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解説記事2018年10月22日 【ニュース特集】 再確認! 施行日をまたぐ消費税の適用税率~平成31年経過措置通達を中心に~(2018年10月22日号・№760)

ニュース特集
平成31年10月1日より消費税率引上げへ
再確認! 施行日をまたぐ消費税の適用税率
~平成31年経過措置通達を中心に~

 安倍総理は10月15日、予定どおり平成31年10月1日より消費税率を引き上げる旨を表明した。消費税率の引き上げは2度先送りされたが、いよいよ現実味を帯びてきた。今回の特集では、国税庁が公表している「平成31年10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いについて(法令解釈通達)」などを中心に、平成31年10月1日(一部施行日)をまたぐ取引の消費税における適用税率について再確認する。

基本は「一部施行日」をまたげば新税率
 平成28年11月28日に公布された「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律」及び「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律」により、平成29年4月1日とされていた消費税率10%への引き上げ時期が「平成31年10月1日」へ2年半延期されるとともに、請負工事等に係る適用税率の経過措置の指定日が「平成31年4月1日」に変更された。
 これを受け国税庁は、「平成31年10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いについて(法令解釈通達)」(以下、31年経過措置通達)を発遣した。内容的には平成29年経過措置通達と同様のものとなっている。
 消費税率は、平成31年10月1日(施行日)以後の資産の譲渡等、課税仕入れ及び保税地域から引き取られる外国貨物については税率が10%となる。一方、平成26年4月1日から平成31年10月1日前に係る消費税については従前の例によることとされており8%となる。
 したがって、施行日の前日までに締結した契約に基づき行われる資産の譲渡等及び課税仕入れ等であっても、これらが施行日以後に行われる場合には、別段の定め(工事の請負等に関する経過措置や資産の貸付けに関する経過措置等)がある場合を除き、当該資産の譲渡等及び課税仕入れ等について消費税率10%が適用されることになる(30年経過措置通達2)。
 また、平成31年9月30日までに仕入れた在庫品を平成31年10月1日(施行日)以後に販売する場合には、別段の定めがある場合を除き、販売に関しては31年新消費税法が適用されることになる(31年経過措置通達3、図表1参照)。一方、仕入れに関しては改正前の旧消費税法が適用されることになる。


工事の請負、資産の貸付け等は平成31年4月1日前に契約が必要
 消費税率10%への引上げに際しては、8%への引上げ時と同様、一定の取引については平成31年10月1日以降も8%を適用することができる経過措置が設けられている。具体的には、①旅客運賃等、②電気料金等、③工事の請負等、④資産の貸付け、⑤役務の提供、⑥予約販売に係る書籍、⑦特定新聞、⑧通信販売、⑨有料老人ホームの介護に係る入居一時金、⑩家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)に基づくリサイクル料金等である。
 経過措置のうち、③工事の請負等、④資産の貸付け、⑤役務の提供、⑥予約販売に係る書籍、⑧通信販売、⑨有料老人ホームの介護に係る入居一時金については、指定日である平成31年4月1日前に契約していることが前提となる(図表2参照)。したがって、平成31年4月1日以後に契約したものは経過措置の対象とならない。

 工事の請負等に関する経過措置は、平成25年10月1日から平成31年4月1日(平成31年指定日)の前日までの間に締結した工事又は製造の請負に係る契約に基づいて、平成31年10月1日(施行日)以後にその契約に係る課税資産の譲渡等を行う場合について適用される。したがって、平成31年指定日以後に締結された契約に基づく工事の請負等は適用対象外となる。ただし、平成31年指定日以後に締結された契約であっても、工事の請負に係る資産の譲渡等の時期の特例に規定する長期大規模工事又は工事の請負等に係る契約に基づき、施行日以後に目的物の引渡しを行う場合においては、当該長期大規模工事等に係る対価の額について同特例の適用を受ける場合には旧税率(8%)が適用できる(31年経過措置通達9)。
 そのほか、機械設備等の販売に係る契約において、据付工事の対価の額を合理的に区分しているときは、当該据付工事については、工事の請負に係る契約に基づく工事に該当するものとして経過措置が適用される(31年経過措置通達12)。
 また、工事の請負等に係る契約に係る対価が平成31年4月1日(平成31年指定日)以後に増額された場合には、増額された部分には新税率(10%)が適用される。例えば、5,000万円の請負金額が最終的に6,000万円になったケースでは、1,000万円部分が経過措置の対象とはならない。増額された部分は、工事に係る目的物の引渡しをする日以前に確定している場合にはその引渡しの日、引渡し後に確定した場合にはその確定をした日を含む課税期間における消費税の課税標準額に算入することになる(31年経過措置通達14)。
 なお、工事の請負等に係る契約については、工事のみだけではなく、これに類する契約として、測量、地質調査、工事の施工に関する調査、企画、立案及び管理並びに設計、映画の制作、ソフトウェアの開発その他の請負に係る契約も経過措置の対象となる。
平成31年指定日以後の変更で新税率  資産の貸付けに関する経過措置については、平成25年10月1日から平成31年4月1日(平成31年指定日)の前日までの間に締結した資産の貸付けに係る契約に基づき、平成31年10月1日(施行日)前から引き続き行われている資産の貸付けで、その契約の内容が「契約に係る資産の貸付けの期間及びその期間中の対価の額が定められていること」などの一定の要件を満たす場合が対象になる。この点、資産を借り受けた者が支払うべき消費税相当分について「消費税率の改正があったときは改正後の税率による」旨を定めている場合には経過措置の対象となる旨が明らかにされている(31年経過措置通達17)。一方、同様の定めであっても平成31年4月1日(平成31年指定日)以後に賃貸料の額を変更した場合には経過措置の対象外となる。
対価の額を変更すると全額が対象外  また、平成31年指定日前に契約し、経過措置の対象となる資産の貸付けであっても、指定日後に何らかの事情により対価の額が変更されるケースがある。この場合には、事実上、新たな貸付契約が締結されたとみなされ、変更後の貸付けに係る対価の額の全額について新税率(10%)が適用されることになる。
 役務の提供に関する経過措置も同様だ。役務の提供は冠婚葬祭互助会が行う結婚式やお葬式を行うための契約が該当するが、指定日後に対価の額が変更された場合にはその全額が経過措置の対象外となる。この点、工事の請負等に関する経過措置とは異なる取扱いとなっているので要注意だ。
施行日前までに代金の領収を  予約販売に係る書籍等に関する経過措置では、平成31年4月1日(平成31年指定日)前に締結した不特定かつ多数の者に定期的に継続して供給することを約する契約に基づく書籍等が対象となる。具体的には週刊誌や月刊誌などのほか、順次発行される文学全集などが対象となる。対価については契約した際に領収する必要はないが、平成31年10月1日(施行日)前までに対価を領収していなければならない。平成31年10月1日以後に対価を領収した場合には新税率(10%)が適用されることになる。
指定日前の条件で  通信販売に関する経過措置については、通信販売(不特定多数の者に商品の内容、販売価格その他の条件を提示し、郵便、電話その他の方法により売買契約の申込みを受けて当該提示した条件に従って行う商品販売)の方法により商品を販売する事業者が、平成31年4月1日(平成31年指定日)前に条件を提示し、または提示する準備を完了した場合が対象になる。また、事業者が平成31年10月1日(施行日)前に申込みを受けて当該提示した条件に従って施行日以後に商品を販売するときに限られているため、平成31年指定日前に条件を提示していたとしても、平成31年10月1日以後に申込みを受けたものについては新税率(10%)が適用される。
 なお、経過措置の対象となる通信販売にはカタログ販売のほか、インターネット販売も該当する。ただし、対象となるのは、指定日前に提示した条件に従って商品を販売するケースとされているため、平成31年4月1日前にHPで示した商品内容や価格等が変更された場合には対象外となる。
指定日前に契約し施行日前に入居が要件  有料老人ホームの介護に係る入居一時金に関する経過措置は、平成31年4月1日(平成31年指定日)前に有料老人ホームに係る終身入居契約をし、①入居期間中の介護に係る役務の提供の対価が入居の際に一時金として支払われる、②一時金につき事業者が事情の変更その他の理由によりその額の変更を求めることができる旨の定めがないものであり、平成31年10月1日(施行日)前から施行日以後引き続き当該契約に係る資産の譲渡等を行っている場合には、施行日以後に行う当該役務の提供(一時金に対応する部分に限る)に係る消費税については、旧税率の8%が適用される。仮に指定日前に契約していたとしても、施行日以後に入居した場合には経過措置の対象外となるので注意が必要だ。
 なお、指定日後に一時金の額の変更が行われた場合にはその時点から経過措置の対象外となる。

施行日をまたぐ経過措置とは?
 前述した経過措置のうち、①旅客運賃等、②電気料金等、⑦特定新聞、⑩家電リサイクル法に基づくリサイクル料金等に対するものは、施行日をまたぐ取引に適用される。
 旅客運賃等に関する経過措置については、旅客運賃、映画又は演劇を催す場所への入場料金を平成31年10月1日(施行日)前に領収している場合で、その対価の領収に係る課税資産の譲渡等が施行日以後に行われるものが対象となる。平成31年10月1日以後に乗車する電車の運賃で平成31年9月30日までに購入されたものは旧税率の8%となる。
 なお、旅客運賃等とは、①汽車、電車、乗合自動車、船舶又は航空機に係る旅客運賃(料金を含む)、②映画、演劇、演芸、音楽、スポーツ又は見せ物を不特定かつ多数の者に見せ、又は聴かせる場所への入場料金、③競馬場、競輪場、小型自動車競走場又はモーターボート競走場への入場料金、④美術館、遊園地、動物園、博覧会の会場その他不特定かつ多数の者が入場する施設又は場所でこれらに類するものへの入場料金とされている。
平成31年11月30日までに料金が確定  電気料金等に関する経過措置については、平成31年10月1日(施行日)前から継続的に供給または提供される電気、ガス、水道及び電気通信役務の料金で、施行日から平成31年11月30日までの間に料金の支払いを受ける権利が確定するもの(11月30日後に確定するものは同日までの相当額)のその確定した料金が対象になる。対象は①電気の供給、②ガスの供給、③水道水または工業用水の供給及び下水道を使用させる行為、④電気通信役務の提供、⑤熱供給及び温泉の供給、⑥灯油の供給とされている。
雑誌は対象外  特定新聞に係る経過措置においては、事業者が平成31年10月1日(施行日)前に不特定多数に販売される特定新聞であれば、10月以降に販売しても旧税率(8%)が適用される。特定新聞とは、「不特定かつ多数の者に週、月その他の一定の期間を周期として定期的に発行される新聞で、発行者が指定する発売日が施行日前であるもの」とされている。
 新聞(一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する週2回以上発行されるもの(定期購読契約に基づくもの))は軽減税率の対象となっており、加えて特定新聞に係る経過措置からは雑誌が対象外となっているため、適用対象はかなり限定されそうだ。なお、雑誌については、消費税の総額表示に伴うシステム変更の関係で、POSレジシステムが複数税率に対応できなくなったことにより経過措置の対象から除外されている。
リサイクル料金も対象  家電リサイクル法に基づくリサイクル料金等には前回の8%への消費税率引上げ時には経過措置が存在しなかったが、平成31年10月1日(施行日)前にリサイクル料金を領収し、施行日以後に廃家電を引き渡す場合には旧税率の8%が適用される(図表3参照)。

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