税務ニュース2013年08月05日 調査で認容の役員給与、損金算入認めず(2013年8月5日号・№510) 審判所、代表取締役の職務の対価としての意味をもたない

調査で認容の役員給与、損金算入認めず
審判所、代表取締役の職務の対価としての意味をもたない

審判所、税務調査で認容の役員給与は仮装されたものと指摘。役員給与計上額全額を損金不算入に。
 本事案では、請求人の役員給与計上額の損金算入可否が争点の1つとされた。課税当局側は、税務調査段階で、請求人が代表取締役に対する役員給与として計上した金額の一部について、代表取締役に勤務実態はないものの代表取締役として名を連ねていることから役員給与と認めていた。
 しかし、審判所は、給与とは職務の対価として支払われるものをいい、職務の対価としての意味をもたないものや役員が役員としての職務以外の事由により法人から支給を受けたものは役員給与と解することはできないと指摘。請求人の代表取締役は、消防署主催の防火管理講習を一度受講し、請求人の取引関係者の葬儀に参列しているが、その程度のことが代表取締役としての職務とは到底認められず、同人に対する役員給与計上額が職務の対価としての意味をもつものということはできないと判断。役員給与計上額全額について、代表取締役に対する役員給与とは認められないとした。
 一方で、審判所は、役員給与計上額の全額が役員給与計上当時に請求人の経営に従事し、法人税法上の役員に該当するXに対して支給されたものであり、その給与は法人税法に規定する役員給与(報酬)に該当すると指摘。内容虚偽の取締役会・株主総会議事録を作成させて、あたかも代表取締役に対する役員給与として支給したかのように仮装したもので、実質はXに対して支給された役員給与であることから、(旧)法法34条、旧法法35条の規定により請求人の所得金額の計算上、損金の額に算入することはできないとしている。

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