税務ニュース2007年10月29日 海外子会社からの受取配当金は益金不算入へ(2007年10月29日号・№232) 国外所得免除制度の採用により制度の簡素化などのメリット
海外子会社からの受取配当金は益金不算入へ
国外所得免除制度の採用により制度の簡素化などのメリット
平成20年度税制改正では、海外子会社からの受取配当金について益金不算入とする措置が講じられることになりそうだ。現行、海外子会社からの受取配当金については益金算入としたうえで、外国税額控除制度の対象となっている。今回、受取配当金を益金不算入とすることで、企業は煩雑な外国税額控除制度を行う必要がなくなる。加えて、子会社がある外国よりも日本の法人税の実効税率が高い場合には、税率の差に係る追加負担も生じないことになる。政府は、日本企業が海外での事業を活発化させるなか、日本の海外子会社が得た収益を国内に還元させる必要があると判断した。海外進出を行っている企業にとっては朗報といえるが、実現には国会の情勢次第といった不透明さも残されている。
配当金に限り国外所得免除制度を採用に 今回の海外子会社からの受取配当金の益金不算入措置は、いわゆる国外所得免除制度といわれるもの。国際的な二重課税を調整する方式としては、日本やアメリカ等で採用している外国税額控除制度があるが、もう1つの方式として、国外所得免除制度がある。
国外所得免除制度とは、居住地国における国外源泉所得については課税しないとするもの。フランスやドイツ等で採用されている。外国税額控除制度のような計算等もなく、制度が簡素というメリットが挙げられる。
海外よりも日本の実効税率が高ければ有利 また、海外子会社が得た収益を親会社に配当として還元した場合、外国税額控除制度の場合には、親会社のある日本の法人税の実効税率で課税されることになる。
しかし、国外所得免除制度の場合には、子会社の実効税率での課税で完結することになる。このため、海外子会社の居住地国の法人税の実効税率が日本よりも低い場合には、その税率の差に係る追加負担も生じないというメリットがある。
実質的に間接外税控除の対象が拡大に さらに間接外国税額控除制度の対象会社については、一定の要件を満たす孫会社までとされており、経済産業省等では、この対象会社を米国と同様に曾孫会社まで拡大すべきとの税制改正要望を行っている。
しかし、対象会社が拡大されなかったとしても、国外所得免除制度が導入された場合には、海外子会社を通じた配当であれば、曾孫会社の収益についても親会社に還元することが実質的に可能となる。また、海外子会社からの配当を益金不算入とすることで、国内制度(配当の益金不算入)との整合性も図れることになる。
国外所得免除制度の採用により制度の簡素化などのメリット
平成20年度税制改正では、海外子会社からの受取配当金について益金不算入とする措置が講じられることになりそうだ。現行、海外子会社からの受取配当金については益金算入としたうえで、外国税額控除制度の対象となっている。今回、受取配当金を益金不算入とすることで、企業は煩雑な外国税額控除制度を行う必要がなくなる。加えて、子会社がある外国よりも日本の法人税の実効税率が高い場合には、税率の差に係る追加負担も生じないことになる。政府は、日本企業が海外での事業を活発化させるなか、日本の海外子会社が得た収益を国内に還元させる必要があると判断した。海外進出を行っている企業にとっては朗報といえるが、実現には国会の情勢次第といった不透明さも残されている。
配当金に限り国外所得免除制度を採用に 今回の海外子会社からの受取配当金の益金不算入措置は、いわゆる国外所得免除制度といわれるもの。国際的な二重課税を調整する方式としては、日本やアメリカ等で採用している外国税額控除制度があるが、もう1つの方式として、国外所得免除制度がある。
国外所得免除制度とは、居住地国における国外源泉所得については課税しないとするもの。フランスやドイツ等で採用されている。外国税額控除制度のような計算等もなく、制度が簡素というメリットが挙げられる。
海外よりも日本の実効税率が高ければ有利 また、海外子会社が得た収益を親会社に配当として還元した場合、外国税額控除制度の場合には、親会社のある日本の法人税の実効税率で課税されることになる。
しかし、国外所得免除制度の場合には、子会社の実効税率での課税で完結することになる。このため、海外子会社の居住地国の法人税の実効税率が日本よりも低い場合には、その税率の差に係る追加負担も生じないというメリットがある。
実質的に間接外税控除の対象が拡大に さらに間接外国税額控除制度の対象会社については、一定の要件を満たす孫会社までとされており、経済産業省等では、この対象会社を米国と同様に曾孫会社まで拡大すべきとの税制改正要望を行っている。
しかし、対象会社が拡大されなかったとしても、国外所得免除制度が導入された場合には、海外子会社を通じた配当であれば、曾孫会社の収益についても親会社に還元することが実質的に可能となる。また、海外子会社からの配当を益金不算入とすることで、国内制度(配当の益金不算入)との整合性も図れることになる。
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