税務ニュース2003年05月18日 決算公告しないと、分割、合併、減資等が不可能に!(2003年5月5号・№018) “ネット公告”なら低コストだが…
決算公告しないと、分割、合併、減資等が不可能に!
“ネット公告”なら低コストだが…
商法上の決算公告については、これまで大企業を除くほとんどの会社が実施してこなかったのが実態だが、このほど行われた商法施行規則の改正により、今後は決算公告を実施しないと、会社分割、合併、減資等が不可能となるので要注意だ。
債権者異議公告は、決算公告の実施が前提
商法上、会社分割、合併、減資等を実施する場合には、債権者保護のため、「債権者異議の公告」を実施しなければならないこととされている。
このほど新設された商法施行規則195条はこの債権者異議の公告の方法を定めたものだが、注目されるのは、同条が、会社が「決算公告」を実施していることを前提とした規定振りとなっている点である。
具体的には、①(決算公告を)官報で公告しているときは、当該官報の日付及び当該公告が掲載されている頁(同条一イ)、②(決算公告を)時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙で公告をしているときは、当該日刊新聞紙の名称、日付及び当該公告が掲載されている頁(同ロ)、③(決算公告を)インターネット上で行っている場合には、そのアドレス(同条二)――と、「債権者異議の公告は、決算公告を行っている場所に行うべし」旨規定している。要するに、商法施行規則195条は、決算公告を実施していることを“前提”に、債権者異議の公告の方法を規定しているのである。
したがって、決算公告を実施していない会社は、債権者異議の公告もできないことになってしまうし、また、会社分割や合併、減資等の登記に際しては、債権者異議の公告を行ったことを証明する書類の提出が求められるから、債権者異議の公告ができなければ、必然的にこれらの登記も法務当局に受け付けてもらえないという事態が生じる。
このままでは世の中のほとんどの中小会社が合併や減資をできないことになってしまう。特に早急な対応が求められるのは、近く合併等を検討している会社だ。3月期決算法人が16年3月期において合併等を実施しようとすれば、15年3月期の決算について、公告を行う必要がある。
近年、ベンチャー企業が大企業に吸収合併される例も多い。いざ合併の段になって、債権者異議の公告を実施していなかったことが発覚しても手遅れ。合併等の企業再編に際しては税制上の適格要件ばかりに気をとられがちなだけに、要注意である。また、外形標準課税の課税を回避するために減資を検討する企業にあっても、同様の対応が求められる(本誌No.12【3月24日号】9ページ参照)。
“ネット公告”なら低コストだが…
商法上の決算公告については、これまで大企業を除くほとんどの会社が実施してこなかったのが実態だが、このほど行われた商法施行規則の改正により、今後は決算公告を実施しないと、会社分割、合併、減資等が不可能となるので要注意だ。
債権者異議公告は、決算公告の実施が前提
商法上、会社分割、合併、減資等を実施する場合には、債権者保護のため、「債権者異議の公告」を実施しなければならないこととされている。
このほど新設された商法施行規則195条はこの債権者異議の公告の方法を定めたものだが、注目されるのは、同条が、会社が「決算公告」を実施していることを前提とした規定振りとなっている点である。
具体的には、①(決算公告を)官報で公告しているときは、当該官報の日付及び当該公告が掲載されている頁(同条一イ)、②(決算公告を)時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙で公告をしているときは、当該日刊新聞紙の名称、日付及び当該公告が掲載されている頁(同ロ)、③(決算公告を)インターネット上で行っている場合には、そのアドレス(同条二)――と、「債権者異議の公告は、決算公告を行っている場所に行うべし」旨規定している。要するに、商法施行規則195条は、決算公告を実施していることを“前提”に、債権者異議の公告の方法を規定しているのである。
したがって、決算公告を実施していない会社は、債権者異議の公告もできないことになってしまうし、また、会社分割や合併、減資等の登記に際しては、債権者異議の公告を行ったことを証明する書類の提出が求められるから、債権者異議の公告ができなければ、必然的にこれらの登記も法務当局に受け付けてもらえないという事態が生じる。
このままでは世の中のほとんどの中小会社が合併や減資をできないことになってしまう。特に早急な対応が求められるのは、近く合併等を検討している会社だ。3月期決算法人が16年3月期において合併等を実施しようとすれば、15年3月期の決算について、公告を行う必要がある。
近年、ベンチャー企業が大企業に吸収合併される例も多い。いざ合併の段になって、債権者異議の公告を実施していなかったことが発覚しても手遅れ。合併等の企業再編に際しては税制上の適格要件ばかりに気をとられがちなだけに、要注意である。また、外形標準課税の課税を回避するために減資を検討する企業にあっても、同様の対応が求められる(本誌No.12【3月24日号】9ページ参照)。
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