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プレミアム税務2019年11月01日 行為計算否認で対象的な2つの地裁判決(2019年11月4日号・№810) “緩い”経済合理性と“厳格”な濫用基準





  • 一審判決がともに6月27日に下されたユニバーサルミュージック事件とTPR事件では、行為計算否認規定の規範(要件)に温度差。

  • ユニバーサルミュージック事件では「経済合理性基準」がかなり“緩く”解釈されたのに対し、TPR事件では「濫用基準」を厳格に適用。高裁の判断に注目。






 既報のとおり、法人税法上132条による否認事例であるユニバーサルミュージック事件、同132条の2による否認事例であるTPR事件の一審判決がともに6月27日、東京地裁で言い渡されたところだ(801号40頁、799号7頁参照)。前者は納税者勝訴、後者は敗訴と明暗が分かれたが、裁判所のスタンスも大きく異なる。

 ユニバーサルミュージック事件で東京地裁は、IBM事件の最高裁判決でも示された「経済的合理性」の有無が規範(要件)となる旨の考え方を示したものの、①「相応の経済的合理性」があれば「不当」と評価されるべきではない、②同族会社でなければなし得ないような行為や計算を行ったとしても直ちに税負担の公平が害されることにはならない――旨判示、132条の規範をかなり“緩く”解釈している。IBM事件でも、「不当」性の判断において経済合理性を独立当事者間取引の観点から判断するという方向性は示されていたが、ここまで明確に同族会社であるという観点から「不当」性を評価しない旨を判断したことは特筆すべきだろう。

 一方、TPR事件の地裁判決では、ヤフー・IDCF事件の最高裁判決で示された「濫用基準」が厳格に適用されている。東京地裁は、「本件合併は、……適格合併において通常想定されていない手順や方法に基づくもので、かつ、実態とはかい離した形式を作出するものであり、不自然なものというべきである」とし、①行為の不自然性を認定するとともに、「本件合併の不自然さも考慮すると、税負担の減少以外に本件合併を行うことの合理的理由となる事業目的その他の事由が存在するとは認めがたいといわざるを得ない」とし、②「合理的な事業目的の不存在」も満たすとの判断を示している。ここでは、①にいう「不自然性」とは、実務上不自然であるかどうかではなく、税制が想定した組織再編を念頭に不自然かどうかを判断すると言っているに等しい。また、②の「合理的な事業目的」の有無の判断にあたっては「不自然さ」が考慮されている。①で「不自然」と判断された場合、②で要求される「事業目的」の要求レベルも相当に高くなるということが本地裁判決で改めて確認されたと言えそうだ。





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