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解説記事2019年07月22日 【最新判決研究】 税理士に対する所得秘匿等と「隠蔽又は仮装」・「偽りその他不正の行為」の該非(2019年7月22日号・№796)

最新判決研究
税理士に対する所得秘匿等と「隠蔽又は仮装」・「偽りその他不正の行為」の該非

東京地裁平成30年6月29日判決
(平成28年(行ウ)第487号、LEX/DB25555318)

 筑波大学名誉教授・弁護士 品川芳宣

一、事実
(1)X(原告)は、会社役員であるが、平成19年ないし平成25年において、3ヶ所に所在する賃貸用の土地及び建物2棟(以下「本件土地」、「本件建物1」及び「本件建物2」といい、それらを合わせて「本件各土地建物」という。)から合計次の賃料(以下「本件賃料収入」という。)を得ていた。

平成19年分 546万円
平成20年分 511万円
平成21年分 455万円
平成22年分 460万円
平成23年分 480万円
平成24年分 480万円
平成25年分 480万円

(2)Xは、平成19年分ないし同25年分所得税について、法定申告期限内に確定申告をし、一部の年分について修正申告をしているが、本件賃料収入については各年分の申告書に記載しなかった。これに対し、所轄税務署長は、平成27年3月6日、Xに対し、平成19年分ないし同25年分所得税について、本件賃料収入を各所得金額に加算する更正処分と重加算税の賦課決定処分(以下「本件各賦課決定」という。)をした。
 Xは、平成19年分ないし同22年分の各更正処分(以下「本件各更正」という。)は除斥期間を経過したものであるから違法であるとし、本件各賦課決定は、隠蔽又は仮装がないから違法であるとし、国(被告)に対し、上記各処分の取消しを求めて本訴を提起した。

二、争点及び当事者の主張

1 争  点
(1)Xに「隠蔽又は仮装」の事実が認められるか(争点1)
(2)Xに「偽りその他不正の行為」が認められるか(争点2)

2 国の主張 (1)Xは、平成19年ないし平成25年分の本件賃料収入について、不動産所得として申告する必要があることを認識していた。
(2)Xは、平成19年ないし平成25年分において、甲税理士が不動産所得の存在を把握したものは別として、その存在を把握されていない本件賃料収入に係る不動産所得については同税理士に対する意図的な不告知及び資料の不提示を継続して、これを申告しないという姿勢を貫いていた。
 このような姿勢に加え、①Xが所轄税務署長から平成19年分の雑所得の申告漏れについて指摘を受けた際及び平成20年分の譲渡所得について回答を求められた際において、本件各土地建物に係る不動産所得が申告されていない事実を認識し、甲税理士に説明する必要があったにもかかわらず、これを説明していないこと、②本件建物2の賃貸人を母親名義とし、同建物に係る不動産所得を甲税理士に告知せず、資料を提示しなかったこと、③本件土地の賃料変更の事実を甲税理士に伝えなかったこと、④平成24年及び平成25年分として申告した某所に所在する土地の賃料の振込口座を、本件土地の賃料収入が振り込まれる口座とせずに新たに開設した口座としたこと、⑤平成26年2月頃にXが作成したメモ書き(以下「本件メモ書き」という。)において、甲税理士の事務職員からの「本件各土地建物の、地代収入がいつから入金になっているか税務署に話しましたか?」との問い合わせに対し、「話して無い 此のAさんに渡した書類が全てで税務署にも何の資料も残してない。」(AはXが代表取締役を務める会社の事務員)と記載して、本件各土地建物に係る不動産所得を申告しない意向である旨回答したことなどの事実を総合すると、Xは、甲税理士に対して、本件賃料収入に係る不動産所得の秘匿を図ったものである。
(3)Xは、当初から所得を過少に申告することを意図し、税理士に対する不動産所得の秘匿という過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたのであるから、国税通則法(以下「通則法」という。)68条1項に規定する重加算税の賦課要件である「隠蔽又は仮装」の事実が認められる。
(4)Xは、平成19年ないし平成25年分の所得税について過少申告の意図の下に内容虚偽の確定申告書を提出していたものであるから、通則法70条4項の「偽りその他不正の行為」に該当し、7年の除斥期間が適用される。

3 Xの主張 (1)Xは、本件賃料収入の存在は認識していたが、本件土地については関連する多額の支出又は損失があり、本件各土地建物全体としては利益はないと思い、平成19年ないし平成25年分の所得税の申告において、申告すべき不動産所得があると明確には認識していなかった。
(2)Xが平成19年及び平成20年分の所得税の申告に関し所轄税務署長から受けた指摘等は不動産所得の申告とは関係がなく、平成19年分の所得税の修正申告及び平成20年分の譲渡所得に関する回答を行った時点で、本件各土地建物に係る不動産所得が申告されていないことを認識したということはできない。
(3)本件メモ書きの記載は、X自らが税務署に行って何か資料を提示したり説明をしたりすることはない、という趣旨であって、本件土地等に係る不動産所得を申告しない意向である旨を回答したものではない。
(4)Xは、本件各土地建物に係る不動産所得が申告されていないことを認識しておらず、過少申告の意図に基づき同所得の秘匿を行った事実もないから、重加算税の賦課要件を満たさない。
(5)Xに「偽りその他不正の行為」もないから、更正処分等の除斥期間は法定申告期限からそれぞれ3年及び5年であり、本件各更正処分及び本件各賦課決定処分のうち本件各更正処分に係るものは全て違法である。

三、判決要旨

請求棄却。
1 Xに「隠蔽又は仮装」の事実が認められるか(争点1)
(1)「隠蔽又は仮装」の解釈について
 重加算税を課するためには、納税者のした過少申告行為そのものが隠蔽又は仮装に当たるというだけでは足りず、過少申告行為そのものとは別に、「隠蔽又は仮装」と評価すべき行為が存在し、これに合わせた過少申告がされたことを要するものであるが、架空名義の利用や資料の隠匿等の積極的な行為が存在したことまでは必要でなく、納税者が当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたような場合には、重加算税の賦課要件が満たされるものと解すべきである。
 そして、特定の所得を申告すべきことを熟知しながら、税理士から当該所得の有無について質問を受け、資料の提出も求められたにもかかわらず、確定的な脱税の意思に基づいて当該所得のあることを税理士に対して秘匿し、何らの資料も提供することなく、税理士に過少な申告を記載した確定申告書を作成させてこれを提出した場合には、「過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動」があったといえる(最高裁平成7年4月28日第二小法廷判決・民集49巻4号1193頁参照)。
 税理士に対する所得の秘匿が「過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動」に当たるか否かを判断するに当たっては、税理士による資料を提示すべき旨の指示があったことは必ずしも必須の要件ではなく、特定の所得を申告すべきことを熟知しながら、確定的な脱税の意思に基づき、当該所得のあることを税理士に対して秘匿し、当該所得に係る資料も提出することなく、税理士に過少な申告を記載した確定申告書を作成させてこれを提出したと認められる限り、税理士に対する所得の秘匿は「過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動」を構成するものと解するのが相当である。
(2)Xの平成19年ないし平成25年分の所得税の申告が過少申告であったこと ① Xには、平成19年ないし平成25年において、いずれも不動産所得として申告する必要がある本件賃料収入があった。Xは、そのことを認識していた。
  この点に関し、Xは、Xに本件賃料収入の認識はあっても、多額の支出や損失があったため、申告すべき不動産所得があると明確には認識していなかった旨主張する。しかし、Xのいう多額の支出や損失が不動産所得の金額の計算上総収入金額から控除される必要経費に該当する旨の具体的な主張・説明をXはしていない。
② 甲税理士は、AやBが持参したXの申告関係資料に本件賃料収入を示す資料が含まれていなかったことから、本件賃料収入があることを認識せずに、平成19年ないし平成25年分の所得税の申告において、本件賃料収入及びそれに係る不動産所得を除外した過少申告をした。
  甲税理士及びその事務職員は、平成19年ないし平成25年分の所得税の申告に当たり、Xと直接面談したことはなく、Xに対し、申告外の不動産所得の有無を具体的に確認したこともなかった。
③ 以上のとおり、Xの平成19年ないし平成25年分の所得税の申告は過少申告であったものである。そして、これらの申告が過少申告となったのは、Xが、A又はBを介して、本件賃料収入に係る不動産所得について甲税理士に具体的に説明せず、本件賃料収入に関する資料を同税理士に提示しなかったことによるものであるが、そのこと自体からは、Xにおいて、確定的な脱税の意思に基づき、本件賃料収入を秘匿するためにあえて本件賃料収入関係資料を甲税理士に提示しなかったものか、区別することができない。
  そこで、代表的ないくつかの間接事実に基づいて、Xに確定的な脱税の意思があったのか検討していくこととする。
(3)Xが本件建物2の賃貸人の名義を母親名義としていたこと ① Xは、Xが所有する本件建物2に関する平成21年1月14日付け賃貸借契約に関し、賃貸人をXの母であるYとし、賃料の振込先口座をX名義の普通預金口座としていた。Xは、上記賃貸借契約に基づき、本件建物2の賃料及び礼金として平成21年に35万円を受領しながら、当該賃料収入に関する資料を甲税理士に提示せず、平成21年分の所得税の申告において申告しなかった。
② Xは、平成21年7月11日、本件建物2を底地及び賃借人付きで甥である乙に売却したが、平成21年分確定申告の譲渡所得の内訳書には、本件建物2及び底地の譲渡は記載されていない。
③ 以上の事実を総合すると、Xが本件建物2の賃貸人を自己の名義とせずにあえて母であるYの名義としたのは、本件建物2の賃料収入及び売却の事実を甲税理士に伝えなかったことと相まって、本件建物2の賃料収入を秘匿し所得を過少に申告する意図に基づくものと推認され、「過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動」といえる。
(4)本件土地の賃料変更を伝えていないこと  X及び共有者である丙は、平成22年6月1日、本件土地の賃料を、同月以降、月額70万円から月額80万円に増額し、これにより、同年9月までD銀行の、同年10月以降はE銀行の、それぞれX名義の口座に振り込まれる賃料も、月額35万円から月額40万円に増額された。Xは、このことを甲税理士に伝えていない。
 その理由についてのXの供述は、①自分にとっては大した話ではない(平成27年1月22日の税務調査時。)、②増額の交渉はBが行っており頭に残っていなかった(同年4月3日の異議申立調査時。)、③指示はしなかったが事情を知っているBが甲税理士に伝えるだろうと思っていた(同年12月8日の審査請求調査時。)と変遷しており、合理的な説明がなされているとはいえない。
(5)本件メモ書きを作成したこと ① 本件メモ書きの作成経緯
 甲税理士の事務職員であるCは、平成25年分の所得税の確定申告に当たり、Xから、Aを介して、同年分の所得税の申告に関する書類一式を預かった。
 その中には、本件土地に係る賃借人からの賃料収入の入金が記載されたX名義の通帳があったが、Aは、以前、Xが貸金業をしていたこと、丁にも金を貸していることを聞いたことがあったことから、当該入金は貸金の返済であろうと考え、Xが平成25年分の申告相談に行ったとも聞いたことから、Xが同人からの入金のことを税務署に話していれば、税務署においてその入金が不動産収入なのか貸金の返済なのかという問題が出ると考え、平成26年2月頃、同人からの入金のことを税務署に話したのかどうか、また、いつから入金になっているのか、Aを介してXに電話で問い合わせた。
 Cからの電話を受けたAは、「税理士さんより 社長個人の確定申告 H.25年度(1月~12月)に 関して」、「その他も含めて、地代収入がいつから入金になっているか税務署に話しましたか?」等と記載した本件メモ書きを作成してXの机の上に置き、Cからの質問をXに伝えた。
 Xは、平成26年2月頃、本件土地に係る賃借人からの賃料収入について直接税務署に話したことはなかったことから、本件メモ書きに「話して無い 此のAさんに渡した書類が全てで税務署にも何の資料も残してない。」等と記載して、Aに返戻した。
② その結果、Aの仕分けた資料に基づき、甲税理士は、平成26年3月14日、Xの平成25年分の所得税の確定申告をしたが、その申告書には、平成24年から他に賃貸している駐車場に係る賃料収入の記載はあったが、本件土地に係る丁賃料収入の記載はなかった。
③ 「話して無い 此のAさんに渡した書類が全てで税務署にも何の資料も残してない。」との本件メモ書きの記載は、Xが、A土地や他の不動産(本件建物1及び本件建物2)に係る賃料収入を申告していない状態にあることを認識していたことを推認させるものであり、Xにおいて、A土地やその他の不動産に係る賃料収入が正しく申告されていると認識していたこととは相容れない事情である。
(6)税務調査において本件賃料収入を秘匿していたこと  Xは、平成26年11月18日、税務調査において、「Xさんは、その他にも多数の土地を所有していますが、他に不動産収入はありますか。」と問われ、「短期的に、知り合いに残土置き場として、3か月で10万円とか20万円ということで貸した事はあります。申告はしていませんけど。」と答え、「短期的に貸した物件以外に貸した物件はありませんか。」と問われ、「ありません。」と答えたが、「本当にありませんか。」と重ねて問われ、「(少し間があって)実はあります。」として、本件土地を丁に賃貸して賃料収入を得ていることを申告し、「地代収入があるのに、申告しなかったのはなぜですか。」と問われ、「人間、ずるい面もありますし、税務署に指摘されるまでは申告しなくてもいいかなとおもっていましたし、私から見れば、先ほど説明した貸付金の回収的なものでしたので申告しませんでした。」と答えている。
 申告しなかった理由についての回答が雑談として一般論を述べたものであったのかはさておき、申告している駐車場以外の不動産からの収入の有無を聞かれて「ありません。」という答えは、Xにおいて、本件土地やその他の不動産に係る賃料収入が正しく申告されていると認識していたこととは相容れない事情である。
(7)以上のとおり、①Xは、本件建物2の賃料収入を秘匿し所得を過少に申告する意図をもって賃貸人の名義を母名義とするなどして「過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動」をした上で、平成21年分の所得税の申告において本件建物1の賃料収入を除外した過少申告を行っていたものであり、このことは、本件土地及び本件建物1についても、その賃料収入を秘匿し所得を過少に申告する意図をもって過少申告を行っていたことを推認させる事情である。
 また、Xが、②A土地の賃料変更を甲税理士に伝えていないこと、③本件メモ書きを作成したこと、④税務調査において本件賃料収入を秘匿していたことは、Xにおいて、本件土地やその他の不動産に係る賃料収入が正しく申告されていると認識していたこととは相容れない事情である。
 これらの間接事実を総合すれば、Xは、本件建物2のみならず、A土地及び本件建物1についても、その賃料収入に係る不動産所得を申告すべきことを熟知しながら、確定的な脱税の意思に基づき、当該所得に関する資料を意図的に甲税理士に提示せず、甲税理士に過少な申告を記載した平成19年ないし平成25年分の確定申告書を作成させてこれを提出するという「過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動」をした上で、その意図に基づく過少申告をしたものと認めるのが相当である。

2 Xに「偽りその他不正の行為」が認められるか(争点2)について  前記のとおり、平成19年ないし平成25年分の所得税の申告は、いずれも「隠蔽又は仮装」に基づく申告といえるから、同時に、通則法70条4項にいう「偽りその他不正の行為」によりその全部又は一部の税額を免れたものともいえる。

四、解説

はじめに
 申告納税方式とは、「納付すべき税額が納税者のする申告により確定することを原則と」(通法16①一)するが、その申告段階で、常に、全ての「納付すべき税額」が申告されるとは限らない。すなわち、納税者が正しい申告をしようと思っても、法令の無知から間違った申告をすることもあろうし、うっかりして申告漏れが生じることもあろう。そして、中には、いわゆる「バレモト」と称されるように、バレたら申告すればよいとしたり、バレないように隠蔽・仮装をする場合もあろう。
 他方、納税者の申告義務違反に対しては、行政制裁として(注1)、各種加算税が課されることになる(通法65~68)。その中でも、重加算税については、その賦課要件が事実関係を「隠蔽又は仮装」することにあるため、その解釈適用が極めて困難である。また、当該「隠蔽又は仮装」と実質的には行政制裁となる更正決定等の期間延長の要件である「偽りその他不正の行為」との異同を適切に論じることも困難である。
 本件においては、「バレモト」の典型ともいえる過少申告の事案につき、顧問税理士に虚偽の説明をしたこと等が「隠蔽又は仮装」及び「偽りその他不正の行為」に該当するか否かが争われたものである。このようなことは、税理士の実務等においてよく生じることでもあるので、本件事案における事実認定のあり方、「隠蔽又は仮装」等の解釈認定のあり方等について、注目しておく必要がある。
 以下、従前の関係裁判例等を引用し、本件事案の問題点、本判決の意義、問題点等について論じることとする。

1 「隠蔽又は仮装」の意義 (1)重加算税は、「納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基づき」(通法68①)、法定申告期限内に納税申告書を提出したり(同前)、法定申告期限内に納税申告書を提出しなかったり(通法68②)、又は法定納期限までに租税を納付しなかったり(通法68③)、した場合に、本税額の35%又は40%の税率によって課されるものである。
 また、「隠蔽又は仮装」の行為があった場合に、納税者が不利益に取り扱われる例として、所得税法及び法人税法は、青色申告の承認を取り消すこと等としており(所法145・二、150①三、法法123・二、127①三)、相続税法は、配偶者に対する相続税額の軽減を制限している(相法19の2⑤)。
 これらの各税法(就中、国税通則法)の規定の解釈適用に当たっては、「事実を隠蔽し又は仮装すること」が何を意味するか、すなわち、その意義が最も重要である。そして、その意義については、学説、判例又は国税庁の解釈通達によって明らかにされてきたが、それで全てが解決されているわけではない(注2)。
 これを裁判例についてみると、例えば、和歌山地裁昭和50年6月23日判決(税資82号90頁)は、「不正手段による租税徴収権の侵害行為を意味し、「事実を隠ぺい」するとは、事実を隠匿しあるいは脱漏することを、「事実を仮装」するとは、所得・財産あるいは取引上の名義を装う等事実を歪曲することをいい、いずれも行為の意味を認識しながら故意に行うことを要するものと解すべきである。」と判示しており、名古屋地裁昭和55年10月13日判決(税資115号31頁)は、「「事実を隠ぺいする」とは、課税標準等又は税額等の計算の基礎となる事実について、これを隠ぺいしあるいは故意に脱漏することをいい、また「事実を仮装する」とは、所得財産あるいは取引上の名義等に関し、あたかも、それが事実であるかのように装う等、故意に事実を歪曲することをいうと解するのが相当である。」と判示している。
(2)この比較的初期の裁判例の後、多くの裁判例もこれらに追随しており、学説及び国税庁の取扱い通達の考え方も、上記の裁判例を題材として所説を展開している(注3)。しかしながら、それらの所説は、それぞれの立場から展開されるものであって、それらによって論じられている「意義」をもってしても、具体的事例において、何が「隠蔽又は仮装」に当たるかについて、釈然としない場合が多い。そこで、従来の考え方を要約すると、なお、次のことが問題となる(注4)。
① 納税者がその不正手段を行うに当たって税を免れようとする意思すなわち故意(認識)が明らかにされている(課税庁が立証する)必要があるか否か。
② 無記帳、不申告、虚偽申告、つまみ申告、申告書上の虚偽記載等のように、積極的な隠蔽・仮装行為を伴わない行為について「隠蔽又は仮装」といえるか否か。
③ 「隠蔽又は仮装」を行った者(行為者)が納税者本人に限定されるのか否か。
④ 重加算税の課税原因の成立時期(法定申告期限の経過の時又は法定納期限の経過の時(通法15②一三、一四))との関係上、当該成立時期が経過した後の税務調査時の虚偽答弁等が賦課要件を充足するのか否か。
⑤ 逋脱について刑事罰が科せられることとなる場合又は課税権の除斥期間が延長されることとなる場合の「偽りその他不正の行為」との異同、それらとの関係はどうなるのか。
 以上の論点のうち、本件においては、②の積極的な「隠蔽又は仮装」の行為を伴わない場合及び④の重加算税の納税義務成立後に「隠蔽又は仮装」行為が行われた場合の問題点について、従前の裁判例等を引用して、検討する。

2 積極的な「隠蔽又は仮装」行為を伴わない場合 (1)申告納税の実務においては、所得があるにもかかわらず意識的に申告をしなかったり、収入金額等の一部を帳簿に記載しなかったり、申告書の内容を偽って記載をして過少申告したり、所得計算に関して最初から記録等を残さないで、所得の一部をつまんで申告(つまみ申告)したり、申告に当たって税務代理人である税理士に対して虚偽の申出をしたり、税務調査の段階で調査官に対して虚偽の答弁をしたりすること等はよくあることである。このように、明白に「隠蔽又は仮装」行為とは認められない場合には、通則法68条各項の規定の文言に照らし、重加算税の賦課要件を充足しないと解する見解(注5)も見受けられる。
 しかしながら、前述の消極的な過少申告行為は、単に、税法や事実関係の不知から生じるだけではなく、むしろ、実質的に課税要件事実を「隠蔽又は仮装」しようとしていることが推認される場合が多い。換言すると、帳簿の備付けも記帳もしない、取引の原資記録を保存しないばかりか作成もしない、そして申告もしないという、調査の対象となるような形を何も残さないという行為か、実質的には最も悪質な隠蔽行為であると評価できることもある。
 そこで、筆者は、かねてから、積極的な「隠蔽又は仮装」行為を伴わない過少申告等の事案については、通則法68条の文言にのみ拘泥すべきではなく、同条の立法趣旨、各税法上の記帳義務制度等を考慮して、それらの行為の前後における事実関係を総合して「隠蔽又は仮装」行為であることを推認して判断すべきであるとする、総合関係説を主張してきた(注6)。
(2)上記の総合関係説を採用したと思われ、本訴においても引用されている代表的な最高裁判決として、次の2例を上げることができる(注7)。
 一つは、最高裁平成6年11月22日第三小法廷判決(民集48巻7号1379頁、以下「平成6年判決」という。)である。この判決の事案では、金融業を営む者が、会計帳簿書類を備え付けて事業内容を記録していたにもかかわらず、確定申告において、三年間にわたり最終申告に係る総所得金額の約三%ないし四%にすぎない額(差額で約8億円ないし16億円)のみを申告し、再三の税務調査の際にも、調査官の修正申告の慫慂に従い申告額の二~三倍程度の所得金額を修正申告しそれに見合う(虚偽の)資料を提出していた後、査察調査を受けてその全容が明らかにされたというものである。
 かくして、査察調査と重加算税の賦課決定が行われ、その適否が争われたのであるが、一審の京都地裁平成4年3月23日判決(税資188号894頁)は、当該賦課決定を適法としたのであるが、控訴審の大阪高裁平成5年4月27日判決(訟務月報40巻4号856頁)は、重加算税を課するためには、事実としての隠ぺい・仮装行為と過少の納税申告との間に因果関係の存在が必要であり、つまみ申告についても可罰違法性の基準は明らかでなく、申告所得と真実の所得との較差のみによって「ことさらの過少申告」に該当するとは言えない旨判示し、原判決を取り消した。
 かくして、平成六年判決は、次のとおり判示して、原判決を取り消している。
 「亡勝男は、単に真実の所得金額よりも少ない所得金額を記載した確定申告書であることを認識しながらこれを提出したというにとどまらず、本件確定申告の時点において、白色申告のため当時帳簿の備付け等につきこれを義務付ける税法上の規定がなく、真実の所得の調査解明に困難が伴う状況を利用し、真実の所得金額を隠ぺいしようという確定的な意図の下に、必要に応じ事後的にも隠ぺいのための具体的工作を行うことも予定しつつ、前記会計帳簿書類から明らかに算出し得る所得金額の大部分を脱漏し、所得金額を殊更過少に記載した内容虚偽の確定申告書を提出したことが明らかである。したがって、本件確定申告は、単なる過少申告行為にとどまるものではなく、国税通則法68条1項にいう税額等の計算の基礎となるべき所得の存在を一部隠ぺいし、その隠ぺいしたところに基づき納税申告書を提出した場合に当たるというべきである。」
(3)また、本判決が引用する最高裁平成7年4月28日判決(以下「平成7年判決」という。)の事案では、会社役員が、給与所得等については毎年確定申告を提出したものの、株式等の売買による雑所得(3年間で2億4400万円)を申告しなかったものであるが、株式の売買等について、取引の名義を架空にしたり、その資金の出納のために隠れた預金口座を設定することはしなかった。しかしながら、右会社役員は、株式等の売買による所得について、一定要件を満たせば課税されることを顧問税理士及び証券会社担当者から知らされていたが、当該所得を申告するつもりはなく、所得計算すらもせず、顧問税理士から株式の売買について所得があれば申告を要することを再三念を押されたもののそのような所得はない旨回答していた。
 かくして、Xは、その後、査察調査を受け、重加算税の賦課決定も受けることとなり、当該賦課決定の適否が争われることとなった。
 一審の神戸地裁平成5年3月29日判決(税資194号1112頁)は、右会社役員の行為は、その所得を基礎づける事実を隠しその真相の追究を困難にするもので所得税の申告を納税者に委ねた趣旨を没却する行為であるから、隠ぺい又は仮装行為に当たる旨判示した。また、控訴審の大阪高裁平成6年6月28日判決(税資201号631頁)も、原判決を支持している。
 次いで、平成7年判決も、次のとおり判示して、本件の事実関係によれば、右会社役員は、当初から所得を過少に申告することを意図した上、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をしたものであるから、その意図に基づいてした本件の過少申告行為は、重加算税の賦課要件を満たすものであるとして、原判決を支持している。
 「この重加算税の制度は、納税者が過少申告するについて隠ぺい・仮装という不正手段を用いていた場合に、過少申告加算税よりも重い行政上の制裁を科することによって、悪質な納税義務違反の発生を防止し、もって申告納税制度による適正な徴税の実現を確保しようとするものである。
 したがって、重加算税を課するためには、納税者のした過少申告行為そのものが隠ぺい・仮装に当たるというだけでは足りず、過少申告行為そのものとは別に、隠ぺい・仮装と評価すべき行為が存在し、これに併せた過少申告がされたことを要するものである。しかし、右の重加算税制度の趣旨にかんがみれば、架空名義の利用や資料の隠匿等の積極的な行為が存在したことまで必要であると解するのは相当でなく、納税者が、当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたような場合には、重加算税の右賦課要件が満たされるものと解すべきである。」

3 納税義務成立後の「隠蔽又は仮装」 (1)本件においては、本件の税務調査において、Xが本件賃料収入を秘匿していたか否かが一つの争点(本判決の判示事項)となっている。しかし、通則法は、重加算税の納税義務の成立時期を法定申告期限の経過の時又は法定納期限の経過の時(通法15②一三、一四)と定め、重加算税の賦課要件につき、「その隠ぺいし、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたとき」等(通法68①②③)と定めているので、法定申告期限後等において行われる税務調査段階において、所得秘匿のための隠蔽工作を行ったとしても、重加算税の賦課要件を充足しないようにも考えられる。
 そのため、前掲の大阪高裁平成5年4月27日判決においてもそうであるが、相当数の裁判例(注8)が、法定申告期限後の「隠蔽又は仮装」行為について、原則として、重加算税の賦課要件を充足しないものと解している。しかしながら、重加算税制度が申告納税制度の秩序維持のために設けられた最も重い行政制裁であることに照らすと、法定申告期限後等において行われる修正申告段階での「隠蔽又は仮装」行為、税務調査段階における虚偽答弁や資料隠匿等の行為が当該制裁の対象にならないと解するのも適切であるとも考えられない。そのため、むしろ、多くの裁判例(注9)が、法定申告期限後等における「隠蔽又は仮装」行為をもって重加算税の賦課要件を充足すると解している。
(2)その中でも、東京地裁平成16年1月30日判決(税資254号順号9542)は、法定申告期限後の修正申告段階における「隠蔽又は仮装」行為につき、次のとおり判示して、重加算税の賦課要件を充足するとしている(同旨東京高裁平成16年7月21日判決・同254号順号9703)。
 「したがって、通則法68条1項にいう「納税申告書」には、同法19条3項所定の修正申告書も含まれるというべきであって、納税義務者が、その国税の課税標準等又は税額の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基づいて修正申告書を提出していたときは、その納税者に対して重加算税を課することができると解するのが相当である。
〈中略〉
 しかし、通則法15条2項は、昭和37年の通則法の制定に当たり、納税義務は成立しているが納付すべき税額が確定していない税額の徴収手続として繰上保全差押制度(通則法38条3項)が創設されたことに伴い、国税の納税義務の成立時期を明確にする趣旨から、主として繰上請求の観点からみて必要な範囲において、同法15条第2項各号又は国税通則法施行令5条に、各税目ごとの成立時期が規定されたものであると解すべきである。
〈中略〉
 したがって、通則法15条2項13号において、重加算税の納税義務が法定申告期限の経過の時に成立すると定められているからといって、重加算税については、法定申告期限までにその課税要件を充たす必要があり、その後において隠ぺい又は仮装の行為に基づき修正申告がされた場合には、重加算税を課すことが許されない、と解することは相当でなく、原告の上記主張は理由がない。」
 上記の判示については、通則法15条等の解釈上疑義はあるが(注10)、その後の課税実務の指針となっているので、留意する必要がある。

4 「隠蔽又は仮装」と「偽りその他不正の行為」の異同 (1)「隠蔽又は仮装」の意義等については、前述のとおりであるが、同じ通則法においても、「偽りその他不正の行為」があった場合には、本件で問題となっている更正決定等の期間制限(除斥期間)の延長(通法70④)、延滞税の額の計算の基礎となる期間の特例(短縮)の除外(通法61①)、国税の徴収権の消滅時効の進行停止(通法73③)等がある。また、各個別税法においては、逋脱罰のような刑事制裁としての罰則規定(所法238、239、法法159、相法68等)において、「偽りその他不正の行為」をそれぞれ適用要件としている。
 このような「偽りその他不正の行為」の意義については、主として、逋脱の罰則規定の解釈において明らかにされてきた。例えば、最高裁昭和42年11月8日大法廷判決(刑集21巻9号1197頁)は、「所得税、物品税の逋脱罪の構成要件である詐欺その他不正の行為とは、逋脱の意図をもって、その手段として税の賦課徴収を不能もしくは困難ならしめるようななんらかの偽計その他の工作を行なうことをいうものと解するのを相当する。」と判示し、その後の裁判例に大きな影響を及ぼしている(注11)。
(2)もっとも、同じ「偽りその他不正の行為」という法律用語が使用されていても、逋脱罰のような刑事罰と除斥期間の延長等のような行政措置の場合とでは、同じように解釈できるか否かが問題となる。前者については、その構成要件として逋脱についての「故意(犯意)」の存在(立証)が不可欠であるが、後者については、「故意」の立証は十分条件にはなろうが、外形的に「偽りその他不正の行為」と認定されれば足りるようにも解される。このような差異は、除斥期間の延長等の要件となる「偽りその他不正の行為」と重加算税の賦課要件である「隠蔽又は仮装」との間においても問題となる。
 両者は、それぞれ別々の法律用語を使用しているのであるから(注12)、解釈上の差異があって然るべきであるとも考えられるが、本質的な差異があるとも考えられない。しかし、この問題に関し、通則法の担当者の解説によると、両者の間に差異はあるとし(注13)、実務上も、裁決等によって、重加算税の賦課決定につき、「隠蔽又は仮装」の事実がないとして取り消されても、除斥期間を延長して行われた本税の更正処分等については、「偽りその他不正の行為」があったとして適法として処理されている(注14)。

5 本件における「隠蔽又は仮装」等の存否と本判決の意義 (1)本件は、Xの平成19年分ないし平成25年分所得税(不動産所得)につき、賃貸していた本件各土地建物に係る本件賃料収入の申告漏れがあったとする本件各更正(除斥期間経過分)と当該申告漏れが「隠蔽又は仮装」によって行われたものとする本件各賦課決定の違法性が争われたものである。本件においては、第一次的には、「隠蔽又は仮装」の存否が問題となったのであるが、二重帳簿の作成等の典型的(積極的)な「隠蔽又は仮装」行為があったわけではなく、Xが申告代理を委任した税理士に対して本件賃料収入の存在を告げなかったこと、税務調査の段階で担当調査官に対して本件賃料収入の存在等を正確に説明していないこと等の行為が「隠蔽又は仮装」又は「偽りその他不正の行為」に当たるか否かが問題となった。
(2)かくして、本判決は、前述のように、平成7年判決を引用して「隠蔽又は仮装」の意義を判示した上で、Xが本件賃料収入を上回る多額の支出や損失があったと認識していたとは認められないこと、甲税理士に対して本件賃料収入に係る申告関係資料を提出していないこと(秘匿していたこと)、本件建物2の名義を母親名義にしており、そのことに正当な理由があるとは認められないこと、本件土地に係る賃料変更を甲税理士に伝えていないこと、Aからの本件メモ書きに対して、「話して無い、此のAさんに渡した書類が全てで税務署にも何の資料も残していない」等を記載してAに返戻し、本件賃料収入に係る事実を話そうとしなかったこと、税務調査においても本件賃料収入の存在を秘匿していたこと等を認定した上で、「平成19年ないし平成25年分の所得税の申告は、本件賃料収入に係る不動産所得につき、「過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動」をした上で、その意図に基づく過少申告をしたものであるから、「隠蔽又は仮装」に基づく申告であっ」たと判示した。このような判示は、本件事案に即して、前記2で説明した平成6年判決及び平成7年判決(総合関係説の採用)の考え方を具現したものと評価できる。
(3)また、本件においては、平成27年3月6日付で本件各更正が行われたものであるから、平成19年分及び平成20年分の各更正については、「偽りその他不正の行為」がなければ、期間制限に抵触することになるので、違法となるものである(注15)。そのため、前記4において、「偽りその他不正の行為」の解釈論を述べ、「隠蔽又は仮装」とは必ずしも同義でないことを明らかにした。しかし、本判決は、前述のように、両者を同じものと解して、本件各更正を適法であると認定しているので、問題を残している。
 なお、本判決では、重加算税の納税義務成立後に行われた税務調査段階での担当調査官に対する虚偽説明等を一括して「隠蔽又は仮装」の認定要素に含めているが、そこにも解釈上問題があることについては、前記3で述べたとおりである。
(注1)租税制裁には、逋脱罪等の刑事制裁と行政制裁に区分されるが、行政制裁には、各種加算税のほか延滞税が存する。もっとも、延滞税については、単なる遅延利息であると解する向きもあるが、租税を所定の期間内に納付しないと極めて高率(原則として、年14.6%(通法60②))の延滞税が課せられることになっているので、納付遅退に対する行政制裁と解すべきであろう。
(注2)詳細については、品川芳宣「附帯税の事例研究 第四版」(財務詳報社 平成24年)277頁以下等参照。
(注3)前出(注2)289頁以下参照。
(注4)前出(注2)302頁参照。
(注5)碓井光明「重加算税賦課の構造」税理22巻12号5頁、岡本忠生「1995年4月28日最高裁第二小法廷判決評釈」税法学534号110頁等参照。
(注6)前出(注2)381頁、後出(注7)各書参照。
(注7)この二つの最高裁判決の詳細については、品川芳宣「ことさらの過少申告と重加算税との関係」小川英明他編「租税争訟〔改訂版〕新・裁判実務大系18」(青林書院 2009年)258頁、同「重要租税判決の実務研究 第三版」(大蔵財務協会 平成26年)82頁以下等参照。
(注8)名古屋地裁昭和55年10月13日判決(税資115号31頁)、大阪地裁昭和50年5月20日判決(同81号602頁)、宇都宮地裁平成12年8月30日判決(同248号586頁)等参照。
(注9)東京高裁昭和48年10月18日判決(税資71号527頁)、名古屋地裁昭和44年5月27日判決(行裁例集20巻5・6号659頁)、東京高裁平成13年4月25日判決(税資250号順号8890)等参照。
(注10)解釈上の疑義については、前出(注7)「重要租税判決の実務研究」127頁等参照。
(注11)最高裁昭和48年3月20日第三小法廷判決(刑集27巻7号138頁)等参照。
(注12)重加算税の賦課も除斥期間の延長も、同じ行政上の措置(制裁)として設けられているのであるから、用語を統一した方が解釈上の疑義が生じないものと考えられる。
(注13)志場喜徳郎他編「国税通則法精解」(大蔵財務協会 平成19年)689頁参照。
(注14)名古屋地裁昭和46年3月19日判決(税資62号344頁)等参照。なお、詳細については、前出(注2)405頁以下参照。
(注15)なお、Xは、本訴において、平成19年分ないし同22年分の更正処分が除斥期間を経過してなされた違法なものである旨主張しているが、除斥期間3年が適用されるのは「課税標準申告書の提出を要する国税」に限定されている(通法70①かっこ書)ので、上記主張それ自体が失当である。

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