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税務ニュース2017年06月12日 不適法な納付も予納額還付は認められず(2017年6月12日号・№694) 地裁、納付すべき税額への充当は信義則に反する権利濫用に当たらず

不適法な納付も予納額還付は認められず
地裁、納付すべき税額への充当は信義則に反する権利濫用に当たらず

相続税の調査等を踏まえ行った予納が過誤納金であるとして、納税者がその予納額の還付等を請求していた訴訟で還付請求を棄却する判決(東京地裁平成28年10月28日)。
地裁、不適法な納付であるものの、所轄税務署等が更正処分等により生じた納付税額に充当したことが信義則に反する権利の濫用として無効なものとはいえないと判断。
 国税通則法では、納税者が「最近(概ね6月以内)において納付すべき税額の確定することが確実であると認められる国税」を納付する旨を税務署長に申し出て納付した場合には、納税者はその還付を請求することができない旨が規定されている(通則法59①二)。本件で争点の1つとなったのは、納税者が行った本件予納が通則法59条1項二号に該当するか否かという点である。本件予納は、相続財産の申告漏れに対する税務調査及び査察調査を受けた納税者が査察官の助言を踏まえ、国税の予納申出書を提出したうえで納付されたもの(なお、予納額はその後、税務当局による増額更正等により納付すべきこととなった国税に全額が充当されている)。裁判のなかで納税者は、本件予納は通則法59条1項二号に該当しないと主張したうえで、過誤納金としての還付及び還付加算金の支払いを税務当局(被告)に対して請求した。これに対し税務当局は、査察官が予納の積極的利用の勧奨を行った後に相続人が予納の申出をしたなどの本件における客観的状況からすれば、納税者が通則法59条1項二号の国税として納付する旨を申し出て納付したものであることは明らかであると主張した。
 裁判所は、本件予納当時、納税者は税務当局から更正等をされる可能性を慮って延滞税を回避するために予納する意思であったことは認められるものの、査察の進行を待たずに自ら税額を決めて修正申告することを予定していたとまでは認められないと指摘。通則法59条1項二号の要件を満たす旨の主張立証(最近において納付すべき税額の確定することが本件予納時に確実であったこと)が税務当局(被告)からなされていない以上、本件予納は通則法59条1項二号の要件に該当しない不適法な納付であったと判断した。一方で裁判所は、納税者は本件予納金に関する還付請求権を有していたことになるものの、所轄税務署長がその還付請求権を納税者に最も有利に、増額更正等により納税者が納付すべきこととなった国税に充当している点などを指摘。その充当が信義則に反する権利の濫用として無効なものであるとはいえないと判断したうえで、納税者の請求を棄却した。

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