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会計ニュース2003年06月09日 ストック・オプション会計論点整理に対するコメントを検討(2003年6月9日号・№022) ASB・費用認識の要否は最終的に判断

ストック・オプション会計論点整理に対するコメントを検討
ASB・費用認識の要否は最終的に判断


 企業会計基準委員会(ASB)のストック・オプション等専門委員会が5月28日に開催され、昨年12月に公表された「ストック・オプション会計に係る論点の整理」のコメントについて検討した。費用認識の要否については、意見が半分に分かれているような状況だが、委員会では、ストック・オプションの測定の問題を先に検討してから、改めて費用認識の問題について着手するとしている。なお、今後、米国におけるストック・オプション価値測定の実態調査を行う旨も明らかにされている。

コメントのほとんどが時価説を支持
 ストック・オプション会計の論点整理では、①費用認識の要否、②費用認識の相手勘定、③測定の基準日、④失効の取扱い、⑤測定の基礎-の5つの論点が挙がっており、それぞれについてコメントを募集していた。
 このうち、最も注目すべき点は、①のストック・オプションの費用認識の要否である。寄せられたコメントでは、企業側から会社財産(現金)の流出がないから、費用認識は不要であるとの意見がある一方、企業が価値あるストック・オプションを付与し、その対価として企業が労働役務を受領して費消している以上、企業の経済取引に相当し、費用認識によりその経済実態を財務諸表上適切に開示する必要があるとの意見が寄せられ、大きく二つに見解が分かれている状況だ。

付与日説を支持
 その他、主だった論点をみてみると、費用認識の相手勘定については、ストック・オプションの付与時点で確定的に資本として処理すべき案と当初は資本としての性格が確定していないとする考え方(暫定説)があるが、この点についても、コメントはほぼ半々という状況のようだ。
 また、測定の基準日については、コメントのほとんどが付与日説を支持している。測定の基礎には、こちらもコメントのほとんどが時価説を支持。費用認識は、経済的価値の付与を論拠にしているなどの理由からである。

価値測定の実態調査を実施
 委員の間からは、結論を出すには早すぎるといった意見から、エンロン事件を引き合いに出し、今のうちから費用認識すべきであるなどの意見があったが、今後のストック・オプション等専門委員会の審議の進め方については、測定の問題を先に検討してから、改めて費用認識の要否について検討する旨が確認されている。
 また、会計基準の検討を行う上で、ストック・オプションの価値測定に関する議論は不可欠であるが、日本のストック・オプション制度の導入は最近のことであるため、基礎資料として、米国におけるストック・オプション価値測定の実態調査を行うことも明らかにしている。

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