税務ニュース2003年03月10日 自己株式取得時の付随費用は申告加算、消却等でも認容不可 自己株式の消却・譲渡は税務上の帳簿価額で資本積立金額を減算
自己株式取得時の付随費用は申告加算、消却等でも認容不可
自己株式の消却・譲渡は税務上の帳簿価額で資本積立金額を減算
平成15年3月期決算から適用される「自己株式及び法定準備金の取崩等に関する会計基準」と法人税法は、自己株式取得時の付随費用の取扱いで一致しておらず、申告調整が必要となる。
一方、取得した自己株式を消却・譲渡した場合には、法人税法上の帳簿価額(取得時の付随費用加算後の金額)を基にして、資本積立金額の減算が行われるため、申告加算した金額の認容は行われないことになる。
自己株式の取得時の取扱い
1. 会計基準での取扱い(19項・28項)
取得した自己株式は、取得原価をもって資本の部から控除し、取得に関する付随費用は、営業外費用に計上する。
2. 法人税法での取扱い(法令119条①一)
購入した有価証券の取得価額は、その購入の代価(法24条第1項第5号のみなし配当がある場合には当該金額を減算した金額とし、購入手数料その他その有価証券購入のために要した費用がある場合にはその費用の額を加算した金額)とする。
付随費用部分について申告調整が必要
別表四 自己株式計上もれ 30 加算・留保
別表五(一)利積 自己株式 30 当期増
自己株式の消却時の取扱い
1. 会計基準での取扱い(27項)
自己株式を消却した場合、消却時の帳簿価額は、株式の種類ごとに、会社の定めた計算方法に従って算定する。
2. 法人税法での取扱い(法2条17号ナ)
株式の消却(取得した株式について行うものに限る。)の直前の当該株式の帳簿価額から当該消却により減少した資本の金額等を減算した金額が資本積立金額から減算される。
会計上の処理(仕訳)は取得原価から
未処分利益 1,000 自己株式 1,000
法人税法上の処理は税務上の帳簿価額から
資本積立金額 1,030 自己株式 1,030
となり、次の申告調整が必要となる。
別表五(一)利積 自己株式 当期減 30
別表五(一)利積 当期未処分利益 利益処分 1,000
別表五(一)資積 利益積立金額 当期増 △1,030
結局、申告加算された付随費用の額は、認容されることなく、資本積立金額の減算項目として処理される。取得した自己株式を譲渡した場合においても、譲渡対価の額から税務上の帳簿価額を控除した残額を資本積立金額とすることから、消却の場合と同様に申告加算された付随費用の額は、資本積立金額の減算項目として処理される。
自己株式の消却・譲渡は税務上の帳簿価額で資本積立金額を減算
平成15年3月期決算から適用される「自己株式及び法定準備金の取崩等に関する会計基準」と法人税法は、自己株式取得時の付随費用の取扱いで一致しておらず、申告調整が必要となる。
一方、取得した自己株式を消却・譲渡した場合には、法人税法上の帳簿価額(取得時の付随費用加算後の金額)を基にして、資本積立金額の減算が行われるため、申告加算した金額の認容は行われないことになる。
自己株式の取得時の取扱い
1. 会計基準での取扱い(19項・28項)
取得した自己株式は、取得原価をもって資本の部から控除し、取得に関する付随費用は、営業外費用に計上する。
2. 法人税法での取扱い(法令119条①一)
購入した有価証券の取得価額は、その購入の代価(法24条第1項第5号のみなし配当がある場合には当該金額を減算した金額とし、購入手数料その他その有価証券購入のために要した費用がある場合にはその費用の額を加算した金額)とする。
市場取引による取得の場合(みなし配当なし)
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付随費用部分について申告調整が必要
別表四 自己株式計上もれ 30 加算・留保
別表五(一)利積 自己株式 30 当期増
自己株式の消却時の取扱い
1. 会計基準での取扱い(27項)
自己株式を消却した場合、消却時の帳簿価額は、株式の種類ごとに、会社の定めた計算方法に従って算定する。
2. 法人税法での取扱い(法2条17号ナ)
株式の消却(取得した株式について行うものに限る。)の直前の当該株式の帳簿価額から当該消却により減少した資本の金額等を減算した金額が資本積立金額から減算される。
会計上の処理(仕訳)は取得原価から
未処分利益 1,000 自己株式 1,000
法人税法上の処理は税務上の帳簿価額から
資本積立金額 1,030 自己株式 1,030
となり、次の申告調整が必要となる。
別表五(一)利積 自己株式 当期減 30
別表五(一)利積 当期未処分利益 利益処分 1,000
別表五(一)資積 利益積立金額 当期増 △1,030
結局、申告加算された付随費用の額は、認容されることなく、資本積立金額の減算項目として処理される。取得した自己株式を譲渡した場合においても、譲渡対価の額から税務上の帳簿価額を控除した残額を資本積立金額とすることから、消却の場合と同様に申告加算された付随費用の額は、資本積立金額の減算項目として処理される。
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