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税務ニュース2019年07月15日 和解金に係る源泉税負担を巡り会社勝訴(2019年7月15日号・№795) 未払役員報酬請求訴訟の和解金に係る源泉税の支払いを元役員に命じる

和解金に係る源泉税負担を巡り会社勝訴
未払役員報酬請求訴訟の和解金に係る源泉税の支払いを元役員に命じる

未払役員報酬請求訴訟の解決金に係る源泉税の求償権の行使を否定した一審判決を取り消して、元役員に源泉税相当額の支払いを命じる(平成31年4月25日判決)。
高裁、裁判上の和解のなかで会社が元役員に源泉税相当額の支払いを請求しない旨の合意が成立したとは認められないことなどから、元役員に求償できると判断。
 本件は、未払役員報酬請求訴訟(以下「別件訴訟」)をめぐり、会社が元役員に対して別件訴訟における裁判上の和解により支払った解決金約1億5千万円の課税関係が発端となったものである。解決金を損害賠償金として損金に算入した会社に対して税務署は、解決金の支払いを役員給与(賞与)と認定したうえで、源泉税約6千万円の納税告知処分を行った。会社は、源泉税を納付したうえで、所得税法222条の規定による求償権に基づき源泉税相当額の支払いを元役員に対して求める訴訟を提起した。だが、これに対し第一審の東京地裁は、別件訴訟における和解条項に包括的清算条項が設けられていることを踏まえ、本件における源泉税に係る求償権は別件訴訟における和解により清算されていると判断して、会社の請求を斥ける判決を下していた(本誌778号40頁参照)。
 一審敗訴を不服として控訴を提起した会社(控訴人)は、会社が納付した源泉税約6千万円の支払いを元役員(被控訴人)に対して改めて求めた。これに対し東京高裁は、一審判決を取り消したうえで、元役員に対して会社が納付した源泉税約6千万円の支払いを命じる逆転判決を下した。
 判決理由のなかで高裁は、別件訴訟における和解協議のなかで代理人弁護士を含む当事者双方(会社及び元役員)が解決金の支払いに伴って給与所得として源泉義務が発生することを想定しておらず、和解交渉では源泉税の負担について協議をしなかったことが認められるとした。
 この点を踏まえ高裁は、会社及び元役員との間で、解決金に係る源泉税を会社が負担し、会社が元役員に対して源泉税相当額の支払いを請求しない旨の合意が成立したものと認めることができないから、所得税法222条の規定のとおり、会社は元役員に対して源泉税相当額の求償をすることができると判断した。
 なお、高裁は、解決金に係る源泉税は和解により発生したものであるから、別件訴訟における和解条項に設けられた包括的清算条項をもって、源泉税相当額を元役員が負担しないとの合意があったと認めることはできないと判断している。

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