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税務ニュース2019年01月21日 税理士に対する資料不提示で秘匿認定(2019年1月21日号・№771) 確定的な脱税の意思に基づきあえて不提示の場合は重加対象と判断

税理士に対する資料不提示で秘匿認定
確定的な脱税の意思に基づきあえて不提示の場合は重加対象と判断

税理士に対して賃料収入に関する資料を提示しなかった納税者への重加算税を適法と判断(東京地裁平成30年6月29日判決・確定)。
地裁、納税者が賃貸人名義を自己名義とせずにあえて母名義とした点なども踏まえ、賃料収入を秘匿し所得を過少に申告する意図に基づくものと推認されると指摘。
 土地建物に係る賃料収入を得ていた納税者は、その賃料収入に関する資料を所得税の確定申告手続きを受任した税理士に提示していなかった。そのため、税理士が作成及び申告した納税者の所得税の申告額は過少申告となっていた。納税者は、税務調査による税務署の指摘を受けて賃料収入を不動産所得に含める内容の修正申告書を提出した。これに対し税務署は、重加算税の賦課決定処分を行った。これを不服とした納税者は、訴訟のなかで、賃料収入の存在は認識していたが、申告すべき不動産所得があると明確には認識していなかったなどと指摘し、重加算税の賦課要件である「隠蔽又は仮装」の事実はないと主張した。
 東京地裁はまず、税理士に対する所得の秘匿が「過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動」に当たるか否かについて、納税者が特定の所得を申告すべきことを熟知しながら確定的な脱税の意思に基づき、所得のあることを税理士に対して秘匿し、所得に係る資料も提供することなく税理士に過少な申告を記載した確定申告書を作成させてこれを提出したと認められる限り、税理士に対する所得の秘匿は「過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動」を構成すると解されるとした。
 そのうえで地裁は、納税者が賃料収入に関する資料を税理士に提示しなかったこと自体から、納税者が過失により税理士に提示し忘れたもの(申告漏れ)であるのか、納税者が確定的な脱税の意思に基づき賃料収入を秘匿するためにあえて税理士に提示しなかったもの(過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動となる)であるかを区別することができないため、納税者に確定的な脱税の意思があったのかを検討。本件について地裁は、納税者が土地建物に係る賃貸人を自己名義とせずにあえて母親名義とした点について、賃料収入の事実を税理士に伝えなかったことと相俟って、賃料収入を秘匿し所得を過少に申告する意図に基づくものと推認されると指摘。この点を踏まえ地裁は、このことは「過少申告の意図を外部からもうかがい得る特段の行動」といえると判断したうえで、重加算税の賦課決定処分は適法であると結論付けた。

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