カートの中身空

閲覧履歴

最近閲覧した商品

表示情報はありません

最近閲覧した記事

税務ニュース2020年12月04日 利子受領者確認書の提出遅れ許容されず(2020年12月7日号・№861) 東京地裁 特定民間国外債利子非課税規定の適用巡り三井住友信託敗訴

  • 三井住友信託銀行が、「利子受領者確認書」の提出遅れにより特定民間国外債の利子源泉非課税の適用が受けられなかった事案で敗訴(東京地裁令和2年12月1日判決)。

 民間国外債(法人により国外において発行された債券で、その利子の支払が国外において行われるもの)の利子には原則として15%の所得税が課されるが、非居住者が支払を受ける場合は、一般民間国外債については、利子の支払者を経由して「非課税適用申告書」を所轄税務署長に提出することにより非課税となり、特定民間国外債については、「利子受領者確認書」を提出することにより「非課税適用申告書」を提出したものとみなされる。そして、この「利子受領者確認書」の提出期限は、措置法施行令により、「利子の支払をした日の属する月の翌月末まで」と定められている。
 原告が吸収合併した中央三井信託銀行が発行した本件社債は「特定民間国外債」に該当するが、原告の事務手続上のミスにより「利子受領者確認書」の提出が期限後となったため、処分行政庁は、非課税適用要件を満たしていないとして、約18億円の追徴課税処分を行なった。
 争点となったのは、「利子受領者確認書を期日までに提出することが、措置法6条7項の非課税規定の適用を受ける要件となるか否か」という点だ。
 東京地裁は、「措置法6条7項の適用を受けるには措置法施行令3条の2の2第27項で定める提出期限までに利子受領者確認書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならないと解するのが文理に沿った解釈であるといえる。」との解釈を示した上で、「提出期限を徒過した後に利子受領者確認書を提出した場合であっても措置法6条7項の適用を受けると解すると、特定民間国外債の利子に係る源泉所得税等についていつまでも法律関係が確定しないこととなるため、その適用要件として提出期限を設ける必要があり、同項自体がそのことを当然に予定しているといえる。」との考えを示した。そして、「措置法施行令3条の2の2第27項所定の提出期限は措置法6条13項の具体的個別的委任に基づく技術的細目的事項」とした上で、「措置法施行令3条の2の2第27項は、非課税規定である措置法6条7項の適用要件であると解するのが相当である。」と結論づけた。
 原告は「寛大な配慮」を求め嘆願書を国税当局に提出するも認められず訴訟を提起するに至ったが、本事案は、他の多くの事例と同様に、法令等に定められた要件を満たさず受けた課税処分を訴訟で覆すことの困難さを示すものとなった。

当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。

週刊T&Amaster 年間購読

お申し込み

新日本法規WEB会員

試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。

週刊T&Amaster無料試読申し込みはこちら

  • footer_購読者専用ダウンロードサービス
  • footer_法苑WEB
  • footer_裁判官検索