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会社法ニュース2011年09月26日 貸金の償却・引当不足で犯罪の証明なし(2011年9月26日号・№420) 東京高裁、旧日債銀粉飾決算事件の差戻し控訴審で無罪

貸金の償却・引当不足で犯罪の証明なし 東京高裁、旧日債銀粉飾決算事件の差戻し控訴審で無罪

東京高裁第8民事部は8月30日、旧日債銀の粉飾決算を巡る証取法違反事件で差戻し控訴審の判決。
平成21年の最高裁判決を受け、今回の判決では、当時の日債銀で採られた会計処理を許容した。
貸出金の償却・引当不足に係る検察側の主張は「犯罪の証明がない」とし、元会長ら3名は無罪。
 東京高等裁判所第8刑事部(飯田喜信裁判長)は8月30日、平成10年12月に経営破綻した旧日本債券信用銀行の粉飾決算事件を巡り証券取引法違反(虚偽有価証券報告書の提出)の罪に問われた同行元代表取締役会長・頭取・副頭取に対する差戻し控訴審で、第一審として平成16年5月28日に東京地方裁判所が言い渡した原判決を破棄し、元会長ら3名を無罪とする判決を言い渡した(9月2日付、平成22年(う)第30号。検察側は13日、上告しないと表明)。
 最高裁判所が平成21年12月7日、第一審判決を是認し執行猶予付きの有罪判決を言い渡した控訴審判決を破棄、審理を東京高裁に差し戻したものであるが(本誌334号16頁参照)、同様の構図となる旧日本長期信用銀行事件では、経営陣3名の証取法違反・商法違反の無罪を最高裁が平成20年に破棄自判している(268号40頁参照)。
 今般の差戻し控訴審判決は、まず元会長ら3名による会計処理の基準に関する主張について検討。平成10年3月期の決算においては、いわゆる資産査定通達等に整合する基準を設けて貸出金の償却または引当てを行うことが「唯一の『公正なる会計慣行』にはなっていなかった」として元会長らの主張を容れ、最高裁判決の「税法基準の考え方に基づく会計処理も許容されていた」とする判断も引いたうえ、原判決を事実誤認、法令適用の誤りがあるとして破棄した。
 自判するにあたっては、平成10年3月期決算の状況について仔細な検討を加え、日債銀の自己査定基準について「改正前の決算経理基準との整合性は一応保たれて」おり、「その査定結果は、いわゆる税法基準の考え方に整合する会計処理によるものとして相当性を有する」と述べたうえ、問題となる債務者、そのグループごとに日債銀の処理、支援意思、支援の合理性を判断。
 飯田裁判長は、たとえばAグループ5社への貸出金につき「直ちに整理し清算すべきことを前提にして、貸出金の回収不能額を確定させ、その金額について償却又は引当が義務付けられていたということはできない」などと述べながら、貸出金の償却・引当てに係る検察側主張のいずれの不足額についても「犯罪の証明がない」として無罪を言い渡した。

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