日)から平成28年3月31日までの間に条件の変更が行われていることを加えた上、その適用期限が3年延長された(措法40の3の2①)。
 なお、この改正は、平成28年4月1日以後の贈与について適用される(改正法附則74)。
給付金の非課税(措法41の8)  「簡素な給付措置(臨時福祉給付金)」として給付される給付金及び低所得の高齢者等を対象に給付される「年金生活者等支援臨時福祉給付金」について、所得税を課さないこととする等の措置が講じられた(措法41の8一、三)。
公益法人等に寄附をした場合の所得税額の特別控除制度(措法41の18の3)  次の措置が講じられた。
① その実績判定期間にその公益目的事業費用等の額の合計額が1億円に満たない事業年度を有する公益社団法人及び公益財団法人、学校法人及び準学校法人、社会福祉法人並びに更生保護法人に係るいわゆるパブリック・サポート・テストの絶対値要件における実績判定期間内の判定基準寄附者数が年平均100人以上とする要件の当該判定基準寄附者数は、当該事業年度における判定基準寄附者数に1億を乗じてこれを当該公益目的事業費用等の額の合計額で除して計算する(措令26の28の2①)。
② 公益社団法人及び公益財団法人並びに更生保護法人に係る絶対値要件について、実績判定期間内の各事業年度における当該判定基準寄附者からの寄附金の額の総額に12を乗じてこれを当該実績判定期間の月数で除して得た金額が30万円以上であることを要件に加える(措令26の28の2①)。
③ 適用対象となる寄附金の範囲に、国立大学法人、公立大学法人、独立行政法人国立高等専門学校機構又は独立行政法人日本学生支援機構(その運営組織及び事業活動が適正であること並びに市民から支援を受けていることにつき一定の要件を満たすものに限る。)に対する寄附金のうち学生等に対する修学の支援のための事業に充てられることが確実であるものを加える(措法41の18の3①二、措令26の28の2②③)。
 なお、この改正は、平成28年分以後の所得税について適用される(改正法附則57、改正措令附則2、改正措規附則19②③)。

平成25年度改正のうち、平成28年分の所得税から適用される主なもの
特定公社債等の利子所得等の課税方式等(措法3、3の3、8の4、8の5)  特定公社債等の利子等については、15%源泉分離課税の対象から除外された上、次のとおり改正された。
① 平成28年1月1日以後に居住者等が支払を受けるべき一定の特定
 公社債等の利子等については、15%の税率による申告分離課税の対象とする。
② 平成28年1月1日以後に支払を受けるべき一定の特定公社債等の利子等を有する居住者等は、その特定公社債等の利子等については、申告を要しない。
特定公社債等の譲渡所得等の課税方式(措法37の11、旧措法37の15)  特定公社債等の譲渡所得等については、非課税の対象から除外された上、次のとおり改正された。
① 居住者等が、平成28年1月1日以後に特定公社債等の譲渡をした場合にけるその特定公社債等の譲渡による譲渡所得等については、15%の税率による申告分離課税の対象とする。
② 特定公社債等の償還又は一部解約等により支払を受ける金額については、これを特定公社債等の譲渡所得等に係る収入金額とみなすことにより、15%の税率による申告分離課税の対象とする。
特定公社債等の上場株式等の譲渡損失及び配当所得の損益通算並びに繰越控除の特例の対象範囲の拡充等(措法37の12の2)  特定公社債等の譲渡損失及び利子所得等について、次のとおり損益通算及び繰越控除の対象とされた。
① 上場株式等の譲渡損失及び配当所得の損益通算の特例の対象に、特定公社債等の利子所得等及び譲渡所得等が加えられ、これらの所得間並びに上場株式等の配当所得(申告分離課税を選択したものに限る)及び譲渡所得等との損益通算を可能とする。
② 平成28年1月1日以後に特定公社債等の譲渡により生じた損失の金額のうち、その年に損益通算をしても控除しきれない金額については、翌年以後3年間にわたり、特定公社債等の利子所得等及び譲渡所得等並びに上場株式等の配当所得(申告分離課税を選択したものに限る)及び譲渡所得等からの繰越控除を可能とする。
一般公社債等の利子所得等の課税方式  一般公社債等の利子等については、15%源泉分離課税を維持する。ただし、同族会社が発行した社債の利子でその同族会社の判定の基礎となった株主等が支払を受けるものは、総合課税の対象とする(措法3)。
一般公社債等の譲渡所得等の課税方式(措法37の10、旧措法37の15)  一般公社債等の譲渡所得等については、非課税の対象から除外した上、次のとおり改正された。
① 居住者等が、平成28年1月1日以後に一般公社債等の譲渡をした場合におけるその一般公社債等の譲渡による譲渡所得等については、15%の税率による申告分離課税の対象とする。
② 一般公社債等の償還又は一部解約等により支払を受ける金額(私募公社債投資信託及び証券投資信託以外の私募投資信託にあっては、信託元本額までに限る)については、これを一般公社債等の譲渡所得等に係る収入金額とみなすことにより、15%の税率による申告分離課税の対象とする。ただし、同族会社が発行した社債の償還金でその同族会社の判定の基礎となった株主等が支払を受けるものは、総合課税の対象とする。

平成26年度改正のうち、平成28年分の所得税から適用される主なもの
給与所得控除(所法28)  給与所得控除の上限額が、平成28年分の所得税については230万円(給与収入1,200万円を超える場合の給与所得控除額)に引き下げられた(所法28③、平成26年度改正法附則4)。
給与所得者の特定支出の控除の特例(所法57の2)  一律に、その年中の特定支出の額の合計額が給与所得控除額の2分の1に相当する金額を超える場合には、その超える部分の金額を給与所得控除額に加算する。
上場株式等に係る譲渡所得等の課税の特例(措法37の11)等 (1)社債のうちその発行の日前6か月以内に有価証券報告書等を内閣総理大臣に提出している法人が発行するものを、社債のうちその発行の日前9か月以内(外国法人にあっては、12か月以内)に有価証券報告書等を内閣総理大臣に提出している法人が発行するものとする(措法37の11②九)。
(2)平成27年12月31日以前に発行された公社債の範囲から、その発行の時において同族会社に該当する会社が発行した社債を除外する(措法37の11②十四)。

平成27年度改正のうち、平成28年分の所得税から適用される主なもの
非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(NISA)(措法37の14等)  非課税口座に設けられる各年分の非課税管理勘定に受け入れることができる上場株式等の取得対価の額の限度額が120万円(改正前:100万円)に引き上げられた。
日本国外に居住する親族に係る扶養控除等の書類の添付等義務化  日本国外に居住する親族に係る扶養控除等について、次の改正が行われた。
(1)親族関係書類及び送金関係書類の添付等の義務化(所法120③二等)
  確定申告において、非居住者である親族に係る扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除又は障害者控除の適用を受ける居住者は、親族関係書類及び送金関係書類を確定申告書に添付し、又は確定申告書の提出の際に提示しなければならないこととする。ただし、下記(2)又は(3)により添付し、又は提示したこれらの書類については、添付又は提示を要しないこととする。
(2)源泉徴収における親族関係書類の提出等の義務化(所法185等)
  給与等又は公的年金等の源泉徴収において、国外居住親族に係る扶養控除、配偶者控除又は障害者控除の適用を受ける居住者は、親族関係書類を扶養控除等申告書等に添付し、又はその申告書等の提出の際に提示しなければならないこととする。
(3)年末調整における送金関係書類等の提出等の義務化(所法190等)
  給与等の年末調整において、国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける居住者は、送金関係書類を扶養控除等申告書に添付し、又はその申告書の提出の際に提示しなければならないこととし、国外居住親族に係る配偶者特別控除の適用を受ける居住者は、親族関係書類及び送金関係書類を配偶者特別控除申告書に添付し、又はその申告書の提出の際に提示しなければならないこととする。
試験研究を行った場合の所得税額の特別控除(措法10)  次の改正が行われた。
(1)試験研究費の総額に係る特別税額控除制度及び中小企業技術基盤強化税制について、特別税額控除の適用を受けることができる限度額をその年分の調整前事業所得税額の100分の25(改正前:100分の20)相当額に引き上げられた(措法10①②)。
(2)特別試験研究費の額に係る特別税額控除制度について、青色申告書を提出する事業者の各年分において特別試験研究費の額がある場合には、次の金額の合計額の特別税額控除ができる措置とする。ただし、特別税額控除額については、その年分の調整前事業所得税額の100分の5相当額を限度とする(措法10③、措令5の3④)。
 ① 特別試験研究費の額のうち特別試験研究機関等と共同して行う試験研究又は特別試験研究機関等に委託する試験研究に係る試験研究費の額の100分の30相当額
 ② 特別試験研究費の額のうち上記①以外のものの100分の20相当額
  なお、この措置の対象となる特別試験研究費の額には、試験研究費の総額に係る特別税額控除制度及び中小企業技術基盤強化税制における特別税額控除額の計算の基礎となった特別試験研究費の額を含めないこととする。
 ③ 特別試験研究費の範囲に、特定中小企業者等から知的財産権の設定又は許諾を受けて行う試験研究等を加える(措法10⑥五、措令5の3⑨)。
 ④ 繰越税額控除限度超過額に係る特別税額控除制度及び繰越中小企業者税額控除限度超過額に係る特別税額控除制度を廃止する(旧措法10③⑤)。
山林所得に係る森林計画特別控除(措法30の2)  山林の伐採又は譲渡に係る収入金額が2,000万円を超える者の2,000万円を超える部分(改正前:3,000万円を超える者の3,000万円を超える部分)の控除率が10%とされた上で、その適用期限が3年延長された。
居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法31の3)  適用の際に、確定申告書等に住民票の写し等を添付することとされている特例について、一定の場合を除き、その添付を要しないこととされた(措規13の4等)。

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