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会計ニュース2002年11月05日 銀行融資時など、税理士による簡易監査も 中小企業会計草案作成の中心メンバーは「相互監査」を提案

 現在、日本税理士会連合会などが検討している中小企業会計基準が導入されれば、中小企業が銀行から融資を受ける際などにおいて、税理士による簡易監査が広がりそうだ。
 ただ、関与税理士自ら監査を行っても、監査への信頼性は確保できないため、中小企業会計草案作成の中心メンバーは、関与税理士以外の税理士が相互に監査しあう「相互監査」を提案している。これが実現すれば、税理士のビジネスチャンスは大きく拡大することになろう。

税理士作成の財務諸表への信頼は極めて薄いのが現状
 法人税の確定申告の際には、P/L、B/Sなどの財務諸表を添付することが義務付けられているが(法人税法74条)、これらの財務諸表に対する銀行等の信頼は極めて薄く、銀行が融資を行うかどうかの判断材料とはなり得ないのが現状となっている。これには、中小企業の財務諸表は粉飾されていることが少なくない上、税務署側にも、所得が大きく計上されている分にはそれを是正するインセンティブが働かないという背景がある。
 銀行側は、融資に際して申告書別表の提出を求めることが多いが、それでも、融資するかどうかの判断材料としては全く不十分との認識があるようだ。

「簡易監査」は中小企業にもメリット
 この問題の根本にあるのは、中小企業の財務諸表には、その作成に関する「基準」がないということである。その意味で、現在検討されている中小企業会計基準の策定は、中小企業の財務諸表に対する信頼性の確保という点において大きな意義があると言えよう。
 中小企業会計基準の策定に伴って現実味を帯びてきているのが、税理士による「簡易監査」だ。簡易監査が導入されれば、税理士のビジネスチャンスは大きく広がることになる。中小企業にとって、簡易監査の費用負担は決して軽いものではないと思われるが、簡易監査を受けることで財務諸表の信頼性が増し、銀行の融資が受けやすくなるのであれば、むしろ中小企業側から積極的に簡易監査を希望することも予想される。

関与税理士と監査人は別にする必要
 ただ、その際に問題となるのは、監査の信頼性だ。監査の信頼性を確保するためには、最低限、監査人と関与税理士を切り分ける必要がある。こうした中、中小企業会計の草案をまとめた中心メンバーからは、「相互監査」を導入する案も提案されている。相互監査とは、関与税理士とは別の税理士により監査を行わせる仕組みのことである。
もっとも、相互監査の導入に当たっては、関与税理士と監査人の通謀をどう防ぐかなど、検討すべき点は少なくない。また、日本公認会計士協会は、中小企業独自の会計基準を設けるのは適当ではなく、中小企業には現行の会計基準を簡素化したものを適用すべきとし、監査の領域に税理士が進出してくることをけん制している。最終的な結論が出るまでには、まだしばらく時間がかかることになりそうだ。

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