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解説記事2020年12月14日 第2特集 Q&Aで読む改正会社法に伴う法務省令のポイント〜事業報告編〜(2020年12月14日号・№862)

第2特集
社外取締役の期待される職務の概要を事業報告に記載へ
Q&Aで読む改正会社法に伴う法務省令のポイント〜事業報告編〜


 令和元年12月11日に公布された改正会社法等を踏まえた会社法施行規則等の一部を改正する省令(令和2年法務省令第52号)が11月27日に公布された(原則として令和3年3月1日施行)。今回の法務省令では、法制審議会が平成31年2月14日に取りまとめた「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱」に盛り込まれていなかった事項もあり留意したい。例えば、上場子会社における少数株主保護の議論等を踏まえた開示や、義務付けが行われる社外取締役については、社外取締役が果たすことが期待される役割に関して行った職務の概要を事業報告に記載するなどの見直しが行われる。今回の特集では、「事業報告編」と題して、法務省令案に寄せられた意見に対する法務省の考え方などを元にQ&A形式で解説する。

補償契約関係

補償額の限度額など
Q

 会社役員が会社と補償契約を締結している場合、補償契約によって会社役員の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じている場合にはその内容を事業報告に開示することとされているが、具体的にはどのような内容が該当するのか。
A
 会社役員(取締役、監査役又は執行役)が株式会社との間で補償契約を締結しているときは、①当該会社役員の氏名、②当該補償契約の内容の概要を事業報告で開示することとされている(会社法施行規則121条3号の2ロ)。②に関しては、当該補償契約によって会社役員の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じている場合にはその内容についても開示することになる。この「職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置」には、例えば、補償契約において株式会社が補償する額について限度額を設けることや、株式会社が会社役員に対して責任を追及する場合には補償することができないこととすることなどが想定されている。

会社役員の氏名の記載は必要なし
Q

 会社法施行規則121条3号の3に掲げる事項として、補償契約に基づき補償をした会社役員の氏名や法令違反等に該当する事実の概要等は開示する必要があるのか。
A
 費用の補償を受けた会社役員の氏名を事業報告に記載する必要はない。当該事業年度において、会社役員が会社法430条の2第1項1号の職務の執行に関し「法令の規定に違反したこと」又は「責任を負うこと」のいずれを知ったのかを明らかにして記載すればよいこととされている。

合計額をまとめて記載すればOK
Q

 当該事業年度中に複数の会社役員に対して損失補償した場合、事業報告においてまとめて開示してもよいのか。
A
 同一の事由に関して複数の会社役員に対して補償契約に基づき会社法430条の2第1項2号に掲げる損失を補償したときは、当該会社役員らに対して補償した旨及び補償した金額の合計額をまとめて記載すればよいとされる。また、損失補償を受けた会社役員の氏名や損失の具体的な内容等を事業報告に記載する必要はないが、①当該損害を当該役員等が賠償することにより生ずる損失又は②当該損害の賠償に関する紛争について当事者間に和解が成立したときは、当該役員等が和解に基づく金銭を支払うことにより生ずる損失(会社法430条の2第1項2号イ又はロに掲げる損失)のいずれを補償したかを明らかにして記載することとされる。

取締役の報酬等関係

業績指標の「数値」から「実績」に変更
Q

 業績連動報酬に関する開示では、どの点が法務省令案から見直されたか。
A
 法務省令案では、会社役員の報酬等の全部又は一部が業績連動報酬等である場合には、①当該業績連動報酬等の額又は数の算定の基礎として選定した業績指標の内容及び当該業績指標を選定した理由、②当該業績連動報酬等の額又は数の算定方法、③②の業績指標の数値を開示することとされていた。しかし、法務省令案に対しては、③の業績指標の数値については、事業報告を作成する時点では業績連動報酬の算定に用いる業績指標の数値が確定していない場合があることや、業績連動報酬等の業績指標として選定していても、企業戦略上の理由から当該指標の公表が好ましくないものや公表していない損益計算書上の財務指標、非財務指標等数値を記載することが適さないものもあることなどの意見が寄せられたことから、「業績指標の数値」ではなく、「業績指標に関する実績」に変更されている(会社法施行規則121条5号の2ハ)。

計算式を記載することに限らず
Q

 業績連動報酬の開示では、「業績連動報酬等の額又は数の算定方法」の記載が求められているが、業績指標から具体的な金額に至る計算式の開示を求めるものではないという理解でよいか。
A
 業績連動報酬等の額又は数の算定方法を事業報告の記載事項としている趣旨は、業績連動報酬等と業績指標との関連性等、業績連動報酬等の算定に関する考え方を株主が理解することができるようにすることにあることから、これらの事項を株主が理解することができる程度の記載が求められ、株主が開示された業績指標に関する実績等から業績連動報酬等の具体的な額又は数を導くことができるような記載が必ずしも求められるものではない。また、業績連動報酬等の額又は数の算定方法の記載は、計算式を記載することに限られるものではない。

株式の種類や数などを記載
Q

 会社役員の報酬等の全部又は一部が非金銭報酬等である場合には、当該非金銭報酬等の内容を開示することとされているが(会社法施行規則121条5号の3)、どの程度の記載が求められるのか。
A
 非金銭報酬等の内容についての事業報告の記載としては、非金銭報酬等によって会社役員に対して適切なインセンティブが付与されているかを株主が判断するために必要な程度の記載が求められる。例えば、非金銭報酬等に株式が含まれる場合には、当該株式の種類、数や当該株式を割り当てた際に付された条件の概要等を記載することが考えられる。

作成時又は事業年度末のいずれも可
Q

 取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針を定めているときは、①当該方針の決定の方法、②当該方針の内容の概要、③当該事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容が当該方針に沿うものであると取締役会が判断した理由を開示することとされているが(会社法施行規則121条6号)、開示の基準時はいつになるか。
A
 方針について事業報告に記載する場合、どの時点において存在する方針について記載すべきかについては、事業報告の作成時又は当該事業年度末日のいずれの考え方もあり得る。しかし、いずれの考え方による場合であっても、当該事業年度に係る取締役又は執行役の個人別の報酬等の内容が当該方針に沿うものであると取締役会が判断した理由(会社法施行規則121条6号ハ)を記載することを求めていることも踏まえ、事業年度中又は事業年度末日後に当該方針について変更があった場合には、変更前の当該方針についても当該理由の説明のために必要な記載をすることが考えられる。

取締役会決議のほか、報酬委員会の答申など
Q

 「当該方針の決定の方法」(会社法施行規則121条6号イ)についてはどのような開示をすればよいか。
A
 「当該方針の決定の方法」としては、取締役会の決議により決定したことなどに加えて、例えば、方針を決定するに当たって、任意に設置した報酬委員会の答申を得たことなど、当該方針を決定する過程に関する重要な事実があれば、それを記載することになる。

任意の報酬委員会も該当
Q

 取締役の個人別の報酬等の内容についての決定の全部又は一部を社外取締役から構成される任意の報酬委員会に委任する場合にも開示が必要となるのか(会社法施行規則121条6号の3イ)。
A
 取締役会から委任を受けた取締役その他の第三者が当該事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容の全部又は一部を決定したときは、その旨及び①当該委任を受けた者の氏名並びに当該内容を決定した日における当該株式会社における地位及び担当、②①の者に委任された権限の内容、③①の者に②の権限を委任した理由、④①の者により②の権限が適切に行使されるようにするための措置を講じた場合にあっては、その内容を開示することとされており、社外取締役から構成される任意の報酬委員会は①の当該委任を受けた者に該当する。

委任の内容が適切か株主が検討する際の情報に
Q

 会社法施行規則121条6号の3ハの「権限を委任した理由」を記載することは、会社法の解釈に基づく実務を変更したものか。
A
 取締役の個人別の報酬等の内容についての決定の全部又は一部を取締役等に委任することについて、従前の解釈や実務を変更することを意図したものではないが、委任をした理由は、当該委任が必要であったかどうかや委任の内容が適切であったかどうか等を株主が検討するに際して有益な情報であると考えられることから、事業報告の記載事項としたものである。

退職した会社役員も対象
Q

 信託を用いた株式報酬制度(株式交付信託)を導入している場合には、会社役員の在任期間中は専らポイントが加算されるだけで、株式や金銭は支給されず、退任から一定期間経過した後に、累積ポイント相当の株式の交付を受けることができることとされている場合がある。このような場合には、交付した株式の数、対象者の人数等の開示はどのように行うのか。
A
 法務省令案では、会社役員は事業年度末の在任者に限られていたが、寄せられた意見を踏まえ、会社役員であった者に職務執行の対価として当該株式会社の株式を交付した場合においても、当該株式の数等を記載しなければならないことに見直されている(会社法施行規則122条1項2号)。

会社役員の氏名や株式数の記載は不要
Q

 株式会社の株式の購入資金に充てるために会社役員に対し報酬等として金銭を支給している場合において、当該金銭を用いて当該会社役員が市場又は持株会を通じて当該株式会社の株式を取得したときは、当該株式について会社法施行規則122条1項2号の規定による記載は要しないという理解でよいか。また、株式会社の株式の交付を受けた各会社役員についてその氏名や交付株式数を事業報告に記載することを求めるものではなく、役員区分ごとの人数と交付株式数の総数を記載すればよいか。
A
 会社法施行規則122条1項2号は、当該株式会社が会社役員に対して職務執行の対価として交付した株式又は職務執行の対価として交付した金銭の払込みと引換えに交付した株式について記載することを求めるものであり、その他の方法により会社役員が取得した株式について記載することは要しない。また、同規定は会社役員の区分ごとに交付した株式の数及び人数を記載することを求めるものであり、各会社役員についてその氏名や交付を受けた株式の数の記載をすることは要しないとされている。

社外役員の報酬も分けて記載
Q

 事業報告における取締役の報酬等の額の記載については、業績連動報酬等の総額、非金銭報酬等の総額及びそれら以外の報酬等の総額について、社外取締役とその他の取締役に分けて記載する必要はないのか。
A
 法務省令案に対する意見を踏まえて、事業報告における社外役員の報酬等に関する記載についても、業績連動報酬等、非金銭報酬等及びその他の報酬等に分けてその総額又は額を記載しなければならないこととした(会社法施行規則121条4号イ・ロ)。

役員等のために締結される保険契約関係

保険者の氏名は不開示に変更
Q

 役員等賠償責任保険契約については保険者の氏名を開示しなければならないのか。
A
 法務省令案では、①当該保険者の氏名又は名称、②当該役員等賠償責任保険契約の被保険者の範囲、③当該役員等賠償責任保険契約の内容の概要について記載を求めていた。
 保険者が誰であるかは、開示の対象となる役員等賠償責任保険契約を特定するための基本的な情報であり、役員等賠償責任保険契約に関する開示の趣旨等を踏まえて一定の意義を有する情報であると考えられたことから、当初の法務省令案においては、保険者の氏名又は名称の開示を求めるものとしていた。
 しかし、個別の取引の守秘性等との比較衡量において、開示による不利益が開示の意義を上回るなどという理由から、保険者の氏名又は名称の開示を求めることに強く反対する意見が多く寄せられたことを踏まえ、公布された法務省令では①の保険者の氏名又は名称の開示は求めないこととされた。

「被保険者」には役員でない者も対象
Q

 役員等賠償責任保険契約における記載事項(会社法施行規則121条の2)である「当該役員等賠償責任保険契約の被保険者の範囲」等の被保険者には、役員等ではない被保険者は含まれないとの理解でよいか。
A
 「被保険者」には、被保険者に当該役員等賠償責任保険契約の保険契約者である株式会社の役員等でない者も含まれる。

一部保険料を負担しても子会社の事業報告での開示は不要
Q

 役員等賠償責任保険契約の被保険者の範囲に当該保険契約の保険契約者である株式会社の役員等のみならず、当該株式会社の子会社の役員等が含まれており、かつ、当該子会社が公開会社である場合には、当該子会社の事業報告において、当該保険契約に関して記載する必要はないという理解でよいか。なお、この場合に子会社が実質的に保険料を一部負担するときも、子会社の事業報告において保険契約に関して記載する必要はないか。
A
 子会社は保険契約の保険契約者ではないことから、子会社の事業報告において、役員等賠償責任保険契約に関する事項として保険契約に関する事項を記載する必要はない。このことは、当該子会社が保険契約の保険料の一部を実質的に負担していたとしても、当該子会社が当該保険契約の保険契約者でないのであれば同様である。もっとも、当該保険契約の保険契約者である株式会社が事業年度末日において公開会社である場合には、当該株式会社の事業報告においては役員等賠償責任保険契約に関する事項として当該保険契約に関する事項を記載することが必要となり、被保険者の中に当該子会社の役員等が含まれることなどについても記載が必要となる。

被保険者の氏名は不要
Q

 「被保険者の範囲」について、被保険者の氏名の記載は要しないという理解でよいか。
A
 役員等賠償責任保険契約の被保険者の範囲を特定することができるのであれば、被保険者の氏名を記載することを求めるものではない。

事業年度の初日から末日まで有効だった保険を記載
Q

 事業報告における役員等賠償責任保険契約に関する記載は、事業年度中に役員等賠償責任保険契約に内容の変更があったとしても、事業年度末日において有効な役員等賠償責任保険契約の内容について記載すればよいか。
A
 事業報告の記載は、事業報告の対象とする事業年度の初日から末日までに発生又は変動した事象を内容とするものと解釈されている。役員等賠償責任保険契約の記載についても、事業報告の対象とする事業年度の初日から末日までに有効であった全ての役員等賠償責任保険契約に関する記載が要求される。

保険契約の内容の概要は例示列挙
Q

 「役員等賠償責任保険契約の内容の概要」について、役員等賠償責任保険契約の保険料を全額会社負担とし、特段の措置も講じていない場合には、「塡補の対象となる保険事故の概要」のみを記載すればよいか。また、特約がある場合も個々の内容について網羅的に記載する必要はないという理解でよいか。
A
 会社法施行規則121条の2第2号括弧書きに規定する内容(被保険者が実質的に保険料を負担している場合にあってはその負担割合、塡補の対象とされる保険事故の概要、役員等賠償責任保険契約によって被保険者である役員等の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じている場合にあってはその内容)は例示列挙となっている。役員等賠償責任保険契約を締結することについて株式会社と役員等との間の利益が相反するおそれがあること、株式会社が抱えているリスクを投資者が評価する際に保険契約の内容等がその指標として機能するものであること等から、これらの契約の内容の概要が株主にとって重要な情報であると考えられるため、事業報告において「役員等賠償責任保険契約の内容の概要」の記載を求めるものである。
 役員等賠償責任保険契約の内容は、各株式会社における個別具体的な事情に応じて決定されるところ、会社法施行規則121条の2第2号括弧書きに列挙した事項以外にその内容の概要として何を記載することが求められるかは、これらの事情に応じて各株式会社において判断されるべき事項であるが、前述の趣旨を踏まえて、役員等賠償責任保険契約の内容の重要な点(特約がある場合には主契約と特約を合わせた契約全体の重要な点)を理解するに当たり必要な事項を記載することが求められる。

適正性措置とは免責額の定めなど
Q

 「役員等賠償責任保険契約によって被保険者である役員等の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じている場合にあってはその内容」とは、どのような内容を想定しているのか。特段の措置を講じていない場合には、何も記載しないということでよいか。
A
 被保険者である役員等の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置の一例としては、役員等賠償責任保険契約に免責額についての定めを設け、一定額に至らない損害については塡補の対象としないこととすることなどが考えられる。また、特段の措置を講じていない場合には記載を要しない。

保険給付の金額は特に求めず
Q

 役員等賠償責任保険契約に基づいて保険給付がされた場合は、当該保険給付の金額等を「株式会社の会社役員に関する重要な事項」(会社法施行規則121条11号)として事業報告の内容に含めることになるか。
A
 役員等賠償責任保険契約に基づいて保険給付がされた場合であっても、当該保険給付の金額等を事業報告に記載することを求めることはしていないが、各株式会社の判断において、当該事項が会社法施行規則121条11号に規定する「株式会社の会社役員に関する重要な事項」に該当するとして、事業内容の内容に含めることを否定するものではない。

社外取締役関係

社外役員の期待される役割と関連性を示して記載
Q

 会社法施行規則124条4号ホにおいて要求される「当該社外役員が果たすことが期待される役割に関して行った職務の概要」は、実務上、同号イからニまでに掲げる事項の記載と重複する部分も出てくるものと考えられるが、この場合でも記載を求めるのか。
A
 社外取締役は、少数株主を含む全ての株主に共通する株主の共同の利益を代弁する立場にある者として、業務執行者から独立した客観的な立場で会社経営の監督を行い、また、経営者あるいは支配株主と少数株主との利益相反の監督を行う等の役割を果たすことが期待されている。改正会社法は、日本の資本市場が信頼される環境を整備し、上場会社等については社外取締役による監督が保証されているというメッセージを内外に発信するため、上場会社等に社外取締役の設置を義務付けることとしている。
 このような改正会社法の趣旨を踏まえ、仮に、当該社外役員が果たすことが期待される役割に関して行った職務が会社法施行規則124条4号イからニまでに掲げる事項と重複する場合であっても、事業報告において、社外役員が果たすことが期待される役割との関連性を示した上で、当該社外役員が行った職務の概要をより具体的に記載することになる。当該社外取締役が期待される役割をどの程度果たしたかについて事後的に検証することを可能とし、社外取締役による監督の実効性を担保しようとする趣旨からである。

その他

関知していない親会社の方針の記載は要せず
Q

 重要な親会社及び子会社の状況では、親会社と当該株式会社との間に当該株式会社の重要な財務及び事業の方針に関する契約等が存在する場合には、その内容の概要を開示することとされているが(会社法施行規則120条1項7号)、当該株式会社と親会社との間に合意がない場合であっても、親会社が策定する役員の選解任に係るグループ全体の方針に基づいて役員の選解任が行われているときは、当該グループ全体の方針について事業報告に記載することが求められるのか。
A
 会社法施行規則120条1項7号は、当該株式会社と親会社との間に重要な財務及び事業の方針に関する契約等が存する場合にその概要を事業報告に記載することを求めるものであり、当該株式会社が関知していない親会社における方針等の記載を求めるものではない。

親会社と子会社との間で合意されたもの
Q

 「重要な財務及び事業の方針の決定を支配する契約等」(会社法施行規則120条1項7号)の「契約等」とは何か。
A
 上場子会社における少数株主保護の議論等を通じて、親会社との関係について株主に情報を開示する必要性は広く認識されていると考えられる。会社法施行規則120条1項7号の「契約等」は、当該親会社と子会社との間で合意されたものを意味し、契約という形態でされたものに限られない。
 また、同号は、当該株式会社の重要な財務及び事業の方針の決定を支配する内容のものに限らず、当該方針に影響を及ぼす重要な契約等についての記載を求めるものであることから、「重要な財務及び事業の方針に関する契約等」としているものである。例えば、当該株式会社において、親会社が当該株式会社の重要な財務及び事業の方針に及ぼす影響を踏まえ、少数株主保護のための措置を講ずることを親会社との間で合意等をしている場合には、その内容の概要等を記載することが考えられる。

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