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税務ニュース2021年07月30日 土地売買契約中の相続事案、二審も棄却(2021年8月2日号・№892) 東京高裁、生前の合意解除、農地法で未許可の主張ともに認めず

  • 売買契約中に相続が開始した土地を巡る相続税の重加算税事案について、東京高裁は令和3年7月14日、相続人らの控訴を棄却(本誌857号9頁、875号17頁参照)。
  • 控訴人らは、被相続人の生前に売買契約の合意解除があった等を主張も認められず。

 本件は、被相続人がデベロッパーとの間で土地の売買契約中に相続が開始した事案である。控訴人(相続人)らは、被相続人の生前に売買契約は合意解除されていたとして、土地を課税財産として相続税申告を行った。課税庁は、合意解除は認められないとして、売買残代金請求権を課税財産に相続税の更正処分を行うとともに、土地の売買契約の合意解除を仮装したものとしてとして重加算税の賦課決定処分を行った。控訴人らは課税処分の取消しを求めたが、東京地裁は令和2年10月29日、「本件被相続人が本件売買契約等を解除する意思表示をしたことを認めることはできない。」と判断し、請求を棄却した。
 そして、東京高裁第17民事部(矢尾渉裁判長)も、控訴人らの訴えをいずれも棄却する判決を7月14日に言い渡した。控訴人らは、①課税時期は被相続人が生前の平成26年9月末日である、②本件売買契約の解除が被相続人の死後であったとしても、合意解除の遡及効が課税関係に影響する、③本件土地は農地であり、農地法3条の許可を受けていないから、そもそも本件売買契約に係る売買代金請求権は発生していない、④課税処分は信義則に反している、⑤重加算税の賦課決定処分は行き過ぎであること等を主張した。
 これに対し東京高裁は地裁判決を引用しつつ、上記③の農地法に係る主張については「農地法3条の許可を受けなければ農地の所有権は移転しないが、売買契約自体は成立しているから、本件売買契約に基づく売買代金は発生している。」、上記⑤の重加算税に係る主張については「控訴人らは、本件被相続人が生前に本件売買契約を解除した旨の虚偽の事実が記載されている本件確認書の交付を受けていたのであるから、仮装行為が行われることを容易に認識することができたといえる。そして、控訴人らが税理士に対し当該仮装行為を阻止することができなかったことをうかがわせる事情もないから、仮に控訴人らが仮装行為について認識していなかったとしても、当該仮装行為を控訴人らの行為と同視することができるというべきであり、控訴人らに対して重加算税を賦課することは相当であると解される。」との判断を加え、控訴人らの主張を斥けている。

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