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プレミアム税務2019年12月06日 連結納税見直し、2年度改正での実現確定(2019年12月9日号・№814) 企業関係税制の行方 研究開発・外国税額控除のグループ調整計算維持

  • グループ通算制度の導入が確定、研究開発税制及び外国税額控除のグループ調整計算は維持。
  • 消費税(法人)の申告期限1か月延長、(一定のユーザンス金利の部分合算対象からの除外)、特定資産の買換え特例の延長の実施、5G投資促進税制、オープンイノベーション促進税制の創設も確定。財源確保のため「ムチ税制」の要件を厳格化も。

 令和2年度税制改正議論の中でまず注目されるのが、同年度税制改正の最大の目玉である連結納税制度の見直しの行方だ。連結納税制度の見直し議論では、研究開発税制と外国税額控除など各制度の「グループ調整計算」の存廃を巡る調整が難航するなど、令和2年度税制改正での見直し実現に暗雲が漂っていた。しかし、結論から言えば、少なくとも令和2年度税制改正での見直しが実現することが確定した。
 焦点となっていた研究開発税制及び外国税額控除についてはグループ調整計算が維持される。今回の改正の趣旨は、個別の連結法人における修正・更正の影響が他の連結法人に及ばないようにすることにあるが、グループ調整計算を維持しつつ影響も遮断するという“二兎を追う”内容となる。
 ただし、グループ全体の税額控除額の個社への按分方法については、個別申告方式への移行を踏まえ、変更が生じる見込み。例えば研究開発税制については、現状、グループ全体の税額控除額を試験研究費の支出割合に応じて各連結法人に按分し、個別帰属額を算出しているが、改正後の連結納税制度(以下、グループ通算制度)は「個別申告方式」となるため、これまで通り試験研究費の支出割合で按分すると、試験研究費の額は多いが所得・税額がそれほど多くない法人(例えばコストセンターの親会社)では控除対象額を控除しきれず、逆に、試験研究費の額は少ないが所得・税額が多い法人(例えば販売子会社)では控除対象額が少なくなり控除枠が余ってしまうという問題が生じる。そこでグループ通算制度では、グループ全体で算出した税額控除額を各法人の試験研究費以外のアロケーション・キーで按分すべきではないかとの指摘がある。仮に試験研究費ではなく、各法人の法人税額の比で按分する場合、グループ全体では控除対象額を使い切れなくなるという事態は回避できる。ただし、試験研究を行っている会社に控除額が帰属せず、試験研究を行っていない会社に控除額が帰属するというアンバランスな結果となるため、税額控除を行った後のグループ内の法人間の精算、及びその税務上・会計上の取り扱いが課題となろう。
 国内配当については、グループ全体で持株割合を判定する方式が維持される。一方、外国子会社配当益金不算入については大規模な改正の動きはない。
 このほか令和2年度税制改正での実現が確定した項目の中で実務上影響が大きそうなのが、法人に係る消費税の申告期限の1か月延長だ。働き方改革の流れの中で実現したものであり、事務負担の軽減・平準化に資することになろう。
 外国子会社合算税制の見直しも決まった。具体的には、部分合算の対象となる利子から一定のユーザンス金利が除かれる方向。
 また、特定資産の買換え特例も延長が決まった。
 投資減税では、国家安全保障上の問題から注目されていた5G投資促進税制についても何らかの措置は講じられることになった。オープンイノベーションを促進するための税制措置の創設も決まった。同措置について、一時期、ベンチャー企業への投資について一定割合の税額控除を行う案と準備金方式とする案が併存していたが、税額控除方式の方向。ただ、本措置の導入にあたっては財源が問題になる。具体的には、交際費特例(接待飲食費の50%までを損金算入できる措置)を期限の到来にあわせ見直すなどの措置が講じられる方向。加えて、企業が内部留保を貯め込んでいるとの批判が高まる中、平成30年度税制改正で導入された「ムチ税制」の要件を厳格化し、企業のリスク投資を促す。現行では、当期の国内設備投資額が当期の減価償却費の10%を超えていればムチ税制は発動されないが、この10%要件を引き上げる。20%を超える率になるとの観測もあるだけに、企業にとっては要注意だろう。
 令和2年度税制改正での実施が見送られた項目としは、まず自社株対価M&Aに係る税制措置(被買収会社株主における株式の譲渡損益の繰延べ)が挙げられる。本措置は会社法改正により株式交付が導入されることを踏まえ導入が検討されているものだが、改正会社法案は今臨時国会で成立したものの、施行までまだ時間的余裕があり、令和3年度改正で議論しても遅くないと判断された。令和2年度税制大綱では「検討事項」扱いとなる可能性が高い。
 また、デジタル課税も令和2年度改正の対象外だが、税制当局としては、OECDで合意され次第、第2の柱ミニマムタックス(とりわけ所得合算ルール)を導入したい考えを持っており、制度設計によっては企業の事務負担や税負担の増加が懸念される。そこで、大綱では単に「導入が必要」といった“断定調”の記述ではなく、表現に一定の工夫・配慮が必要ではないかと指摘する向きもある。
 このほか、個人住民税の特別徴収税額通知(納税義務者用)の電子化については、(マルバツ審議の対象ではないが)今年も未決着のまま終わることが確認されている。ただし、事務的には、eLTAX経由で配布する方式で検討が続いており、来年度以降の議論の進展が期待される。

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