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資料2019年09月30日 重要資料 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税に関するQ&A(1)(2019年9月30日号・№805)

重要資料

直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税に関するQ&A(1)


 令和元年8月
 国税庁

1 制度全体に関するQ&A 

[Q1-1] 「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税(以下「教育資金の非課税」といいます。)」とはどのような特例ですか。

[A]平成25年4月1日から令和3年3月31日までの間に、30歳未満の方(以下「受贈者」といいます。)が、教育資金(具体的には[Q1-3]を参照してください。)に充てるため、取扱金融機関との教育資金管理契約(租税特別措置法第70条の2の2第2項第2号に規定するものをいいます。以下同じです。)に基づき、受贈者の直系尊属(父母や祖父母など。以下「贈与者」といいます。)から①信託受益権を取得した場合、②書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合又は③書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等で有価証券を購入した場合には、その信託受益権、金銭又は金銭等(以下「信託受益権又は金銭等」といいます。)の価額のうち1,500万円までの金額に相当する部分の価額については、取扱金融機関の営業所等を経由して「教育資金非課税申告書」を提出することにより、受贈者の贈与税が非課税となります。 
(注)1 「教育資金非課税申告書」の提出など「教育資金の非課税」の特例を受けるための手続については[Q2-1]を参照してください。 
  2 平成31年4月1日以後に受贈者が取得した信託受益権又は金銭等について、その取得した日の属する年の前年分の所得税に係る合計所得金額が1,000万円を超える場合には、「教育資金の非課税」の特例の適用を受けることはできません(所得に関する要件については[Q2-4]を参照してください。)。
  3 受贈者が30歳未満であれば、新たに追加で取得した信託受益権又は金銭等につき「教育資金の非課税」の特例の適用を受けることができます(具体的には[Q2-5]を参照してください。)。
  なお、教育資金管理契約に係る契約期間中に贈与者が死亡した場合には、原則として、その死亡日における非課税拠出額から教育資金支出額(学校等以外の者に支払われる金銭については、500万円を限度とします。)を控除した残額のうち、その死亡前3年以内にその贈与者から取得した信託受益権又は金銭等の価額でこの「教育資金の非課税」の特例の適用を受けたものに対応する金額(以下「管理残額」といいます。「管理残額」の計算については[Q4-3]を参照してください。)は、贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなされます。 
(注)1 「非課税拠出額」とは、「教育資金非課税申告書」又は「追加教育資金非課税申告書」に「教育資金の非課税」の特例の適用を受けるものとして記載された金額を合計した金額をいいます(1,500万円を限度とします。)。 
  2 「教育資金支出額」とは、取扱金融機関の営業所等において教育資金の支払の事実が確認され、かつ、記録された金額の合計額をいいます。 
  3 贈与者の死亡の日において受贈者が23歳未満である場合や平成31年4月1日以後に取得をした信託受益権又は金銭等がない場合など、一定の場合には相続又は遺贈により取得したものとみなされません(具体的には[Q4-1]を参照してください。)。 
  また、教育資金管理契約が終了した場合(契約の終了については[Q5-1]を、契約終了時の手続については[Q5-2]を参照してください。)において、その教育資金管理契約に係る非課税拠出額から教育資金支出額を控除(管理残額がある場合には、管理残額も控除します。)した残額があるときは、原則として、その残額はその契約終了時に贈与があったこととされます。
【関係法令等】
 措法第70条の2の2第1項~第3項、第10項~第13項

[Q1-2] 「教育資金の非課税」の特例の対象となる贈与を受けてから主に教育資金管理契約を締結するまでの流れを金融機関等ごとに教えてください。

[A] 「教育資金の非課税」の特例の対象となる贈与(信託の場合はみなし贈与。以下同じです。)を受けてから教育資金管理契約を締結するまでの流れを金融機関等ごとに例を示せば次のとおりとなります。

(注)上記②又は③の場合には、受贈者は贈与により金銭又は金銭等を取得した後2月以内(通常は贈与契約日後2月以内となります。)に、教育資金管理契約に基づき、金銭を預金等として預入をし、又は金銭等で有価証券を購入しなければなりません。 
  上記③の場合で、贈与者の証券口座から受贈者の証券口座へ有価証券を振替えたときは、有価証券の購入があったものとみなされます。
  なお、「金銭等」とは、金銭又は公社債投資信託の受益証券のうち一定のもの(いわゆるMRF又はMMF)をいいます。
【関係法令等】 
 措法第70条の2の2第1項
 措令第40条の4の3第2項、第4項、第5項 
 措規第23条の5の3第1項 

[Q1-3] 教育資金とは、具体的にはどのようなものですか。

[A]教育資金とは、次に掲げる金銭をいうこととされています。
 イ 学校等に直接支払われる入学金、授業料その他の金銭で一定のもの
 ロ 学校等以外の者に、教育に関する役務の提供の対価として直接支払われる金銭その他の教育を受けるために直接支払われる金銭で一定のもの 
(注)1 学校等とは、次に掲げる施設を設置する者をいいます。以下同じです。 
  ① 学校教育法第1条に規定する学校、同法第124条に規定する専修学校、同法第134条第1項に規定する各種学校 
  ② 児童福祉法第39条第1項に規定する保育所その他これに類するものとして租税特別措置法施行規則第23条の5の3第2項に規定するもの 
  ③ 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第2条第6項に規定する認定こども園(学校教育法第1条に規定する幼稚園及び児童福祉法第39条第1項に規定する保育所を除きます。) 
  ④ 学校教育法第1条に規定する学校若しくは同法第124条に規定する専修学校に相当する外国の教育施設又はこれらに準ずる外国の教育施設として租税特別措置法施行規則第23条の5の3第3項に規定するもの 
  ⑤ 国立研究開発法人水産研究・教育機構の施設(水産大学校)、独立行政法人海技教育機構の施設(海技大学校、海上技術短期大学校、海上技術学校)、独立行政法人航空大学校及び国立研究開発法人国立国際医療研究センターの施設(国立看護大学校) 
  ⑥ 職業能力開発総合大学校、職業能力開発大学校、職業能力開発短期大学校、職業能力開発校、職業能力開発促進センター及び障害者職業能力開発校(職業能力開発総合大学校及び障害者職業能力開発校以外は、国若しくは地方公共団体又は職業訓練法人が設置するものに限ります。) 
  2 イの一定のものとは、次に掲げる金銭をいいます。
  ① 入学金、授業料、入園料及び保育料並びに施設設備費 
  ② 入学又は入園のための試験に係る検定料 
  ③ 在学証明、成績証明その他学生等の記録の証明に係る手数料及びこれに類する手数料 
  ④ 学用品の購入費、修学旅行費又は学校給食費その他学校等における教育に伴って必要な費用に充てるための金銭      
  3 ロの一定のものとは、次に掲げる金銭であって、教育を受けるために支払われるものとして社会通念上相当と認められるものをいいます。ただし、令和元年7月1日以後に支払われる次の①から④までの金銭で、受贈者が23歳に達した日の翌日以後に支払われるものについては、教育訓練を受講するための費用に限ります。 
  ① 教育に関する役務の提供の対価 
  ② 施設の使用料
  ③ スポーツ又は文化芸術に関する活動その他教養の向上のための活動に係る指導への対価として支払われる金銭 
  ④ ①の役務の提供又は③の指導において使用する物品の購入に要する金銭であって、その役務の提供又は指導を行う者に直接支払われるもの
  ⑤ (注)2の④の金銭であって、学生等の全部又は大部分が支払うべきものと学校等が認めたもの 
  ⑥ 通学定期券代 
  ⑦ 外国の教育施設に就学するための渡航費(1回の就学につき1回の往復に要するものに限ります。)又は学校等(外国の教育施設を除きます。)への就学に伴う転居に要する交通費であって公共交通機関に支払われるもの(1回の就学につき1回の往復に要するものに限ります。)
  ※ 「教育訓練」とは、雇用保険法第60条の2第1項に規定する教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練をいいます。これには、専門実践教育訓練及び一般教育訓練として医療・社会福祉関係、技術・製造関係、情報通信関係、事務関係など、各種の職業資格の取得講座などが指定されています。 
   教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練講座は、厚生労働省のホームページをご確認ください。  
  4 教育資金及び学校等の範囲について不明な点がある場合には、文部科学省ホームページに掲載されている教育資金及び学校等の範囲に関するQ&Aなどをご覧ください。 
【関係法令等】
 措法第70条の2の2第2項第1号 
 措令第40条の4の3第6項~第8項 
 措規第23条の5の3第2項、第3項 
 平成25年3月30日文部科学省告示第68号 
 平成25年3月30日文部科学省・厚生労働省告示第1号

2 教育資金管理契約に係る口座の開設時等に関するQ&A

[Q2-1] 「教育資金の非課税」の特例の適用を受けるためにはどのような手続を行えばよいのですか。

[A] 「教育資金の非課税」の特例の適用を受けるためには、その適用を受けようとする受贈者が、教育資金非課税申告書をその教育資金非課税申告書に記載した取扱金融機関の営業所等を経由して、信託がされる日、預金若しくは貯金の預入をする日又は有価証券を購入する日(以下この問において「預入等期限」といいます。)までに、その受贈者の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
  また、教育資金非課税申告書が取扱金融機関の営業所等に受理された場合には、その受理された日にその受贈者の納税地の所轄税務署長に提出されたものとみなされます。 
  なお、預入等期限までに教育資金非課税申告書の提出がない場合には、「教育資金の非課税」の特例の適用を受けることはできません。 
(注)1 教育資金非課税申告書は、取扱金融機関の営業所等を経由して提出しなければなりません。したがいまして、預入等期限までに税務署で行っていただく手続はありません。 
   2 教育資金非課税申告書の様式は、35ページのとおりです(編注:略)。
【関係法令等】 
 措法第70条の2の2第3項、第5項

[Q2-2] 「教育資金の非課税」の特例の適用を受けるためには、誰から贈与を受ける必要がありますか。

[A] 「教育資金の非課税」の特例の適用を受けるためには、直系尊属から贈与を受ける必要があります。
 直系尊属とは、例えば、受贈者の父母、祖父母及び曽祖父母をいいます。したがいまして、養子縁組による親族関係がある場合(例:受贈者の配偶者の父母の養子となっている場合)を除き、受贈者の配偶者の直系尊属は含まれません。 
【関係法令等】 
 措法第70条の2の2第1項 
 民法第727条

[Q2-3] 「教育資金の非課税」の特例の対象となる非課税の限度額は、いくらですか。また、その限度額の判定は、どのように行うのですか。

[A] 「教育資金の非課税」の特例の対象となる非課税の限度額は、受贈者ごとに1,500万円となります。したがいまして、祖父及び祖母のそれぞれから1,500万円を贈与により取得した場合(合計で3,000万円を取得した場合)であっても、「教育資金の非課税」の特例の対象は1,500万円が限度となりますので、差額の1,500万円につきましては、その贈与により取得した年分の贈与税の課税価格に算入されます。
【関係法令等】 
 措法第70条の2の2第1項

[Q2-4] 「教育資金の非課税」の特例の適用を受けたいのですが、所得に関する要件とはどのようなものですか。

[A]平成31年4月1日以後に信託受益権又は金銭等を取得した場合において、受贈者のその取得をした日の属する年の前年分の所得税に係る「合計所得金額」が1,000万円を超えるときは、その信託受益権又は金銭等について、「教育資金の非課税」の特例の適用を受けることができません(追加で信託受益権又は金銭等を取得した場合(具体的には[Q2-5]を参照してください。)についても、同様です。)。
  なお、平成31年3月31日以前に取得した信託受益権又は金銭等については、このような所得要件はありません。
(注)1 この要件は、信託受益権又は金銭等を取得した日の属する年の前年分の所得税に係る合計所得金額で判定することとされていますので、その前年分の合計所得金額が1,000万円を超えた場合であっても、その後、合計所得金額が1,000万円以下となった年がある場合には、その年の翌年に取得した信託受益権又は金銭等については、「教育資金の非課税」の特例の適用を受けることができます。 
   2 「合計所得金額」とは、次の①と②の合計額に、退職所得金額及び山林所得金額を加算した金額をいいます。 
 ※ 申告分離課税の所得がある場合には、それらの所得金額(長(短)期譲渡所得については、居住用財産を売却した場合の3,000万円の特別控除の特例などの特別控除前の金額)の合計額を加算した金額です。 
 ① 事業所得、不動産所得、給与所得、総合課税の利子所得・配当所得・短期譲渡所得及び雑所得の合計額(損益の通算後の金額) 
 ② 総合課税の長期譲渡所得と一時所得の合計額(損益の通算後の金額)の2分の1の金額 
   ただし、純損失や雑損失の繰越控除、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除、特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除、上場株式等の譲渡損失の繰越控除、特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除又は先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除の適用がある場合には、その適用前の金額をいいます。 
 ※ 「合計所得金額」については、確定申告書の控えや給与所得の源泉徴収票などから確認できます。詳しくは、税務署へお問い合わせください。 
【関係法令等】 
 措法第70条の2の2第1項、第4項 
 平31改正法附則第79条第3項

[Q2-5] 平成31年4月1日に祖父から書面による贈与により取得した1,000万円の金銭について、教育資金非課税申告書を提出し「教育資金の非課税」の特例の適用を受けましたが、非課税の限度額を使い切っていなかったため、追加で祖父から書面による贈与により取得した700万円の金銭を、「教育資金の非課税」の特例の適用に係る口座に入金しようと考えています。この700万円について「教育資金の非課税」の特例の適用を受けることはできますか。また、適用を受けるためにはどのような手続を行えばよいのですか。

[A]非課税の限度額(1,500万円)から既に「教育資金の非課税」の特例の適用を受けるために提出した教育資金非課税申告書に記載した1,000万円を控除した残額(500万円)を限度に、「教育資金の非課税」の特例の適用を受けることができます。その場合、受贈者は、追加教育資金非課税申告書をその教育資金非課税申告書に係る取扱金融機関の営業所等を経由し、新たに信託がされる日、預金若しくは貯金の預入をする日又は有価証券を購入する日(以下この問において「預入等期限」といいます。)までに、その受贈者の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。 
  また、追加教育資金非課税申告書が取扱金融機関の営業所等に受理された場合には、その受理された日にその受贈者の納税地の所轄税務署長に提出されたものとみなされます。 
  なお、預入等期限までに追加教育資金非課税申告書の提出がない場合や贈与により信託受益権又は金銭等を取得した日の属する年の前年分の受贈者の所得税に係る合計所得金額が1,000万円を超える場合には、「教育資金の非課税」の特例の適用を受けることはできません。 
  さらに、500万円を超える部分である200万円については、贈与により取得した年の翌年の2月1日から3月15日までの間に贈与税の申告を行っていただく必要があります。 
(注)1 追加教育資金非課税申告書は、取扱金融機関の営業所等を経由して提出しなければなりません。したがいまして、預入等期限までに税務署で行っていただく手続はありません。 
   2 追加教育資金非課税申告書の様式は、37ページのとおりです(編注:略)。 
【関係法令等】 
 措法第70条の2の2第1項、第4項、第5項

[Q2-6] [Q2-5]のケースで、追加の贈与が祖母からの場合はどのようになりますか。

[A] [Q2-5]のケースと同様です。 
  なお、別の教育資金管理契約に係る口座を新たに開設し、「教育資金の非課税」の特例の適用を受けようとする場合には、当初開設した口座に係る教育資金管理契約を終了する必要があります。 
【関係法令等】
 措法第70条の2の2第1項、第3項~第6項

[Q2-7] [Q2-5]のケースで、1,000万円の口座に係る教育資金管理契約について、その1,000万円を使い切って、一旦その契約が終了した後に700万円の贈与が行われた場合はどのようになりますか。

[A]非課税の限度額(1,500万円)から既に「教育資金の非課税」の特例の適用を受けるために提出した教育資金非課税申告書に記載した1,000万円を控除した残額(500万円)を限度に、「教育資金の非課税」の特例の適用を受けることができます。その場合、受贈者は、教育資金非課税申告書をその教育資金非課税申告書に記載した取扱金融機関の営業所等を経由して、信託がされる日、預金若しくは貯金の預入をする日又は有価証券を購入する日(以下この問において「預入等期限」といいます。)までに、その受贈者の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。 
  また、教育資金非課税申告書が取扱金融機関の営業所等に受理された場合には、その受理された日にその受贈者の納税地の所轄税務署長に提出されたものとみなされます。 
  なお、預入等期限までに教育資金非課税申告書の提出がない場合や贈与により信託受益権又は金銭等を取得した日の属する年の前年分の受贈者の所得税に係る合計所得金額が1,000万円を超える場合には、「教育資金の非課税」の特例の適用を受けることはできません。 
  さらに、500万円を超える部分である200万円については、贈与により取得した年の翌年の2月1日から3月15日までの間に贈与税の申告を行っていただく必要があります。 
(注)1 提出していただく申告書は「追加教育資金非課税申告書」ではなく「教育資金非課税申告書」となりますのでご注意ください。 
   2 教育資金非課税申告書は、取扱金融機関の営業所等を経由して提出しなければなりません。したがいまして、預入等期限までに税務署で行っていただく手続はありません。 
【関係法令等】 
 措法第70条の2の2第1項、第3項~第6項

[Q2-8] 教育資金管理契約を終了することなく2つの教育資金管理契約を締結(1つ目:A銀行で平成31年4月に締結、2つ目:B銀行で令和元年7月に締結)し、それぞれについて教育資金非課税申告書を提出(教育資金管理契約の締結日にそれぞれ提出)して、「教育資金の非課税」の特例の適用を受けることはできますか。

[A]教育資金非課税申告書は、受贈者が既に教育資金非課税申告書を提出している場合(注)には提出することはできません。 
  お尋ねの場合、平成31年4月に教育資金非課税申告書を提出して、「教育資金の非課税」の特例の適用を受けることはできますが、教育資金非課税申告書を提出した後に再び教育資金非課税申告書を重ねて提出することはできません。したがいまして、令和元年7月に教育資金非課税申告書を提出して、「教育資金の非課税」の特例の適用を受けることはできません(贈与を受けた金額が贈与税の課税価格に算入されることとなります。)。 
(注)1 教育資金非課税申告書に係る口座を2以上持つことはできません。 
   2 教育資金管理契約に係る信託財産の価額がゼロとなった場合、教育資金管理契約に係る預金若しくは貯金の額がゼロとなった場合又は教育資金管理契約に基づき保管されている有価証券の価額がゼロとなった場合において受贈者と取扱金融機関との間でこれらの教育資金管理契約を終了させる合意があったことにより、既に提出した教育資金非課税申告書に係る教育資金管理契約が終了している場合を除きます。
【関係法令等】
 措法第70条の2の2第6項、第12項第5号 
  
3 教育資金管理契約に係る口座からの払出し及び教育資金の支払時に関するQ&A

[Q3-1] 教育資金を実際に支払った時には、どのような手続を行えばよいのですか。

[A] 「教育資金の非課税」の特例の適用を受ける受贈者は、教育資金の支払に充てた金銭に係る領収書その他の書類でその支払の事実を証するもの(相続税法第21条の3第1項第2号の規定の適用を受けた贈与により取得した財産が充てられた教育費に係るもの及び租税特別措置法第70条の2の3に規定する結婚・子育て資金の一括贈与の非課税の特例に係る結婚・子育て資金の支払に充てた金銭に係る領収書等として取扱金融機関の営業所等に提出したものを除きます。以下「領収書等」といいます。)を、受贈者が選択した方法ごとに定められた次のイ又はロの期限までに、取扱金融機関の営業所等に提出又は提供しなければなりません。ただし、[Q5-1]のイからニまでに掲げる事由により教育資金管理契約が終了した日において取扱金融機関の営業所等にまだ提出又は提供していない領収書等については、次のイ又はロの期限ではなく、その教育資金管理契約が終了する日の属する月の翌月末日までにその領収書等を取扱金融機関の営業所等に提出又は提供しなければなりません。 
イ 教育資金を支払った後にその実際に支払った金額を教育資金管理契約に係る口座から払い出す方法(のみ)をその口座からの払出方法として選択した場合 
   ⇒領収書等に記載又は記録がされた支払年月日から1年を経過する日 
ロ イ以外の方法を教育資金管理契約に係る口座の払出方法として選択した場合 
   ⇒領収書等に記載又は記録がされた支払年月日の属する年の翌年3月15日 
(注)1 上記の「教育資金の支払に充てた金銭に係る領収書その他の書類でその支払の事実を証するもの」には、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいいます。)を含みます。 
  2 電磁的記録で作成された領収書等を取扱金融機関の営業所等に提供する場合には、その領収書等に記録された教育資金の支払の金額その他の事項について、その取扱金融機関の営業所等がディスプレイの画面への表示ができるように提供しなければならないこととされています。
  3 上記ロの場合で、その年中に払い出した金銭の合計額が、その年中に取扱金融機関の営業所等に提出又は提供された領収書等で教育資金の支払に充てたことを取扱金融機関の営業所等が確認した金額の合計額を下回るときは、取扱金融機関の営業所等が教育資金支出額として記録する金額は、その払い出した金銭の合計額が限度となります([Q5-4]を参照してください。)。 
  4 上記本文又は(注)3の領収書等には、「教育資金の非課税」の特例の規定により最初に信託がされる日、預金若しくは貯金の預入をする日又は有価証券を購入する日前に支払われた教育資金に係るものや[Q5-1]のイからニまでに掲げる事由により教育資金管理契約が終了する日後に支払われた教育資金に係るものは含まれません。 
  5 上記イ又はロの選択をした後は、その後において選択の変更はできません。 
【関係法令等】 
 措法第70条の2の2第7項、第9項 
 措令第40条の4の3第14項~第16項 
 措規第23条の5の3第9項

※ ロの方法を選択した場合の注意点 
 受贈者がロの方法を選択した場合、受贈者がその年中に払い出した金銭の合計額が、その年中に教育資金の支払に充てたものとして提出又は提供された領収書等により取扱金融機関の営業所等が教育資金の支払に充てられたことを確認した金額の合計額を超えるときは、取扱金融機関の営業所等が教育資金支出額として記録する金額は、その領収書等の金額の合計額が限度となります。 
 例えば、受贈者が12月に金銭の払出しを行い、その金銭を1月に教育資金の支払に充てた場合には、金銭の払出年と領収書等に記載された支払年が、同一年中とならないことから、その領収書等を3月15日までに提出又は提供したとしても、12月に払い出した金額は、それに見合う同一年中の領収書等の金額がないことから、教育資金支出額として記録されないこととなります。 

4 教育資金管理契約の期間中に贈与者が死亡した場合のQ&A

[Q4-1] 教育資金管理契約の期間中に贈与者が死亡した場合の手続と教育資金に係る課税関係の概要について教えてください。

[A]

1 平成31年4月1日前にその贈与者から取得した信託受益権又は金銭等について「教育資金の非課税」の特例の適用を受けているが、同日以後に取得した信託受益権又は金銭等について、「教育資金の非課税」の特例の適用を受けたことがない場合

【手続】
 「教育資金の非課税」の特例について、贈与者の死亡に伴う特段の手続は必要ありません。 
【課税関係】 
 「教育資金の非課税」の特例について、贈与者の死亡に伴う課税関係は生じません。 

2 平成31年4月1日以後にその贈与者から取得した信託受益権又は金銭等について、「教育資金の非課税」の特例の適用を受けたことがある場合

(1)その信託受益権又は金銭等がその贈与者の死亡前3年以内に取得したものでないとき 
【手続】
 「教育資金の非課税」の特例について、贈与者の死亡に伴う特段の手続は必要ありません。 
【課税関係】 
 「教育資金の非課税」の特例について、贈与者の死亡に伴う課税関係は生じません。 
(2)その信託受益権又は金銭等がその贈与者の死亡前3年以内に取得したものであるとき 
【手続】 
 その贈与者に係る受贈者は、贈与者が死亡した事実を知った場合には、速やかに、贈与者が死亡した旨を取扱金融機関の営業所等に届け出なければなりません。なお、贈与者が死亡した日以前に支払われた教育資金に係る領収書等で取扱金融機関の営業所等に未提出であるものについても提出してください。 
 また、受贈者が贈与者の死亡の日において次の①又は②に該当する場合には、その旨を明らかにする書類(在籍証明書、学生証、受講案内等)を上記の死亡した旨の届出と併せて提出することにより、管理残額を相続又は遺贈により取得したものとみなされないこととなります(下記【課税関係】を参照してください。)。 
① 学校等に在学している場合 
② 教育訓練を受けている場合 
【課税関係】 
 受贈者は、贈与者の死亡した日における管理残額(管理残額の計算については[Q4-3]を参照してください。)を贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなされ、相続税に関する法令の規定が適用されます(相続税の申告の要否については[Q4-2]を参照してください。)。なお、具体的な管理残額の金額については、取扱金融機関の営業所等で確認してください。 
 ただし、「受贈者が贈与者の死亡の日において23歳未満である場合」又は「上記①若しくは②に該当する場合においてその旨を明らかにする書類を上記の死亡した旨の届出と併せて提出したとき」には、管理残額を相続又は遺贈によって取得したものとみなされることはなく、「教育資金の非課税」の特例について贈与者の死亡に伴う課税関係は生じません。 
【関係法令等】 
 措法第70条の2の2第10項、第11項 
 措令第40条の4の3第19項 
 平31改正法附則第79条第3項

[Q4-2] 教育資金管理契約の期間中に贈与者が死亡して、教育資金に係る課税関係が生じた場合、どのようなときに相続税の申告が必要となりますか。

[A]被相続人から相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した各人の課税価格の合計が、遺産に係る基礎控除額を超える場合、その財産を取得した人は、相続税の申告をする必要があります。 
  贈与者が死亡した日において管理残額(具体的には[Q4-3]を参照してください。)がある場合には、受贈者は、その管理残額の金額を贈与者から相続(受贈者が贈与者の相続人以外の者である場合は、遺贈)により取得したものとみなされますので、贈与者(被相続人)から相続(遺贈)により財産を取得した人に該当することとなります。 
  この場合における、各人の課税価格は、次により計算します。 

  また、遺産に係る基礎控除額は、3,000万円+(600万円×法定相続人の数)の算式により計算します。 
  なお、その受贈者の相続税の課税価格(上記の各人の課税価格)の計算に当たっては、次の①の点に、相続税額の計算に当たっては、次の②の点に注意してください。 
① 相続税の課税価格の計算に当たって、贈与者から相続(遺贈)により管理残額以外の財産を取得しなかった受贈者については、相続開始前3年以内に被相続人から暦年贈与に係る贈与によって取得した財産の相続税の課税価格への加算の規定(相続税法第19条)の適用はありません(具体的には[Q4-4]を参照してください。)。 
※ 死亡保険金等や死亡退職金等のみなし相続(遺贈)財産を取得している場合には、その受贈者は、贈与者から相続(遺贈)により管理残額以外の財産を取得しなかった受贈者には当たりませんのでご注意ください。 
② 相続税額を計算するに当たって、管理残額に対応する相続税額については、相続税額の2割に相当する金額を加算する規定(相続税法第18条)の適用はありません(具体的には[Q4-5]を参照してください。)。 
【関係法令等】 
 措法第70条の2の2第10項 

[Q4-3] 管理残額の計算はどのように行うのですか。

[A]管理残額は、次の算式により計算します。具体的な計算例は、次ページ以降の設例1及び2を参照してください。 
(算式) 

上記算式中の「A」、「B」、「C」及び「D」は、それぞれ次によります。 
A=贈与者が死亡した日における教育資金管理契約に係る非課税拠出額 
B=贈与者が死亡した日における教育資金管理契約に係る教育資金支出額(注1) 
C=死亡した贈与者から取得した信託受益権又は金銭等(その死亡前3年以内に取得をしたもの(注2)に限ります。)のうち「教育資金の非課税」の特例の適用を受け、贈与税の課税価格に算入しなかった金額に相当する部分の価額 
D=贈与者が死亡した日における教育資金管理契約に係る非課税拠出額(注3) 
(注)1 その贈与者の死亡の日前に相続又は遺贈により取得したものとみなされた管理残額がある場合には、その管理残額を含みます。 
  2 平成31年4月1日前に取得をした信託受益権又は金銭等は含みません。 
  3 その贈与者の死亡の日前に死亡した他の贈与者がある場合において、その死亡につき相続又は遺贈により取得したものとみなされた管理残額があるときは、非課税拠出額からその他の贈与者から取得をした信託受益権又は金銭等(その他の贈与者の死亡前3年以内に取得をしたもの(※)に限ります。)のうち「教育資金の非課税」の特例の適用を受けて贈与税の課税価格に算入しなかった金額に相当する部分の価額を控除した残額となります。 
※ 平成31年4月1日前に取得をした信託受益権又は金銭等は含みません。 
【関係法令等】 
 措法第70条の2の2第10項 
 措令第40条の4の3第20項 
 平31改正令附則第38条第2項

設例1 平成31年4月1日前と同日以後にそれぞれ贈与により金銭を取得している場合

 次の事実関係のとおり、祖父から贈与により金銭を取得し、その金銭について「教育資金の非課税」の特例の適用を受けていましたが、契約期間中に祖父が死亡しました。この場合の管理残額の計算方法を教えてください。

 上記の設例の場合の計算方法と算出される管理残額は、以下のとおりとなります。 

 ※ 平成31年4月1日前に取得した金銭は含みません。 

設例2 贈与者が複数いる場合

 次の事実関係のとおり、祖父と祖母のそれぞれから贈与により金銭を取得し、「教育資金の非課税」の特例の適用を受けていましたが、契約期間中に祖父と祖母がそれぞれ死亡しました。この場合の管理残額の計算方法について教えてください。

 上記の設例の場合の計算方法と算出される管理残額は、以下のとおりとなります。

※1 祖母の死亡の日前に祖父から相続又は遺贈により取得したものとみなされた管理残額300万円を含みます。 
※2 祖父の死亡につき相続又は遺贈により取得したものとみなされた管理残額があることから、祖父から取得し「教育資金の非課税」の特例の適用を受けた500万円を控除します。 

[Q4-4] 私は、令和元年7月1日に祖父から書面による贈与により取得した1,000万円の金銭について、教育資金非課税申告書を提出し、「教育資金の非課税」の特例の適用を受けています。この度、祖父が亡くなり、亡くなった日における管理残額は500万円でした。私の場合、管理残額を祖父から遺贈により取得したものとみなされ、祖父の死亡に係る相続税の計算を行うこととなります。なお、私は、祖父の死亡による相続又は遺贈により財産を取得していません。また、私は、祖父から毎年現金200万円の贈与を受けて、暦年課税による贈与税の申告をしていますが、祖父の相続開始前3年以内に祖父から贈与によって取得した財産の価額は、私の相続税の課税価格の計算に当たり加算されますか。 

[A]受贈者が贈与者(被相続人)から相続又は遺贈により管理残額以外の財産を取得しなかった場合には、相続開始前3年以内に被相続人から暦年課税に係る贈与によって取得した財産の相続税の課税価格への加算の規定(相続税法第19条)の適用はありません。 
  したがって、このケースにおいて、毎年贈与を受けていた現金200万円のうち、相続開始前3年以内の贈与により取得したものについて、相続税の課税価格に加算されることはありません。 
  ただし、死亡保険金等や死亡退職金等のように相続税に関する法令により、相続又は遺贈により取得したものとみなされる財産を取得した場合には、「贈与者(被相続人)から相続又は遺贈により管理残額以外の財産を取得しなかった場合」には、当たりませんのでご注意ください。 
【関係法令等】
 措法第70条の2の2第10項第5号 

[Q4-5] 私は[Q4-4]のケースで、贈与者の死亡に係る相続税の申告が必要です。私は、贈与者の孫で、贈与者の相続に関して代襲して相続人となった者ではありません。相続税の計算に当たり相続税額の2割に相当する金額を加算する規定(相続税法第18条)(相続税額の2割加算)の適用がありますか。

[A]相続又は遺贈により財産を取得した者がその相続又は遺贈に係る被相続人の一親等の血族(その被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失ったため、代襲して相続人となったその被相続人の直系卑属を含みます。)及び配偶者以外の者である場合には、その者に係る相続税額は、その相続税額に2割に相当する金額を加算した金額とされます。 
  しかし、贈与者が、「教育資金の非課税」の特例の適用に係る贈与をした日からその贈与に係る教育資金管理契約の終了の日までの間に死亡した場合において、相続又は遺贈により取得したものとみなされる管理残額があるときの、その管理残額に対応する相続税額については、相続税額の2割加算の規定の適用はありません。 
  なお、受贈者が贈与者の死亡に伴い相続又は遺贈により財産を取得している場合の受贈者の相続税額のうち2割加算の対象とならない部分の相続税額の計算は次のとおりです。 
 
【受贈者の相続税額のうち2割加算の対象とならない部分の計算】

※ 受贈者が贈与者の死亡に伴い相続又は遺贈により管理残額以外の財産を取得していない場合には、2割加算の対象となる相続税額はありません。 
【関係法令等】 
 措法第70条の2の2第10項第4号 
 措令第40条の4の3第21項 

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