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解説記事2019年02月04日 【最新判決研究】 所得税における損失の繰越控除手続と期限後(修正)申告の期間期限等(2019年2月4日号・№773)

最新判決研究
所得税における損失の繰越控除手続と期限後(修正)申告の期間期限等

千葉地裁平成30年1月16日判決(TAINSZ888−2194)

 筑波大学名誉教授・弁護士 品川芳宣
 

一、事実
(1)X(原告)は、給与所得者(公務員)であるが、給与所得以外に、先物取引に係る差金等決済による収入を得ていて、平成20年分~同25年分の同差金等決済に係る損益状況は次のとおりであった(マイナスは損失を、その余は利益を表す。)。
平成20年分 -2116万0293円
平成21年分 1331万7168円
平成22年分 -1463万9742円
平成23年分 -834万2762円
平成24年分 1289万9344円
平成25年分 2363万2268円
上記に関し、処分行政庁は、Xに対し、平成26年11月7日付けで「平成21~25年分の所得税の確定申告について」と題する書面を送付した。同書面には、①平成21年分~平成25年分の所得税の申告義務等について確認するために調査の必要があるため、平成26年11月18日に来署を求める旨、②来署時に尋ねたい事項は、平成21年分~平成25年分の先物取引等についてである旨、③当日必要な書類は、同書面及び印章、給与の源泉徴収票、上記各年分の先物取引等について損益金額の分かる書類(証券会社等の年間損益計算書等)である旨が記載されていた。
(2)Xは、平成26年11月18日、C税務署において、上席国税調査官Yと面談し、Yは、Xの平成21年分~平成25年分の所得税等について調査(以下「本件調査」という。)を行った。Yは、Xに対し、平成21年分~25年分所得税等の期限後申告書を提示して、説明した。
本件調査において、XがYに対し平成20年分の損失を翌年に繰り越したいと述べたところ、Yは、平成20年分所得税は法定納期限から5年を経過していることから時効により期限後申告をすることはできない旨を説明した。なお、平成20年分所得税の法定納期限は、平成21年3月16日である。
Xは、「修正申告等について(交付用)」と題する書面(以下「本件説明文書」という。)を確かに受領した旨記載された「修正申告等について(控用)」と題する書面に署名押印した。Xは、平成26年11月18日、平成22年分~平成25年分の所得税等の期限後申告をしたが、平成21年分の所得税の期限後申告はしなかった。
Xは、Yから、申告のない平成21年分の所得税については決定の可能性がある旨告げられ、退署したが、Yに対し、平成20年分の所得税の期限後申告書の提出は可能である等の自己の見解の適否を確認したい旨を記載した平成26年11月24日付け書面を送付した。これに対し、Yは、Xに対し、国税徴収権の消滅時効の完成とともに納税義務は消滅するため、平成20年分所得税の期限後申告書の提出はできないとする回答が記載された平成26年12月1日付け書面(以下「本件回答書」という。)を送付した。
(3)処分行政庁は、平成27年1月27日付で、Xに対し、平成21年分所得税の額を199万円余及び平成25年分所得税の額を207万円余とする各決定処分と、それぞれに対応する無申告加算税の賦課決定処分(以下平成21年分の各処分を「21年分処分」といい、平成25年分の各処分を「25年分処分」という。)をした。
これに対し、Xは、①21年分処分については、行政指導をするに当たり根拠等を示さなかった違法があるとし、②25年分処分については、同年分の期限後申告は調査による決定を予知していないものであるとして、国(被告)に対して、それぞれの取消しを求めて、本訴を提起した。

二、争点及び当事者の主張
1 争  点
(1)21年分処分に係る争点
① 本件調査当時における平成20年分所得税の期限後申告の可否
② 行政指導の違法性
③ 期限後申告の勧奨及び調査終了の際の説明に関する手続的瑕疵
④ 21年分処分の理由提示の不備の有無
(2)25年分処分に係る争点
① 25年分期限後申告は調査があったことにより決定があるべきことを予知してされたものであるか否か
② 25年分処分の理由提示の不備の有無

2 Xの主張 (1)国税通則法(以下「法」という。)18条1項は「第25条の規定による決定があるまで」は期限後申告をすることができると規定し、そのほかに期限後申告を制限する規定や統一的な法令解釈通達はない。したがって、Xは、平成26年11月18日の本件調査の時点では、法25条の決定を受けていなかったから、平成20年分の所得税の期限後申告を行うことができた。国税徴収権の時効期間は、最大7年まで延長されるから、平成26年11月18日の本件調査の時点では、消滅時効期間が経過していたとはいえない。
(2)Yの行った行政指導は、①平成26年11月18日の面談において、Xが平成20年分所得税も期限後申告を行いたい旨の意向を示したのに対し、Yが期限の経過によりできないので申告を取りやめるように求めたこと、②Xが同日に行うことができなかったYの行政指導の適否について質問したことに対し、Yが指導の正当性を示すためにXに本件回答文書で回答をしたことである。Yの面談時の言動は、行政手続法2条6号に規定する行政指導であり、情報の収集ではなく、Xに申告を断念させることを目的としていること等のため、Yが行った行政指導は違法である。
(3)Yは、Xの後日申告したい旨の申出を認めず、Xが望まない期限後申告へXを誘導した。また、本件説明文書は、口頭で説明されたものではなく、本件説明文書を受領した旨が記載された書面については、Xが内容を確認せずに署名押印したものであり、錯誤により無効である。悪質で不当な調査が行われており、手続上の瑕疵がある。
(4)Xの平成20年分の所得税の期限後申告が行われ、同年の損失が平成21年に繰り越されていれば、納税義務がなかったこととなり、21年分処分が行われることはなかった。したがって、Xの平成20年分所得税の期限後申告を認めなかった理由を示す必要があった。それにもかかわらず、21年分処分の通知書には、Xの平成20年分の所得税の期限後申告を認めなかった理由の記載がないから、理由提示(行政手続法14①)に不備がある。
(5)本件調査は、国税庁が発出した「国税通則法第7章の2(国税の調査)関係通達の制定について(法令解釈通達)」(平成24年9月12日、以下「本件調査通達」という。)1-2(3)に該当し、「調査」(法66⑤)に該当しない。よって、25年分期限後申告は、「調査があったことにより」「決定があるべきことを予知してされたものではないとき」(法66⑤)に当たる。
(6)25年分処分の通知書には、25年分期限後申告が調査の結果に基づくものであるという結論のみが記載されており、その判断に当たって認定した事実や判断の過程、その結果適用される根拠法令等が示されておらず、理由の提示(行政手続法14①)に不備がある。

3 国の主張 (1)法25条の決定がない場合であっても、国税徴収権の時効期間経過後は期限後申告をすることはできないところ、平成26年11月18日の本件調査の時点で、平成20年分所得税の法定納期限である平成21年3月16日から5年の国税徴収権の時効期間が既に経過していたから、Xは、平成20年分所得税の期限後申告をすることはできなかった。
(2)Xが主張する行政手続法35条2項は、平成27年4月1日に施行された平成26年法律第70号による改正により創設されたものであり、平成26年11月18日の面談の際の指導には適用されない。
(3)YがXからの後日申告をしたい旨の申出を認めなかったり、Xが望まない期限後申告へXを誘導したりしたという事実はない。また、Yは、Xに対し、法的効果を説明した上、法74条の11第3項に基づき、本件説明文書を手交し、Xは、本件説明文書を受領した旨が記載された書面に署名押印した(法12④(法規1①))。以上のとおり、本件調査手続は適法に行われた。
(4)21年分処分の通知書には、処分等の理由及び根拠法令のほか、当該処分等により納付すべきこととなる税額について、その算定根拠及び根拠法令が記載されているから、理由提示の不備はない。
(5)本件調査通達1-2柱書によれば、「調査」から除外される行為は、特定の納税義務者の課税標準等又は税額等を認定する目的で行う行為に至らないものであるから、Xの課税標準等及び税額等を認定する目的で行われた本件調査は、「調査」に当たる。
(6)25年分処分の通知書には、無申告加算税の賦課決定に係る根拠法令は示されている。

三、判決要旨
請求棄却。

1 認定事実
本件の証拠及び弁論の全趣旨によれば、Xが平成26年11月18日にC税務署においてYと面談した際の状況について、次の各事実が認められる。
① Xが、Yに対し、平成20年分~平成25年分の先物取引の損益計算書を提示したところ、Yは、Xに対し、平成21年分と平成25年分が課税対象となると述べた。
② Xが、Yに対し、「平成20年の損失を繰り越すと利益は出ていない。」「平成20年分所得税の申告をしたい。」と述べたところ、Yは、確定申告は申告期限から5年で時効となるため、平成20年分の所得税の申告をして損失を平成21年に繰り越すことはできないこと等を回答した。
③ Xが、Yに対し、平成21年分所得税の申告をしない場合はどうなるのかと尋ねたところ、Yは、申告しない場合には、税務署が課税額を決定する旨を回答した。
④ Xは、平成21年分~平成25年分の所得税等の申告を後日行いたい旨を申し出たところ、Yは、「後日に提出してもいいですが、提出が遅くなると延滞税が余分にかかります。」「Xさんの申告内容は、給与所得と先物取引の損益を内容とするもので、その金額に曖昧な部分もなく、私が作成した申告書の計算に誤りはないので、後から申告しても税額が変るものではないですよ。」と説明をしたものの、Xは「平成22年分から平成25年分までの申告書は提出するが、平成21年分の申告書は提出しない。」と述べた。
⑤ Yは、上司と相談すると回答し、離席した。
⑥ Yは、Xに対し、上司の承認が取れた旨伝え、平成21年分所得税については決定の可能性があることを伝え、平成20年及び平成21年の損益計算書と平成21年度の源泉徴収票を返却した。
⑦ Yは、Xに対し、「修正申告等について(交付用)」と題する本件説明文書を交付し、一読するように求め、本件説明文書を確かに受領した旨記載された「修正申告書等について(控用)」と題する書面を提示して署名押印するよう求め、Xは同書面に署名押印した。Yは、平成22年分~平成25年分の所得税の申告書を示し、署名押印するように説明したところ、Xは、平成25年分のみ署名押印を行った。
⑧ Yは、申告したものとは別に、無申告加算税が約31万円、延滞税が約5万8000円課される旨説明した。

2 争点(1)①(本件調査当時における平成20年分所得税の期限後申告の可否) (1)所得税の申告に関しては、法「25条の規定による決定があるまで」(法18①)のほかに、期限後申告をすることができる期間について明示する規定はない。しかしながら、国税の徴収権は、原則としてその国税の法定納期限から5年間行使しないことによって、時効により消滅し(法72①)、その時効については、その援用を要せず、また、その利益を放棄することができない(同②)ことからすると、時効期間が経過した場合は、納税者が時効の利益を受ける意思があるか否かを問わずに絶対的に消滅し、課税庁は徴収手続をすることができないと解するのが相当である。
そして、確定申告は、納税者自らの判断と責任においてその納税額を自ら確定させる行為であると解されるから、法25条の規定による決定がされない場合であっても、当該申告の対象となる国税の時効期間が経過し、抽象的な納税義務自体が消滅し、具体的な納税義務の内容をおよそ確定することができなくなったときには、期限後申告をすることはできなくなると解するほかはない。
(2)これに対し、Xは、平成20年分所得税の期限後申告の対象は損失のみであり、上記期限後申告に基づきXに納税義務は生じず、国税徴収権も生じないのであるから、国税徴収権の時効期間によって申告の可否を判断することはできない等と主張する。
しかしながら、確定申告とは、納税者自らの判断と責任においてその納税額を自ら確定させる行為であると解される以上、当該納税の対象となる国税の徴収権自体が消滅時効の完成等によって絶対的に消滅した場合には、もはや期限後申告を認める余地はないと解するのが相当であって、仮に確定申告によって具体的に納付すべき税額が発生しない場合に当たるからといって、時効消滅後にも期限後申告が許容される旨のXの主張は、独自の見解であって相当ではなく、採用することができない。

3 争点(1)②(行政指導の違法性) (1)Xは、本件調査当時、平成20年分の所得税の期限後申告を受け付けなければならなかったのに、申告を断念するように求めたことが違法である旨主張するが、前記2のとおり、Xは、同年分の所得税についての期限後申告をすることが法律上許されなかったのであるから、Yの説明には誤りはなく、Yが同年分の所得税の期限後申告をしないように求めた行為が違法であるとはいえない。
(2)Xは、Yが、上記行為をするに当たり、根拠となる法令の条項、その条項に規定する要件及び要件に適合する理由(行政手続法35②参照)をXに示さなかったことが違法であると主張する。
しかしながら、平成26年11月18日の本件調査時において、平成27年4月1日に施行された行政手続法35条2項の規定は未施行であった上、Yは、Xに対し、時効のため、平成20年分の所得税の申告を行って、その損失を平成21年に繰り越すことができない旨説明していることからすると、同項1号から3号までの事項を示さなかったとしても直ちに違法とはいえない。
(3)また、行政手続法2条6号は、行政指導とは、行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいうと定めており、この定義規定によれば、行政指導とは、行政機関がそれを行う必要があるという判断に基づき、かつ、相手方に積極的に働きかけるものをいい、私人の求めに応じてその便宜に資するため、情報を提供する行為は、行政指導に含まれないと解すべきである。

4 争点(1)③(期限後申告の勧奨及び調査終了の際の説明に関する手続的瑕疵) Xは、本件調査時において、Xが申告を後日行いたい旨、申し出たところ、Yは、Xには申告の義務があり後日に行うことは認められない旨述べ、Xが望まない期限後申告へXを誘導したことは違法である旨主張する。
しかしながら、本件調査において、Yが後日に申告を行うことは認められない旨の発言を行い、Xがその旨誤信したとは考え難く、これに沿う旨のX作成の陳述書の記載は、採用することができない。

5 争点(1)④(21年分処分の理由提示の不備の有無) 証拠によれば、21年分処分については、処分の理由として、当該処分により納付すべきこととなる所得税の額及び無申告加算税の額について、その算定根拠及び根拠法令が記載されていることが認められ、処分の適正化及び不服申立ての便宜という行政手続法14条1項の趣旨、目的を充足する程度の理由が記載されているといえるから、理由提示の不備があるとは解されない。

6 争点(2)①(25年分期限後申告は調査があったことにより決定があるべきことを予知してされたものであるか否か) (1)前提事実及び前記1の認定事実のとおり、Yは、本件調査当時、既にXの先物取引の存在を把握しており、Xに対し、平成21年分~平成25年分の先物取引等について尋ねたいことや、上記各年分の先物取引等について損益金額が分かる書類が本件調査当日に必要であることを記載した文書を送付した上で本件調査に至っていることからすると、本件調査は、Xの課税標準等又は税額等を認定する目的で行う行為であったと認めることができる。25年分期限後申告は、本件調査に基づくYによる期限後申告の勧奨に応じて行われたものであるから、「調査があったことにより」「決定があるべきことを予知してされたものではないとき」(法66⑤)には当たらない。
(2)これに対し、Xは、本件調査は本件調査通達1-2(3)に該当すると主張する。
しかしながら、本件調査通達1-2(3)に定める「納税申告書の提出がないため納税申告書の提出義務の有無を確認する必要がある場合において、当該義務があるのではないかと思料される者に対して、当該義務の有無を確認するために必要な基礎的情報(事業活動の有無等)の自発的な提供を要請した上で、必要に応じて納税申告書の自発的な提出を要請する行為」とは、本件調査通達1-2柱書に定める「特定の納税義務者の課税標準等又は税額等を認定する目的で行う行為に至らないもの」の例として挙げられているところ、Yの本件調査は、Xの課税標準等又は税額等を認定する目的で行う行為であったと認めることができる。

7 争点(2)②(25年分処分の理由提示の不備の有無) (1)証拠によれば、25年分処分については、通知書に、処分の理由として、当該処分により納付すべきこととなる無申告加算税の額について、その算定根拠及び根拠法令が記載されていることが認められる。
(2)25年分処分の通知書には、「この処分の理由」欄に「なお、あなたが提出した当該確定申告書は、調査の結果に基づくものであるため、決定を予知しない期限後申告には該当せず」という記載があり、「加重分等の無申告加算税がある場合の無申告加算税の税額の計算書」に「あなたの無申告加算税については、国税通則法第66条第1項の規定によって計算した加算税(通常分の無申告加算税)のほかに、同条第2項の規定により、この計算書の⑬欄の税額についても加算税(加重分の無申告加算税)が課されます。」という記載がある。そうすると、上記通知書には、無申告加算税の額の算定に当たって、法66条1項、2項を適用したことが明記され、したがって、同条5項を適用して税額を軽減しなかったことを理解することができる内容となっている。

四、解説
はじめに
所得税法における損失の繰越控除は、法人税法のように一律ではなく、損失の発生の対象となる所得の種類等によって異なることになるので、留意が必要である。特に、個人の場合には、源泉徴収制度が整備されているため、確定申告の機会が少ないので、損失の繰越控除の要件となっている所定の期間の申告書の継続提出を怠たり勝ちである。そうであれば、損失の繰越控除の要件を満たすために期限後申告書の提出を検討することになるが、そこには期限後申告書の提出期限が問題となる(修正申告書の提出についても、同じ。)。
本件においても、給与所得者であるXは、先物取引に係る差金等決済による収入を得ていて、過去6年間のうち、3年間は損失があり、残りの3年間は利益を得たが、当該損失年分について、税務署の担当者の指導により期限後申告書が提出できなかったため、当該損失年分の一部について損失が繰り越せなかったものである。かくして、本訴においては、主として、期限後申告の期間期限について国税通則法の解釈が争われたものである。また、それに関連して、税務署側の行政指導の違法性、無申告加算税の賦課決定の違法性等が問題になっている。
このような問題は、最近、個人の株式等の投資活動が活発になっている折、それに係る所得税の課税のあり方に関わることになるので、本訴の解釈論には注目する必要がある。

1 所得税における損失の繰越控除 (1)所得税法70条1項は、確定申告書を提出する居住者のその年の前年以前3年以内の各年(その年分の所得税につき青色申告書を提出している年に限る。)において生じた純損失の金額がある場合には、当該損失の金額に相当する金額は、政令の定めるところにより、当該確定申告書に係る年分の総所得金額等の計算上控除する、と定めている。また、所得税法70条2項は、青色申告書以外についても、①変動所得の金額の計算上生じた損失の金額及び②被災事業用資産の損失の金額について、前述の1項同様、3年間の繰越控除を認めている。
上記の1項及び2項の規定による控除は、純損失の繰越控除という(所法70⑤)が、この純損失の繰越控除の適用を受けるためには、当該適用を受ける居住者が、純損失の金額が生じた年分の所得税につき確定申告書を提出し、かつ、それぞれその後において連続して確定申告書を提出していることを要する(所法70④)。これらの規定からすると、純損失が生じた年に確定申告書を提出していることを要し、その後、連続して確定申告書を提出していないと、純損失の繰越控除は受けられないことになるが、当該確定申告書の提出が法定申告期限内であるか否かは問われていない。
また、所得税法71条1項は、確定申告書を提出する居住者のその年の前年以前3年以内の各年において生じた雑損失の金額(雑損控除の適用において当該年分の所定の所得金額から控除し切れなかった金額をいう(所法①二十六)。)についても、それが3年以内に生じたものであれば繰越控除を認めることとしている。この場合においても、純損失の繰越控除と同様に、確定申告書の連続提出を要件としている(所法71②)。
(2)他方、租税特別措置法(以下「措置法」という。)では、本件の先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除について、次のように定めている(措法41の15①)。「確定申告書(〈略〉)を提出する居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、その年の前年以前3年以内の各年において生じた先物取引の差金等決済に係る損失の金額(〈略〉)を有する場合には、前条第1項後段の規定にかかわらず、当該先物取引の差金等の決済に係る損失の金額に相当する金額は、政令で定めるところにより当該確定申告書に係る年分の同項に規定する先物取引に係る雑所得等の金額を限度として、当該年分の当該先物取引に係る雑所得等の金額の計算上控除する。」
そして、措置法41条の15第3項は、「第1項の規定は、同項に規定する居住者又は恒久的施設を有する非居住者が前項に規定する先物取引の差金等決済に係る損失の金額が生じた年分の所得税につき当該先物取引の差金等決済に係る損失の金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある確定申告書を提出し、かつ、その後において連続して確定申告書を提出している場合であって、第1項の確定申告書に同項の規定による控除を受ける金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。」と定めている。
これらの規定からすると、当該確定申告書の提出が法定申告期限内であるか否かは問われていない。かくして、本件に即すると、法定申告期限後であっても、平成20年分以降の確定申告書を連続して提出(期限後申告)していれば、同年分の損失の金額が平成21年分の雑所得の金額から控除することができる旨解釈することができることになるが、本訴で問題となっているように、期限後申告の期間制限が問題となる。

2 期限後申告・修正申告の期間期限 (1)租税法の法律関係は、主として、私法上の債権・債務関係に準じて、債務関係説(注1)によって説明される。この場合の債権者は国であり、債務者は納税者になるが、その債権・債務の成立・確定等は、国税通則法の定めによる。まず、法15条1項は、「国税を納付する義務(源泉徴収による国税については、これを徴収して国に納付する義務。以下「納税義務」という。)が成立する場合には、その成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する国税を除き、国税に関する法律の定める手続により、その国税についての納付すべき税額が確定されるものとする。」と定めている。
かくして、所得税法は、所得税額の確定につき、原則として、申告納税制度を定めている(同法120等参照)ので、同法の定めるところにより、税額等を計算し、申告、納付を要することになる。また、この場合の税額の確定方式については、国税通則法に定めるところによるが、法16条1項は、「国税についての納付すべき税額の確定の手続については、次の各号に掲げるいずれかの方式によるものとし、これらの方式の内容は、当該各号に掲げるところによる。」と定め、申告納税方式と賦課課税方式を定めている。
この申告納税方式は、「納付すべき税額が納税者のする申告により確定することを原則とし、その申告がない場合又はその申告に係る税額の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかった場合その他当該税額が税務署長又は税関長の調査したところと異なる場合に限り、税務署長又は税関長の処分により確定する方式をいう。」ことになる。したがって、申告納税方式は、納税者が独自に税額を確定するわけではなく、納税者の申告と税務署長等による調査・処分が一体となって税額を確定させる方式である。そのことは、本件の法律関係にも重要な示唆を与える。
(2)以上によれば、申告納税方式による所得税の税額等の確定手続は、原則として、納税者の申告(所法120等参照)によるのであるが、その申告等が不適法等であれば、税務署長等による調査・処分が行われ、それらの申告・調査・処分の前後関係において、税額確定の手続の効力等が問題となる。この点につき、国税通則法は、17条から22条までに納税申告の手続を定め、23条に更正の請求手続きを定め、24条から30条までに更正・決定の手続を定めている。
そして、法18条1項は「期限内申告書を提出すべきであった者(〈略〉)は、その提出期限後においても、第25条(決定)の規定による決定があるまでは、納税申告書を税務署長に提出することができる。」と定めている。そして、この納税申告書を期限後申告書という(法18②)。
また、法19条1項は、「納税申告書を提出した者(〈略〉)は、次の各号のいずれかに該当する場合には、その申告について第24条(更正)の規定による更正があるまでは、その申告に係る課税標準等(〈略〉)又は税額等(〈略〉)を修正する納税申告書を税務署長に提出することができる。」と定めている。そして、「次の各号」には、先の納税申告に納付すべき税額に不足額があること等その修正申告によって納税者が不利になる場合が定められている(法18①一~四)。
(3)このような期限後申告又は修正申告は、税務署長等による決定又は更正があるまではいつでも納税者の意思によって税額等の確定を行うことを定めたものであるが、その最大の効果は、無申告加算税又は過大申告加算税を軽減又は免除されることにあり(法65⑤、66⑤)、かつ、延滞税が軽減されることが期待される(法60等参照)。
この場合、納税者は、期限後申告又は修正申告について期間制限の直接的規定がないから、法定申告期限経過後10年又15年経過した後に期限後申告又は修正申告によって自己に不利な税額等を確定させることも可能であるとも考えられる。しかし、税務署長等による更正決定等の期間制限が最長7年と定められている(法70④)ので、それらの申告に誤りがあったとしても是正できず、かつ、国税の徴収権も最長7年で消滅時効となり(法73③)、当該消滅時効も援用を要しないこととされている(法72②)。そのため、納税者が、法定申告期限(法定納期限)から7年(偽りその他不正の行為がなければ5年)経過した後に期限後申告又は修正申告をして納付すべき税額を確定できたとしても、その租税債務は自然債務に準じた債務となり納付する必要がなくなる。しかも、徴収権の消滅時効が緩用が不要であること等もあって、仮に、当該納税者が当該税額を納付したとしても、税務署長としては、過誤納金として処理せざるを得なくなる(法56)(注2)。
(4)ところで、期限後申告又は修正申告の提出期限が国税の徴収権の消滅時効又は税務署長等による更正決定等の期限制限から派生して法定申告期限(法定納期限)から5年又は7年であるとしても、それが国税通則法等の解釈絶対的なものか否かについて疑問が残る。けだし、前述したように、税務署長等による更正決定等は、減額更正を含めて厳格な期間制限(除斥期間)が定められているのであるが、減額更正については、当該除斥期間を経過しても税務署長等の職権によって現実に行われていることも事実であり、その違法性が争われた裁判例においても、例えば、京都地裁昭和51年9月10日判決(行裁例集27巻9号1565頁)は、減額更正に除斥期間が設けられている趣旨について、租税法律関係の早期安定を図ることにあるとしながらも、課税処分が係争状態にあるときは、「租税法律関係の早期安定を図る趣旨は後退し、適正な処分を求める利益が優先すると解するのが相当である」旨等を判示している(注3)。
このように、減額更正について期間制限(除斥期間)が弾力的に解釈し得るというのであれば、本件のような場合にも、期限後申告書の提出を弾力的に取り扱う余地があったとも考えられる(注4)。

3 「調査があったことにより……決定があるべきことを予知」の意義 (1)法66条6項は、「期限後申告書〈中略〉の提出が、その申告に係る国税についての調査があったことにより当該国税について更正又は決定があるべきことを予知されたものでない場合において、その申告に係る国税についての調査通知がある前に行われたものであるとき」は、無申告加算税の額が15%から5%へ軽減される。この規定の解釈上最も問題となるのが、「調査があったこと」と「決定があるべきことを予知してされたも」の二つの要件を充足する必要があるとする見解(以下「二段階要件説」という。)と当該調査の有無を前提とすることなく当該納税者の更正の予知という主観的要素のみを充足する必要があるとする見解(以下「一段階要件説」という。)の対立である。この論争については、一般的には、二段階要件説が支持されているといえる(注5)。この二段階要件説を本件において適用する場合には、当該無申告加算税の賦課決定において、「調査」の有無が重要な要件となる。
(2)この「調査」の意義については、かつては、「調査とは、被告住吉税務署長の主張するように、課税標準等または税額等を認定するに至る一連の判断過程の一切を意味すると解せられる。すなわち、課税庁の証拠資料の収集証拠の評価あるいは経験則を通じての要件事実の認定、租税法その他の法令の解釈適用を経て更正処分に至るまでの思考、判断を含むきわめて包括的な概念である。」(注6)と解され、国の主張が認められてきた。
ところが、国税庁は、平成23年12月の国税通則法改正に対応し、同24年9月12日付で、本件調査通達を発遣し、「調査」の解釈を一変させた。すなわち、本件調査通達1-2は、「当該職員が行う行為であって、次に掲げる行為のように、特定の納税義務者の課税標準等又は税額等を認定する目的で行う行為に至らないものは、調査には該当しないことに留意する。また、これらの行為のみに起因して修正申告書若しくは期限後申告書の提出又は源泉徴収に係る所得税の自主納付があった場合には、当該修正申告書等の提出等は更正若しくは決定又は納税の告知があるべきことを予知してなされたものに当たらないことに留意する。」と定め、同通達(3)は、本件に関する事項として、次の事項を挙げている。
「納税申告書の提出がないため納税申告書の提出義務の有無を確認する必要がある場合において、当該義務があるのではないかと思料される者に対して、当該義務の有無を確認するために必要な基礎的情報(事業活動の有無等)の自発的な提供を要請した上で、必要に応じて納税申告書の自発的な提出を要請する行為」

4 本件における期限後申告書提出の可否等 (1)本件においては、給与所得者であるXは、本件調査時前6年間(平成20年~平成25年)において、先物取引に係る差金等決済による収入を得ていて、平成20年分、同22年分及び同23年分の3年間は損失が生じ、残りの同21年分、同24年分及び同25年分の3年間は利益があったことが確認されたので、当該6年分の所得税の期限後申告書を提出して、該当する各年分の損失の繰越控除の適用を求めようとしたものである。ところが、Xは、担当調査官のYが、平成20年分の期限後申告書の提出は時効により認められない旨説明されたので、平成22年分ないし同25年分の期限後申告書を提出したが、同21年分の期限後申告書を提出できなかった。
その後、Xは、Yに対し、本件調査6日後に、平成20年分所得税の期限後申告書の提出は可能である旨の自己の見解の適否を確認したい旨の書面を提出したが、Yから、当該期限後申告書の提出はできない旨の本件回答書の送付を受けた。そして、処分行政庁は、本件回答書の趣旨に沿って、21年分処分と25年分処分を行った。Xは、これらの処分の取消しを求めて本訴を提起したのであるが、①21年分処分については、行政指導の違法性等を主張し、②25年分処分については、当該期限後申告は調査による決定を予知していないものである旨を主張した。上記①については、究極的には、国税の期限後申告書を法定申告期限から5年(又は7年)を経過した後も提出できるか否かの法の解釈にある。
そのほか、本件においては、Yが行った行政指導の違法性及び期限後申告の勧奨及び調査終了の際の説明に関する手続的瑕疵が争われているが、それらは、前述の期限後申告書の提出期限に関わることになるので、当該提出期限に係る法解釈如何から影響を受ける。そのため、本稿では、それらを個別に論じることは省略することとする。また、21年分処分及び25年分処分の理由附記の不備も争われているが、本件における重要性は乏しいと考えられるので、詳述を省略する。なお、無申告加算税の賦課決定に係る決定の予知については、本件調査通達の運用上疑義があるので、後述する。
(2)前述の期限申告書の提出期限について、本判決は、国税の徴収権の消滅時効の法的性格にふれ、「時効期間が経過した場合は、納税者が時効の利益を受ける意思があるか否かを問わずに絶対的に消滅し、課税庁は徴収手続をすることができないと解するのが相当である」と判示し、期限後申告の期間制限について、次のとおり判示して、Xの主張を斥けている。
「確定申告は、納税者自らの判断と責任においてその納税額を自ら確定させる行為であると解されるから、法25条の規定による決定がされない場合であっても、当該申告の対象となる国税の時効期間が経過し、抽象的な納税義務自体が消滅し、具体的は納税義務の内容をおよそ確定することができなくなったときには、期限後申告をすることはできなくなると解するほかはなく、したがって、納税者が期限後申告をすることができる期間は、原則として、当該国税に係る法定納期限から5年間(ただし、国税の徴収権で、偽りその他不正の行為により<中略>法定納期限から7年間)であると解するのが相当である。」
(3)このような判示は、期限後申告又は修正申告によって納付すべき税額が生じている場合には、説得力があるもので、筆者もその旨説明してきた(注7)。しかしながら、前記2で述べたように、国税通則法は、期限後申告又は修正申告について明示的に期限を定めているわけではない。そして、同法は、課税標準等又は税額等の確定手続である申告納税方式において、納税者の申告による確定を第一義にしている。そうであれば、納付すべき税額が生じない期限後申告又は修正申告については、国税の徴収権の消滅時効と離れて弾力的に解す余地があるように考えられる。その場合に、前記1で述べたように、所得税法における損失の繰越控除については、当該損失の発生年分以降の納税申告書の連続提出を要件としており、当該納税申告書には期限後申告書も含まれることも考慮されるべきである。そうであれば、本件のような場合に、期限後申告書の提出を徴収権の消滅時効後であっても認める余地があるようにも考えられる。
この点に関し、前記2で述べたように、税務署長等による減額更正については、国税通則法において法定申告期限から5年を経過したときにはできないことが明確にされているにもかかわらず、現に、税務署長等は当該5年を経過しても減額更正を行っており、裁判所もこれを適法と認めている。裁判所が適法と認める論拠は、当該事実関係に応じ、更正等の期間制限が求める法律関係の早期安定よりも適正な処分と納税者の利益を優先すべきということにある。然すれば、本件のような場合にも、法律関係の早期安定の要請は低いと考えられるので、減額更正のような特別の措置が認められて然るべきであると考えられる。
(4)次に、25年分処分に係る同年分期限後申告が「調査があったことにより決定があるべきことを予知してされたもの」か否かについて、敷衍しておく必要がある。この問題の解釈論については、前記3において簡単に述べた。本件のような場合には、従前の国税通則法の解釈の下では何ら問題にすることはない。しかし、国税庁は、前述したように、わざわざ平成24年9月12日付で本件調査通達を発遣し、わざわざ実務を混乱させている(注8)。本判決において認定された事実関係の下では、本件調査なるものは税務署の実務に照らすと、国税通則法74条の9に定める実地の調査のために事前通知を行ったわけではなく、Xの申告漏れを確認するために来署願い(いわゆる呼出し)を出し、Xがそれに応じたものと推測される。
そうであれば、本件調査は、法74条の9及び法66条5項にいう「調査」に該当せず、Xが主張する本件調査通達1-2(3)に掲げる事項に該当するようにも考えられる。そうであれば、25年分処分に違法性が生じることになる。しかしながら、本判決の事実の認定は、当初から結論ありき的に行われており、「調査」とは何かという本質論を避けているようにも思われる。また、本判決は、「本件調査は、Xの課税標準等又は税額等を認定する目的で行う行為であったと認めることができる」と判示しているが、「認定できる」からこそ納税者に対して申告を勧奨するのであろうから、本件調査通達自体論理矛盾をおかしているようにも考えられる。

5 本判決の意義と問題点 以上のように、本件は、日頃、所得税の確定申告に慣れていない給与所得者であるXが、過去6年間において、先物取引に係る差金等決済に係る所得(損失)を申告しなかったことに対し、税務署からの呼出しに応じて担当者との面談において、その事実を認め、過去5年間の期限後申告書を提出したものの、6年前の損失が生じた年分の期限後申告書は提出できないとする担当者のその説明に一旦従って退署したが、それに納得できなかったため、本訴を提起したものである。
本訴の主たる争点は、国税通則法の解釈上、法定申告期限から5年を経過した場合に、期限後申告は可能か否か、上記Yとの面談が「調査」に該当するか否かにある。それらの解釈論は、前記2及び3のとおりであり、当該解釈論に照らした場合の本件の問題点は前記4のとおりである。これらの問題は、従来の裁判例において余り取りあげられてこなかったので、本判決はそれらについて問題提起したことについて意義がある。しかし、前述したように、本判決については、それぞれ前述のような問題があると考えられるので、今後検討されるべき課題でもある。
(注1)債務関係説とは、「租税法律関係を、国家が納税者に対して租税債務の履行を請求する関係としてとらえ、国家と納税者とが法律のもとにおいて債権者・債務者として対立し合う公法上の債務関係として性質づける考え方である。」(金子宏「租税法 第22版 平成29年」25頁)。
(注2)このような法律関係の詳細については、品川芳宣「国税通則法の理論と実務」(ぎょうせい 平成29年)336頁、同「現代税制の現状と課題 租税手続編」(新日本法規 平成29年)273頁等参照。
(注3)同旨の裁判例として、京都地裁昭和52年4月15日判決(税資94号60頁)、大阪高裁昭和54年6月28日判決(税資105号942頁)、広島地裁昭和59年3月23日判決(税資135号359頁)等参照。
(注4)前掲(注2)「国税通則法の理論と実務」329頁、「現代税制の現状と課題 租税手続編」266頁等参照。
(注5)品川芳宣「附帯税の事例研究 第四版」(財経詳報社 平成24年)155頁、前出(注2)「国税通則法の理論と実務」266頁等参照。
(注6)大阪地裁昭和45年9月22日判決(訟務月報17巻1号91頁)。
(注7)前出(注2)各書参照。
(注8)本件調査通達の批判については、品川芳宣「国税通則法改正後の税務調査手続等の問題点」税経通信2013年4月号17頁、同「国税通則法講義」(日本租税研究協会 平成27年)81頁等参照。

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