会計ニュース2017年11月13日 有償SO、IFRSとの違いは対応困難(2017年11月13日号・№715) IFRSの解釈に及ぶ可能性踏まえ、実務対応報告案変更せず
有償SO、IFRSとの違いは対応困難
IFRSの解釈に及ぶ可能性踏まえ、実務対応報告案変更せず
企業会計基準委員会(ASBJ)は現在、実務対応報告公開草案第52号「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い(案)」等に寄せられたコメントについて検討を行っているが、コメントの中にはIFRSとの差異を生じさせる処理が実務対応報告案で定められている点について懸念を表明するものが複数見受けられている。
IFRS第2号「株式に基づく報酬」では、有償新株予約権を報酬として認識し費用計上するケースがあるが、権利確定条件として勤務条件がある場合に限定している。一方、今回の実務対応報告案では、勤務条件がある場合だけでなく、勤務条件がなく業績条件が付されている有償新株予約権についてもすべて報酬として取扱い費用計上することとされている。このため、IFRSとの差異が生じているというものだ。
この点、企業会計基準委員会の事務局は、実務対応報告案はストック・オプション会計基準及びストック・オプション会計適用指針に照らして権利確定条件付き有償新株予約権の会計処理を整理したものであるとした上で、ストック・オプション会計基準等とIFRS第2号「株式に基づく報酬」では、ストック・オプションを費用計上する点などで類似している面もあるが、構造上異なっている面もあり、両者の部分的な差異を論じることは必ずしも適切ではないと指摘。また、IFRSとの基準差が生じた場合には、実務上の負担が生じることは理解できるものの、IFRSとの基準差についてはIFRSの解釈に及ぶ可能性があるため、同委員会だけでは対応は困難であるとし、実務対応報告案からの変更は行わない方向となっている。
そのほか、会社法や税務に関する取扱いを考慮すべきというコメントも寄せられている。例えば、税務上では有償新株予約権は公正価値での取得となるため、権利行使時の給与等課税事由が生じないとされており、実務対応報告案の取扱いと異なっているとしている。この点、同委員会の事務局では、法律面や税務面での取扱いについては、会計基準において言及することは適切ではないという従来の方針を示すにとどまっている。
IFRSの解釈に及ぶ可能性踏まえ、実務対応報告案変更せず
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IFRS第2号「株式に基づく報酬」では、有償新株予約権を報酬として認識し費用計上するケースがあるが、権利確定条件として勤務条件がある場合に限定している。一方、今回の実務対応報告案では、勤務条件がある場合だけでなく、勤務条件がなく業績条件が付されている有償新株予約権についてもすべて報酬として取扱い費用計上することとされている。このため、IFRSとの差異が生じているというものだ。
この点、企業会計基準委員会の事務局は、実務対応報告案はストック・オプション会計基準及びストック・オプション会計適用指針に照らして権利確定条件付き有償新株予約権の会計処理を整理したものであるとした上で、ストック・オプション会計基準等とIFRS第2号「株式に基づく報酬」では、ストック・オプションを費用計上する点などで類似している面もあるが、構造上異なっている面もあり、両者の部分的な差異を論じることは必ずしも適切ではないと指摘。また、IFRSとの基準差が生じた場合には、実務上の負担が生じることは理解できるものの、IFRSとの基準差についてはIFRSの解釈に及ぶ可能性があるため、同委員会だけでは対応は困難であるとし、実務対応報告案からの変更は行わない方向となっている。
そのほか、会社法や税務に関する取扱いを考慮すべきというコメントも寄せられている。例えば、税務上では有償新株予約権は公正価値での取得となるため、権利行使時の給与等課税事由が生じないとされており、実務対応報告案の取扱いと異なっているとしている。この点、同委員会の事務局では、法律面や税務面での取扱いについては、会計基準において言及することは適切ではないという従来の方針を示すにとどまっている。
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