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税務ニュース2003年05月19日 税理士補佐人が相続税の連帯納付義務の「違憲」を訴える!(2003年5月19日号・№019) 税理士の社会的使命に新たな可能性

税理士補佐人が相続税の連帯納付義務の「違憲」を訴える! 
税理士の社会的使命に新たな可能性


平成15年5月8日、大阪高等裁判所で「相続税の連帯納付義務」が「違憲」であるとして訴えた控訴審の第1回口頭弁論が行われた。
 この事件は、大阪府内の男性(原告)が、共同相続人が滞納した相続税に関し、相続税法34条1項の規定により相続税を連帯納付する義務があるとして督促処分を受けたことの取消しを求めたものである。平成15年1月、大阪地裁で棄却されたが、控訴審では、50人を超える税理士が原告側の補佐人として訴訟に参加する準備を進めており、5月8日の第1回口頭弁論時では、十数名の税理士が正式に補佐人として訴訟に参加した。

相続税の連帯納付義務の違憲性が争点
 第1審判決(大阪地裁 平成15年1月24日判決、平成13年(行ウ)第80号・国税督促処分取消請求事件)によると、原告は平成2年に共同相続し、原告固有の相続税額は完納している。共同相続人の一人(A)は、この相続に関する相続税の一部について、延納許可を受けていたが、平成12年分の分納税額等を分納期限までに納付せず、税務署長(被告)は共同相続人(A)に対する延納許可を取り消すとともに、原告に対し、相続税法34条1項(相続税の連帯納付義務)に基づいて督促処分をした。
 原告は相続税の連帯納付を定めた規定が「個人の尊厳と人格尊重」の理念を定めた憲法13条・「個人の財産権」を保障した憲法29条に違反する無効な規定であると主張するほか、事前の告知等の手続きを怠っており、憲法31条(法定の手続きの保障)に反し、相続時から10年以上経過した後の督促処分は、徴収権の濫用であると主張している。
 第1審は、原告の主張をいずれも斥け、請求を棄却する判決を行った。

十数名の税理士補佐人の登場
 平成13年の税理士法改正において税理士補佐人制度が導入されたが、第1審では、坂龍雄税理士が補佐人として訴訟に参加していた。遺産分割の争いに直面することの多い税理士からすれば、遺産分割で利益相反する共同相続人が、共同相続人全員が相続税を完納するまで(不動産等の割合により最長20年の延納が認められている。)連帯納付の義務を負うとする制度に疑問を感じずにはいられまい。税務の現場に根ざした実情を訴訟に反映させることを目的として、控訴審では、多くの税理士に補佐人としての訴訟参加を募ったものとみられている。
 控訴審では、すでに第1審で審理が行われていることから、控訴人側が改めて主張する場が許されるかが懸念されていた。しかし、次回の弁論期日が指定されたことで、税理士補佐人の活躍する場が確保されたといった状況だ。
 この控訴審は、税理士が税の現場の声を司法・立法の場に橋渡しする新たな社会的使命を予感させるものとなりそうだ。

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