解説記事2019年01月14日 【SCOPE】 平成30年度末で期限到来する法人税関係の租税特別措置は?(2019年1月14日号・№770)
公害防止用設備の特別償却など、6項目が廃止
平成30年度末で期限到来する法人税関係の租税特別措置は?
平成31年度税制改正では、平成31年3月末までに適用期限が到来する法人税関係の租税特別措置である30項目のうち、公害防止用設備の特別償却などが適用期限通りで廃止されることになった(表参照)。中小企業等の貸倒引当金の特例(繰入限度額の割増措置)も経過措置は設けられるが、会計検査院の指摘を踏まえ適用期限通りで廃止となる(本誌768号4頁参照)。
中小企業等の貸倒引当金の特例は廃止も経過措置あり
中小企業者等の法人税率の特例をはじめ、研究開発税制や既存の設備投資減税である中小企業経営強化税制、中小企業投資促進税制などは適用期限が平成33年(2021年)3月31日まで2年延長される。ただし、特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却等は、経営改善により売上高又は営業利益の伸び率が年2%以上となる見込みであることについて認定経営革新等支援機関などの確認を受けることが要件として追加される。地域未来投資促進税制については、上乗せ要件を満たせば50%の特別償却、5%の税額控除に引き上げられるが、対象資産の取得価額の合計額は80億円が限度とされた。
また、関西文化学術研究都市の文化学術研究施設の特別償却は2年延長されるものの、機械装置の取得価額要件を400万円以上(現行:240万円以上)に引上げられる。また、特定都市再生建築物等の割増償却も特定都市再生緊急整備地域以外の都市再生緊急整備地域内において整備される建築物の割増償却率が25%(現行:30%)に引き下げられるとともに、雨水貯留利用施設に係る措置は適用期限で廃止となる。
適用期限通りで廃止されるのは、公害防止用設備の特別償却や中小企業等の貸倒引当金の特例(繰入限度額の割増措置)など、6項目だ。なお、中小企業等の貸倒引当金の特例(繰入限度額の割増措置)については、平成35年(2023年)3月31日までの間、経過措置が設けられるが、その他の措置は経過措置が設けられていないので留意したい。
平成30年度末で期限到来する法人税関係の租税特別措置は?
平成31年度税制改正では、平成31年3月末までに適用期限が到来する法人税関係の租税特別措置である30項目のうち、公害防止用設備の特別償却などが適用期限通りで廃止されることになった(表参照)。中小企業等の貸倒引当金の特例(繰入限度額の割増措置)も経過措置は設けられるが、会計検査院の指摘を踏まえ適用期限通りで廃止となる(本誌768号4頁参照)。
中小企業等の貸倒引当金の特例は廃止も経過措置あり
中小企業者等の法人税率の特例をはじめ、研究開発税制や既存の設備投資減税である中小企業経営強化税制、中小企業投資促進税制などは適用期限が平成33年(2021年)3月31日まで2年延長される。ただし、特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却等は、経営改善により売上高又は営業利益の伸び率が年2%以上となる見込みであることについて認定経営革新等支援機関などの確認を受けることが要件として追加される。地域未来投資促進税制については、上乗せ要件を満たせば50%の特別償却、5%の税額控除に引き上げられるが、対象資産の取得価額の合計額は80億円が限度とされた。
また、関西文化学術研究都市の文化学術研究施設の特別償却は2年延長されるものの、機械装置の取得価額要件を400万円以上(現行:240万円以上)に引上げられる。また、特定都市再生建築物等の割増償却も特定都市再生緊急整備地域以外の都市再生緊急整備地域内において整備される建築物の割増償却率が25%(現行:30%)に引き下げられるとともに、雨水貯留利用施設に係る措置は適用期限で廃止となる。
適用期限通りで廃止されるのは、公害防止用設備の特別償却や中小企業等の貸倒引当金の特例(繰入限度額の割増措置)など、6項目だ。なお、中小企業等の貸倒引当金の特例(繰入限度額の割増措置)については、平成35年(2023年)3月31日までの間、経過措置が設けられるが、その他の措置は経過措置が設けられていないので留意したい。
【表】平成30年度末までに適用期限が到来する法人税関係特別措置 |
税制措置 | 改正内容(適用期限等) |
中小企業者等の法人税率の特例 | 2年延長 |
研究開発税制(税額控除割合の特例等の措置) | 2年延長 ・増加試験研究費割合が「5%を超える場合」の特例を「8%を超える場合」に見直し及び試験研究費の額が平均売上金額10%を超える場合に税額控除率を割り増し。 |
中小企業投資促進税制 | 2年延長 |
地域未来投資促進税制2年延長 | ・直近事業年度の付加価値額率が8%以上増加していることとの要件を満たす場合には、承認地域経済牽引事業の用に供した機械装置及び器具備品について、50%の特別償却(現行:40%)、5%の税額控除(現行:4%)に引き上げる。 ・適用投資額の上限を80 億円(現行:100億円)に引き下げる。 |
特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却等 | 2年延長 ・経営改善により売上高又は営業利益の伸び率が年2%以上となる見込みであることについて認定経営革新等支援機関などの確認を受けることを適用要件に追加(ただし、経過措置あり)。 |
中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却等 | 2年延長 ・特定経営力向上設備等の範囲を明確化等。 |
公害防止用設備の特別償却 | 適用期限で廃止 |
船舶の特別償却 | 2年延長(一定の措置を講じた上) |
自動車教習用貨物自動車の特別償却 | 適用期限で廃止 |
関西文化学術研究都市の文化学術研究施設の特別償却 | 2年延長 ・機械装置の取得価額要件を400 万円以上(現行:240 万円以上)に引上げ。 |
共同利用施設の特別償却 | 2年延長 |
特定地域における工業用機械等の特別償却(過疎地域、半島地域、離島地域、奄美群島、振興山村) | 2年延長 |
医療用機器の特別償却 | 2年延長(対象機器の見直しなど、一定の措置を講じた上) |
事業再編計画の認定を受けた場合の事業再編促進機械等の割増償却 | 2年延長 |
特定都市再生建築物等の割増償却 | 2年延長 ・特定都市再生緊急整備地域以外の都市再生緊急整備地域内において整備される建築物の割増償却率を25%(現行:30%)に引き下げ。 雨水貯留利用施設に係る措置は適用期限で廃止 |
新事業開拓事業者投資損失準備金 | 適用期限で廃止 |
保険会社等の異常危険準備金(積立率の特例の措置) | 3年延長 ・火災保険等に係る特例積立率を6%(現行:5%)に引上げ |
中小企業等の貸倒引当金の特例(繰入限度額の割増措置) | 適用期限で廃止 ・ただし、経過措置として平成31年4月1日から平成35年3月31日までの間に開始する各事業年度における貸倒引当金の繰入限度額の計算は、現行法による割増率(10%)に対して1年ごとに5分の1ずつ縮小した率による割増しを認める。 |
探鉱準備金又は海外探鉱準備金 | 3年延長(一定の措置を講じた上) |
中小企業者の事業再生に伴い特定の組合財産に係る債務免除等がある場合の評価損益等の特例 | 適用期限で廃止 |
農業協同組合等の合併に係る課税の特例 | 3年延長(一部適用対象から除外した上) |
沖縄関係税制(観光地形成促進地域(税額控除)など9項目) | 2年延長 |
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