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税務ニュース2019年08月05日 贈与の効力係争中でも無申告なら加算税(2019年8月5日号・№798) 無申告加算税が賦課されない「正当な理由」があるとは認められず

贈与の効力係争中でも無申告なら加算税
無申告加算税が賦課されない「正当な理由」があるとは認められず

非上場株式の贈与をめぐり、贈与の効力が訴訟で争われているために贈与税の期限内申告書を提出しなかったことについて「正当な理由」が認められるか否かが問題となった税務訴訟で納税者が敗訴(東京地裁平成31年2月1日判決)。
本件における贈与の効力が訴訟で争われていた等の事情に「正当な理由」があるとは認められず。
 納税者は、平成26年に父から非上場株式の贈与を受けたとして、平成28年に平成26年分の贈与税の期限後申告書を税務署に提出した。これに対し税務署は、納税者に対して無申告加算税の賦課決定処分を行った。これを不服とした納税者は、期限内に申告しなかったのは贈与の効力が訴訟で争われていた等の事情によるものであるから、無申告加算税が賦課されない「正当な理由」(通則法66①ただし書き)が認められると主張して、無申告加算税の賦課決定処分の取り消しを求めた。
 東京地裁はまず、贈与の効力が訴訟で争われている場合に贈与税申告書の不提出者に対して無申告加算税を賦課しても、贈与が無効であるか又は有効である可能性が小さいことを客観的に裏付ける事実を認識して期限内に申告書を提出しなかったというような真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情が存在することを納税者が主張立証しない限り、無申告加算税を賦課することが不当又は酷になる(「正当な理由」が認められる)ということはできないものというべきであるとした。
 そして本件について地裁は、納税者は贈与後に開催された臨時株主総会で贈与に係る株式の議決権を行使していること、贈与の効力が争われている別件訴訟で贈与が有効に成立していると主張していたことを指摘。これらの事情を踏まえ地裁は、納税者が申告期限までの時点で贈与が有効であると認識していたことは明らかであると認めたうえで、贈与が無効であるか又は有効である可能性が小さいことを客観的に裏付ける事実を納税者が認識していたとは認められないことから、無申告加算税が賦課されない「正当な理由」は認められない(無申告加算税の賦課決定処分は適法である)と結論付けた。なお、本件で納税者は、別件訴訟が終結するまで申告しなくてよいという顧問税理士の助言を踏まえ申告しなかったことが「正当な理由」に該当する旨の主張も展開していたものの、地裁は「正当な理由」には該当しないと判断している。
 敗訴した納税者は控訴を提起したが、東京高裁も一審である地裁判決を支持する判決を下している(令和元年7月3日判決)。

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