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解説記事2021年09月13日 最新判決研究 犯則調査と課税調査との関係・「隠蔽・仮装」の行為者の範囲(2021年9月13日号・№897)

最新判決研究
犯則調査と課税調査との関係・「隠蔽・仮装」の行為者の範囲
東京地裁令和3年2月26日判決(平成30年(行ウ)第550号)
  筑波大学名誉教授・弁護士 品川芳宣

一、事実

(1)X(原告)は、不動産の売買等を目的とする株式会社であるが、平成24年12月1日、朝霞市内で取得した土地(以下「本件土地1」という。)をマンション会社Dに対して3億9410万円余で譲渡したとし、また、平成25年8月29日、同市内で取得した土地(以下「本件土地2」といい、本件土地1と併せて以下「本件各土地」という。)をDに対して7億2250万円で譲渡したとし、平成25年8月28日、平成25年6月期分法人税等を確定申告し、平成26年8月27日、平成26年6月期分法人税等の確定申告(両期分の確定申告を以下「本件確定申告」という。)をした。
 その後、Xは、平成27年10月6日、K国税局から法人税法違反の犯則調査(以下「本件犯則調査」という。)を受け、平成28年5月20日、平成25年6月期に売掛債権計上漏れ2億6350万円等があったとする修正申告(以下「本件修正申告」という。)をした。これに対し、A税務署長は、平成28年8月22日、課税調査を行い、最終的には、平成25年6月期分の重加算税額885万円余等、平成26年6月期分の重加算税額1368万円余等とする賦課決定(以下「本件賦課決定」という。)をした。Xは、本件賦課決定を不服として、前審手続を経て、本訴を提起した。
(2)本件各土地の取引は、平成25年9月5日にXを懲戒解雇されたO常務取締役(平成25年3月31日に取締役を退任したが、その後も解雇されるまでは、Xの営業責任者を務めていた。)が取り仕切ったものである。すなわち、Oは、本件土地1の取引(以下「本件取引1」という。)につき、Dに対する譲渡価額が実際には、4億9410万円余であったが、Oが代表取締役を務める株式会社Sの持分が1億円あるとして、Xの売上を同金額を減額する内容の契約書を作成し、本件土地2の取引(以下「本件取引2」という。)につき、Dに対する譲渡価額が実際には8億9600万円余であったが、Sの持分が1億3350万円であり、Sの関連会社Hの持分が3000万円であるとして、Xの売上を上記各金額を減額する内容の契約書を作成した。
 また、本件犯則調査によって、上記のS及びHの売上分合計2億6350万円(以下「本件着服金」という。)がXの売上計上漏れと認定された。それにより、Xは、Oに対して、本件着服金等の支払を求める損害賠償請求事件を提起し、平成28年4月3日、当該損害金の大部分を回収した。

二、争点及び当事者の主張

1 争 点
(1)本件犯則調査が国税通則法(以下「通則法」という。)65条5項にいう「調査」に当たるか
(2)本件修正申告が「その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでないとき」に当たるか
(3)Xにつき「国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたとき」に当たるか

2 Xの主張
(1)通則法65条5項にいう「調査」は、通則法24条にいう「調査」と同義に解するべきであり、同条にいう「調査」は課税調査を意味することから、通則法65条5項にいう「調査」とは課税調査を意味し、犯則調査は含まれない。
 両調査は、根拠法の異なる全く別の手続であり、そもそもの手続理念が異なるものであることを考えると、通則法65条5項の「調査」に課税調査と犯則調査の双方が含まれると考えることには非常に無理がある。
 なお、国税庁の定めた平成24年9月12日付け課総5−9ほか9課共同「国税通則法第7章の2(国税の調査)関係通達の制定について(法令解釈通達)」(以下「調査通達」という。)1−1(1)は、通則法7章の2における「調査」が課税調査であることを明らかにしているところ、同じ通則法の中で「調査」という用語を別異に解することは不自然、不合理である。
(2)通則法65条5項の「更正があるべきことを予知してされたもの」であるというためには、①税務職員がその申告に係る国税の課税要件事実についての調査に着手し、その申告が不適正であることを発見するに足るかあるいはその端緒となる資料を発見したこと、②これによりその後調査が進行し先の申告が不適正で申告漏れの存することが発覚し更正に至るであろうことが、単に主観的あるいは一般的抽象的な可能性にとどまらず、客観的に相当程度の確実性をもって認められる段階に達したこと、③納税者がやがて更正に至るべきことを認識した上で、④修正申告を決意し修正申告書を提出したものであること、が必要と解される。本件においては、本件修正申告の時点で課税調査が行われていないことから、本件修正申告に係る申告書が提出された時点で、「更正に至るであろうことが客観的に相当程度の確実性をもって認められる段階」に達していたとはいえない。
(3)本件において、Oは、自己又は第三者の利益のために、虚偽の内容の契約書を作成し、本件各取引における売買代金額とその虚偽の内容の契約書上の売買代金額との差額を、X名義の口座ではなく、自己が経営する会社の名義の口座に入金させたのであって、これら一連の行為は、客観的にみてOの権限内の行為とはいえず、これら一連の違法行為を権限内の行為としてXの行った行為と同視することはできない。したがって、本件確定申告は、納税者たるXが「国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し」たときに該当しないから、本件賦課決定はいずれも違法である。

3 国の主張
(1)通則法65条1項及び5項の趣旨等に鑑みれば、同項の「調査」には、当該国税について更正があるべきことを予知できる可能性のある「調査」であれば、いわゆる机上調査を含む税務調査全般が含まれると解されることはもちろんのこと、犯則調査も、課税庁が犯則調査により収集された資料を課税処分を行うために利用することができることにも照らせば、同項の「調査」に含まれると解するのが相当である。
(2)通則法65条5項の「更正があるべきことを予知してされたもの」であるというためには、①税務職員がその申告に係る国税の課税要件事実についての調査に着手してその申告が不適正であることを発見するに足るかあるいはその端緒となる資料を発見していること、②これによりその後調査が進行し当該申告が不適正で申告漏れの存することが発覚し更正に至る可能性が生じたと認められる段階に達していること、③納税者がやがて更正に至るべきことを認識した上で、④修正申告を決意し修正申告書を提出したものであるか否かにより判断されるべきである。
 これを本件についてみると、K国税局調査査察部の職員らが、平成27年10月6日に、本件犯則調査としてXの本社事務所に臨場し、Oの勤務内容及び本件各取引の経緯等を確認し、本件各取引に係る虚偽の内容の契約書写しを入手した時点で、Xの確定申告が不適正であることを発見するに足るかあるいはその端緒となる資料を発見したと認められる。
(3)法人内部において相当の地位と権限を有する者が、その権限に基づき、法人の業務として行った仮装行為であって、全体として納税者たる法人の行為と評価できるものについては、納税者自身が行った行為と同視され、通則法68条1項の重加算税の対象となるものと解するのが相当である。Oは、Xの常務取締役として、X内で大きな影響力を持つ相応の地位に就いていた上、Xの不動産取引に係る業務について、代表者に準ずるような包括的な権限を有しており、その包括的な権限に基づいて行った不動産取引に係る不正行為は、X自身の行為と評価すべきである。

三、判決要旨

請求棄却。
1 本件各取引についての事実認定


2 本件犯則調査が「調査」に当たるか(争点1)
 〈略〉
(1)通則法65条5項は、「調査」の主体や根拠規定を限定しておらず、文言上、犯則調査を除外していない。
 本件賦課決定処分当時、犯則調査は国税犯則取締法(平成29年法律第4号により廃止)に規定され、収税官吏は、国税に関する犯則事件を調査するため必要があるときは、犯則嫌疑者若しくは参考人に対し質問し、犯則嫌疑者の所持する物件、帳簿、書類等を検査し、又はこれらの者において任意に提出した物を領置すること(同法1①)、参考人の所持する物件、帳簿、書類等を検査すること(同1②)、公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めること(同1③)、臨検、捜索又は差押えをすること(同2①)ができるとされていた。
 平成29年法律第4号による改正により、国税犯則取締法が廃止されて犯則調査は通則法131条以下に規定されることとなり、同法74条の2第1項柱書きの「税関の当該職員(税関の当該職員にあつては、消費税に関する調査を行う場合に限る。)」という文言が「税関の当該職員(税関の当該職員にあつては、消費税に関する調査を行う場合に限る。)」と改正された。
 これにより、同法では、74条の2の属する7章の2において「調査」は犯則調査を含まないことが明確化されたが、68条1項や65条5項は6章に属し、7章の2に属さないからこれらの条項にいう「調査」は犯則調査を含むことを前提とした立法となっている。
 この点について、同法では、24条〜27条、32条も7章の2に属しないが、これらの条項は、27条(32条5項において準用する場合を含む。)を除き、「その調査」と規定し、調査の主体を税務署長に限定しているから、そこでいう「調査」が犯則調査を含むか否かにかかわらず、税務署長以外の者のした犯則調査は含まない。また、27条は「国税庁又は国税局の当該職員の調査」としているところ、そこでいう「当該職員」とは、特定の国税につき課税調査の権限を与えられている職員をいい、犯則調査を行う国税査察官を含まないと解されるから、そこでいう「調査」が犯則調査を含むか否かにかかわらず、国税庁又は国税局の国税査察官のした犯則調査は含まない。
 また、平成29年法律第4号による改正前の国税通則法126条の規定は同改正により127条に繰り下げられ、「国税に関する調査」に従事し又は従事していた者の秘密漏示に対する罰則に改められたが、これは、平成22年法律第6号によりそれまで個別税法で規定されていた秘密漏示罪を通則法で一本化するに当たり、それまで解釈されていたとおりその対象に犯則調査に従事する者等を含むことを明文化したものであり、確認的な規定であった。
 このような立法経緯に照らしても、平成28年法律第15号による改正前の通則法65条5項にいう「調査」は、文言上、犯則調査を除外していないことが明らかである。
(2)実質的にみても、通則法65条5項が、修正申告が調査があったことにより更正を予知してされたものでないときは加算税を賦課しないこととした趣旨は、自発的に修正申告を決意し、修正申告書を提出した者に対しては、例外的に加算税を賦課しないこととすることにより、納税者の自発的な修正申告を奨励することにあると解されるところ、このような同項の趣旨からすれば、犯則調査により申告漏れの事実(更正処分の基礎となるべき事実)が税務官署に明らかになった後にされた修正申告は自発的な申告とはいえないから、同項の「調査」から犯則調査を除外すべき理由はない。
(3)したがって、本件犯則調査が、Xの法人税、復興特別法人税、消費税及び地方消費税を対象とする課税調査でなく、Sの法人税法違反の嫌疑に基づく犯則調査であったとしても、本件犯則調査の結果、Oが本件各取引に係る真実の売買代金額を隠蔽し、Xが取得すべき本件着服金をOの支配するS及びHの口座に振り込ませて着服していたことにより、平成25年6月期及び平成26年6月期のXの益金が本件確定申告において申告したよりも多額であったことが税務官署に明らかになったのであるから、本件犯則調査は、Xの平成25年6月期及び平成26年6月期の法人税等との関係において、通則法65条5項の「調査」に当たる。

3 本件修正申告が「更正があるべきことを予知してされたもの」に当たるか(争点2、3)
(1)通則法65条5項の「更正があるべきことを予知してされたもの」であるというためには、①税務職員がその申告に係る国税の課税要件事実についての調査に着手し、その申告が不適正であることを発見するに足るかあるいはその端緒となる資料を発見したこと、②これによりその後調査が進行し先の申告が不適正で申告漏れの存することが発覚し更正に至るであろうことが、単に主観的あるいは一般的抽象的な可能性にとどまらず、客観的に相当程度の確実性をもって認められる段階(客観的確実時期)に達したこと、③納税者がやがて更正に至るべきことを認識した上で、④修正申告を決意し修正申告書を提出したものであること、が必要であると解するのが相当である。
(2)犯則調査により収集された資料を課税処分のために利用することは許されると解されており(最高裁昭和63年3月31日第一小法廷判決・裁判集民事153号643頁)、本件犯則調査の時点において、国税庁の事務運営指針に基づき、国税局が実施した犯則調査の結果は、国税局又は税務署が課税処分を行うための基礎資料として、犯則嫌疑者や犯則調査に伴い課税処分が見込まれる関係法人等については調査連絡資料を、反面調査の過程で非違が把握された取引先等については各課部門事務連絡せんをそれぞれ作成して、最終的に課税処分を担当する税務署に送付するという事務慣行があったのであるから、一般に、国税局の職員が犯則調査に着手し、納税者の確定申告が不適正であることを発見するに足るかあるいはその端緒となる資料を発見した場合には、その後課税調査が進行し、先の申告が不適正で申告漏れの存することが発覚し更正に至るであろうことは、単に主観的あるいは一般的抽象的な可能性にとどまらず、客観的に相当程度の確実性をもって認められる段階に至ったものと認めるのが相当である。
(3)本件においてこれをみると、K国税局の職員らは、平成27年10月6日、本件犯則調査としてXの本社事務所に臨場し、XにおけるOの地位及び本件各取引の経緯等を確認し、本件各取引に係る虚偽の内容の契約書写しを入手した時点で、Xの確定申告が不適正であることを発見するに足るかあるいはその端緒となる資料を発見したと認められる。
(4)そして、K国税局の職員らは、平成28年2月22日、Xの総勘定元帳を調査し、本件着服金がXの売上に計上されていない事実を確認した時点で、本件着服金はXの益金として計上すべきであったにもかかわらず確定申告において計上されていなかったことを認識したのであるから、その後、本件犯則調査の結果がA税務署に引き継がれれば、本件確定申告が不適正で申告漏れであったことが発覚し、A税務署による課税調査を経て更正処分に至るであろうことについて、単に主観的あるいは一般的抽象的な可能性にとどまらず、客観的に相当程度の確実性をもって認められる段階(客観的確実時期)に至ったものと認められる。
(5)Xは、課税調査を経ない限り更正処分をすることはできないのであるから、課税調査前に「更正処分がされることについて客観的に相当程度の確実性がある段階」に達していたと判断することはできないし、課税調査前に「更正があるべきことを予知」することはあり得ないなどと主張する。
 しかし、更正処分の基礎となる事実関係を国税局の職員らが把握した以上、税務署長は、国税局からその資料を引き継げば、その引継資料に基づく課税調査(机上調査)のみによって更正処分を行うことも可能なのであるから、課税調査前の段階であっても、「更正処分がされることについて客観的に相当程度の確実性がある段階」に達することは十分にあり得ることであり、そのことを納税者が認識していれば、「更正があるべきことを予知」したものと認めるのが相当である。Xの主張は採用できない。

4 Xが「隠蔽し、又は仮装した……とき」に当たるか(争点4)
(1)通則法68条1項の趣旨は、納税者が過少申告をするにつき隠蔽又は仮装という不正手段を用いていた場合に、過少申告加算税よりも重い行政上の制裁を課すことによって、悪質な納税義務違反の発生を防止し、もって申告納税制度による適正な徴税の実現を確保しようとするものである。同項は隠蔽仮装行為の主体を納税者としているのであって、本来的には、納税者自身による隠蔽仮装行為の防止を企図したものと解される。しかし、納税者以外の者が隠蔽仮装行為を行った場合であっても、それが納税者本人の行為と同視することができるときには、形式的にそれが納税者自身の行為でないというだけで重加算税の賦課が許されないとすると、重加算税制度の趣旨及び目的を没却することになる(最高裁平成18年4月20日第一小法廷判決・民集60巻4号1611頁、最高裁平成18年4月25日第三小法廷判決・民集60巻4号1728頁参照)。そして、法人の事業活動において代表者に準ずるような包括的な権限を有する者が、その権限内において行った行為については、その隠蔽仮装行為について、代表者自身がこれを認識し、あるいは認識する可能性があったか否かにかかわらず、法人自身の行為と評価されるものというべきである(広島高裁平成26年1月26日判決・訟月61巻4号811頁参照)。
(2)これを本件についてみると、Oは、本件各取引当時、Xの常務取締役であり、Xの各支店を統括するエリア統括本部及び営業部門を統括する企画営業本部の責任者として、X全体の不動産取引や契約等について決裁を行っていたほか、自身もXにおいて不動産取引に関する営業活動を行っていた者であり、Xの不動産の売買に関し代表者に準ずるような包括的な権限を有していたものである。
 そうすると、Oのした隠蔽仮装行為は、X代表者がその隠蔽仮装行為を認識し又は認識し得たか否かを問わず、Xがした隠蔽仮装行為と評価するのが相当である。
(3)したがって、本件各取引につき、Oは真実の取引内容を隠蔽し、内容虚偽の取引を仮装し、Xの本件確定申告はその隠蔽し仮装したところに基づいて行われていたところ、Oのした隠蔽仮装行為はXのした隠蔽仮装行為と評価できるから、本件確定申告は、「国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき真実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたとき」(通則法68①)に当たる。

四、解説

はじめに
 本件においては、不動産の売買等を目的とするXの売上計上漏れにつき、査察官による犯則調査(本件犯則調査)が行われた直後に修正申告(本件修正申告)が行われた場合に、本件犯則調査が通則法65条5項にいう「調査」に該当するのか、本件修正申告が各種加算税が減免される「更正があるべきことを予知してされたものでないとき」に当たるのか、上記売上計上漏れの不正工作をした者(O)がXから懲戒解雇されている場合に、Xが重加算税の賦課要件たる「隠蔽・仮装」したことに当たるのか、が主として争われたものである。
 いずれの争点についても、通則法の関係規定の文理解釈において問題があるところであり、かつ、通則法の平成23年の改正及びそれに伴って翌年発出された取扱い通達によって、それらの解釈の一部が一層混乱している嫌いもある。また、平成29年の通則法の改正によって、上記の犯則調査の根拠規定であった旧国税犯則取締法が通則法に統合・廃止されたが、それによる犯則調査と課税調査の関係への影響についても検討を要するところである。
 以下、これらの問題について、本件に即して検討することとする。

1 犯則調査と任意調査の関係(「調査」の意義)
(1)通則法74条の8は、「第74条の2から前条まで(〈略〉)の規定による当該職員の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。」と定めている。この規定は、平成23年改正で個別税法に定められていたもの(注1)を通則法に移行させたものであるが、課税処分等のための質問検査権を行使する課税調査と国税局査察部門が行っている犯則調査とが混同されてはいけないものと解される。したがって、課税調査に基づいて収集された資料(証拠)のみに基づいて逋脱犯の告発を行うことは禁じられているものと解される(注2)。
 しかしながら、同じ国税庁の組織の中にあって、申告納税制度における納税者の監視機能を有している課税調査部門と強制調査(査察)部門とが全く情報交流がないというのは、不自然、不合理であろうし、行政の効率を損ねることにもなろう。よって、通則法74条の8の規定は、課税調査部門の調査が犯則調査のための直接的手続になることを禁じているものと解すべきであろう。この点について参考とすべき事例として、最高裁平成16年1月20日第二小法廷決定(刑集58巻1号26頁)(注3)がある。
 この事案では、被告人会社が法人税の逋脱を企てていたが、国税局査察部門が平成26年3月頃内偵を開始したため、それを察知した同社代表者が同年4月に顧問税理士に修正申告を依頼し、同月11日、同税理士が所轄税務署に相談したところ、同月12日、同税務署の調査が開始され、秘匿所得の相当部分を把握したので、同署統括調査官がその旨査察部門に連絡し、査察部門が翌13日臨検捜索差押許可状を得て、翌14日、臨検捜索を開始したというものであった。そして、被告人会社は法人税法違反の罪で告発・起訴されたが、弁護人は、本件税務調査は犯則調査の手段として利用されているから、同調査が法人税法(平成23年改正前のもの)156条等に違反し、本件証拠は違法な調査に由来し証拠能力を欠くなどと主張した。
 一審の松山地裁平成13年11月22日判決(判例タイムズ1121号264頁)は、本件税務調査の違法性を否定し、被告人会社を有罪としたが、控訴審の高松高裁平成15年3月13日判決(判例時報1845号149頁)は、被告人会社の有罪を認めたものの、「本件税務調査は、法人税法156条に違反する」旨判示した。かくして、前掲最高裁判決は、「本件では、上記質問又は検査の権限の行使に当たって、取得収集される証拠が後に犯則事件の証拠として利用されることが想定できたにとどまり、上記質問又は検査の権限が犯則事件の調査あるいは捜索のための手段として行使されたものとみるべき根拠がないから、その権限の行使に違法はなかったというべきである。そうすると、原判決の上記判示部分は是認できないが、原判決は、上記質問又は検査の権限の行使及びそれから派生する手続により取得収集された証拠資料の証拠能力を肯定しているから、原判断は、結論において是認することができる。」と判示している。
(2)ところで、本件においては、前述の場合とは逆に、犯則事件において収集された証拠等に基づいて、税務署長による課税処分(本件賦課決定)が行われたというものである。このように、ある脱税事案について、犯則調査が先行し、それによって取得収集された証拠や後行して実施された課税調査によって取得収集された証拠に基づいて、税務署長による更正、決定又は賦課決定が行われることはままあることであり、それが違法であるということで争訟事件に発展した事例も見当たらない。その点では、本判決は意義がある。その場合には、当該税務署長が、当該更正決定等をするに当たって、当該犯則調査に基づく証拠資料を税務署の当該職員が確認等をする作業を通則法24条等にいう「調査」に当たると解することによって、「調査」を欠く更正決定等の違法性を阻却し得るものと解されてきた(注4)。
 これらの点について、本判決は、前述のように、本件で直接争点となっている通則法65条5項にいう「調査」につき、通則法において「調査」なる用語を使用している条項、すなわち、74条の2第1項柱書き、68条1項、65条5項、24条〜27条、32条、127条等の通則法上の位置付けと各条項の文理を検討した上で、通則法65条5項にいう「調査」には犯則調査を除外していない旨結論付けている。このような検討は、平成23年、28年及び29年の通則法改正並びに平成24年の調査通達の発出によって、「調査」に関する規定が複雑化し、その意義等が理解しづらくなっているため、評価できるものである。
(3)しかしながら、平成23年改正前の通則法の下では、「調査」の意義は通則法全文を通じて統一(共通)した解釈が可能であった。すなわち、当時の通則法の下での「調査」の意義については、大阪地裁昭和45年9月22日判決(訟務月報17巻1号91頁)が、次のとおり判示しており、多くの裁判例においても同様な判断が示されてきた(注5)。
 「そもそも通則法第24条にいう調査とは、被告S税務署長の主張するように、課税標準等または税額等を認定するに至る一連の判断過程の一切を意味すると解せられる。すなわち課税庁の証拠資料の収集、証拠の評価あるいは経験則を通じての要件事実の認定、租税法その他の法令の解釈適用を経て更正処分に至るまでの思考、判断を含むきわめて包括的な概念である。」
 このような「調査」の意義についての判断は、税務署内の事務手続等を考慮した場合には、至極当然のものであると考えられる。それ故に、国側が長年それを主張し、裁判所がそれを容認したものと評価できる(注6)。ところが、国税庁は、平成23年の国税通則法の改正に対応し、翌24年に発出した前述の調査通達では(注7)、「更正の請求に対して部内の処理のみでの請求どおりに更正を行う場合の一連の行為」、「修正申告書若しくは期限後申告書の提出又は源泉徴収に係る所得税の納付があった場合において、部内の処理のみで更正若しくは決定又は納税の告知があるべきことを予知してなされたものには当たらないものとして過少申告加算税、無申告加算税又は不納付加算税の賦課決定を行うときの一連の行為」等は通則法7章の2に定める「調査」に当たらないとしている(同通達1−1)。
 このような取扱いについては、平成23年の通則法の改正によって特段「調査」の意義を限定する規定が明文化されたわけでもないのに、国側が従来主張してきた解釈論を自ら変更することには理解の苦しむところがある。もっとも、平成29年の通則法改正によって、従来国税犯則取締法で定められていた犯則調査が通則法において定められたため、通則法74条の2、127条において、犯則調査と課税調査を区分する規定が設けられたが、それらは当該条項に限定して解釈すれば足りることである。
 それ以外の通則法上の「調査」の意義については、前掲の大阪地裁判決の考え方に基づけば、本件で問題となっている通則法65条5項にいう「調査」には犯則調査を除かなければならない理由はないことになる。

2 更正の予知
(1)通則法65条5項は、「第1項の規定は、修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があったことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでない場合において、その申告に係る国税についての調査に係る第74条の9第1項第4号及び第5号(〈略〉)に掲げる事項その他政令で定める事項の通知(次条第6項において「調査通知」という。)がある前に行われたものであるときは、適用しない。」と定めている。
 このような過少申告加算税の減免は、他の加算税についても、同様の方法が採用されている(通法66④〜⑦、67②、68①〜③)。このような自発的な修正申告等を優遇する趣旨について、東京地裁昭和56年7月16日判決(税資120号129頁)は、次のように判示しており、多くの裁判例もそれを支持している(注8)。
 「そもそも加算税制度の趣旨は、適法な申告をしない者に対し所定の率の加算税を課すことによって右のような納税義務違反の発生を防止し、もって申告納税制度の信用を維持しその基礎を擁護するところにある。この加算税制度の趣旨にかんがみれば、前記法条(編注:通則法65条5項)の趣旨は、〈略〉「申告に係る国税についての調査があったことにより当該国税について更正があるべきことを予知」することなく自発的に修正申告を決意し、修正申告書を提出した者に対しては例外的に加算税を賦課しないこととし、もって納税者の自発的な修正申告を歓迎し、これを奨励することを目的とするものというべきである。」
 また、通則法65条5項の解釈上問題となるのは、まず、「調査があったこと」と「更正があるべきことの予知」の意義についてであるが、前者については、前記1において述べたとおりである。後者については、裁判例では、次の3説に区分することができる(注9)。
① 具体額発見説(調査により脱漏所得が発見された後に出された修正申告)
② 調査開始説(調査が開始された後に提出された修正申告)
③ 客観的確実説(調査により脱漏所得を発見するに足るかあるいはその端緒となる資料が発見され、更正に至るであろうことが客観的に相当程度の確実性をもって認められる段階に達した後に、納税者が更正に至るべきことを認識した上で修正申告を決意して提出した修正申告)
 これらの3説のうち、③説を支持する裁判例が多いといえるが、本判決もこの説を支持しているようである。
(2)なお、本件修正申告がされた平成28年5月当時は、修正申告書の提出が、「調査があったことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでない」ときには、過少申告加算税が課されない(通則法65条1項を適用しない)こととされていたが、平成28年度通則法改正(平成29年1月1日施行)により、上記の要件のみでは過少申告加算税が10%から5%に軽減されるにとどまり(通則法65条1項参照)、過少申告加算税が免除されるためには、前記通則法65条5項の文言どおり、上記の要件のほか、「その申告に係る国税についての調査に係る通則法74条の9第1項4号及び5号に掲げる事項その他政令で定める事項の通知」(以下「調査通知」という。)がある前に修正申告書を提出する必要があるとされた。
 すなわち、「調査があったことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでないとき」のほか、次の事項について調査通知が行われる前に修正申告書が提出された場合に限り、過少申告加算税が課されないことになる(通法65⑤、74の9①四、五、通令27③)(注10)。
① 調査の対象となる税目
② 調査の対象となる期間
③ 事前通知を行う場合の実地の調査について質問検査等を行わせる旨又は事前通知を要しない場合において実地の調査を行う旨
 このような規定を定めた趣旨について、立法担当者は、次のように説明している(注11)。
 「税務調査を行う場合には、税務当局は納税者に対し原則として事前通知をすることが平成23年12月改正により法令上義務化されていますが、加算税制度において、調査による更正等を予知しないでされた修正申告等については、過少申告加算税が課されない(無申告加算税の場合には5%に軽減される)ことから、事前通知直後(更正等の予知前)に多額の修正申告又は期限後申告を行うことにより加算税の賦課を回避している事例が散見されていたところです。
 先述のとおり、これまでは申告納税制度の普及を図るため自発的な修正申告等を奨励する目的で過少申告加算税等を調査による更正の予知までの間は課さない(軽減する)こととされていましたが、今回の改正においては、こうした状況に対応し、当初申告のコンプライアンスを高める観点から、調査通知から更正等の予知までの間については、更正等の予知後の通常の加算税よりも一段低い水準の加算税を課すこととされました。」
 この説明については、筆者が平成23年通則法改正と平成25年調査通達の発出について、批判したことについて一部認めたことになるが(注12)、改正内容自体はやや複雑で問題を残している(注13)。

3 「隠蔽又は仮装」の行為者
(1)通則法68条1項は、「第65条第1項(〈略〉)の規定に該当する場合(〈略〉)において、納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたとき」に過少申告加算税に代えて重加算税を課す旨定めている(無申告加算税又は不納付加算税に係る規定は、同条2項又は3項)。この場合、「隠蔽又は仮装」する者は、「納税者」と定められているが、当該「納税者」の解釈が問題となる(注14)。
 上記規定の文理上は、「納税者」本人すなわち各税法に定められている納税義務者(所法5、法法4等)又は源泉徴収義務者(所法6)本人が、隠蔽又は仮装した場合に限り重加算税が課されるようにも解される。しかし、重加算税制度がそもそも納税義務違反に対する行政制裁であること、かかる納税義務者については、納税者本人以外の従業員等の補助者、納税申告の委任を受けた代理人(税理士等)が当該国税の課税標準等などの計算に従事すること等により履行されることが多いこと、重加算税という行政制裁よりも一層厳しい要件の下に罰せられる逋脱犯に対しては、「代理人、使用人その他の従業者」が脱税に加担する行為をした場合には、それらの者に対しても罰則規定が設けられていること(所法244、法法164等)等からみて、同法68条の規定は隠蔽又は仮装の行為者を納税者本人に限定しているものとは解されない。そのことは、学説、判例においても容認されている。
(2)問題は、その行為者の範囲である。法人税に関しては、従前の裁判例によると、役員等の要職に就いている者が不正工作を行ったときには、当該重加算税の賦課決定を適法と認める裁判例は多い(注15)。これは、役員等は、通常、会社業務の執行者であることから、当該役員等の不正工作は会社代表者の行為と同視されるからであると解されている。
 しかしながら、役員等以外の従業員等が不正工作を行ったときは、その事案の事実関係によって判断が分かれるところである。このような場合には、当該従業員の地位やその状況(納税者と同一利害集団に属するか否か等)によって判断すべきとする見解(注16)も有力である。また、役員又は従業員が不正工作を行った場合であっても、それが会社の利益に反し自己の利益のみに横領等をしたときであって、結果的に当該法人に過少申告等が生じた場合に問題は一層紛糾することになる。

4 各争点に対する本判決の判断と問題点
(1)本件においては、不動産の売買等を目的とするXの本件各土地の売買につき、それを主宰していた当時の常務取締役Oが、当該売上の一部2億6350万円詐取(横領)し、結果的にXの売上計上漏れが生じたところ、査察部門による本件犯則調査が実施され、その直後にXによる本件修正申告が行われたことに対し、重加算税を課す旨の本件賦課決定が行われたため、当該決定の適否が争われたというものである。具体的な争点は、本件犯則調査が通則法65条5項にいう「調査」に当たるか、本件修正申告が「調査があったことにより……更正があるべきことを予知してされたものでないとき」に当たるか、Xが「隠蔽し、又は仮装し」本件確定申告をしたことに当たるか、等にあった。
 本判決は、前述のように、本件犯則調査も通則法65条5項にいう「調査」に当たる、本件修正申告が「更正があるべきことを予知してされたものでないとき」に当たらない、Oの不正工作はXの行為と同視し得るから、本件賦課決定は適法である、等を判示して、いずれもXの請求を棄却している。
(2)本判決の結論自体については、前記1から3までの検討に照らし、然程問題がないようにも考えられる。しかしながら、その背景には幾つかの問題点を指摘できる。すなわち、犯則調査と「調査」との関係については、前記で述べたように、第11章以外の通則法上の意義を前掲大阪地裁昭和45年9月22日判決が判示するように「……思考、判断を含むきわめて包括的な概念である」と解すれば、当該「調査」には犯則調査も含まれることになる。ただし、第11章が設けられたことにより犯則調査と課税調査との区分を要することになったため、通則法74条の2第1項に定める「調査」のような犯則調査の除外規定を設けざるを得なくなったが、それは当該条項に限定して解釈(適用)すれば足りるはずである。
 また、「更正の予知」に関しては、本件犯則調査が「調査」に含まれる以上、Xは、本件犯則調査によって、客観的確実説がいう「……更正に至るべきことを認識」せざるを得なかったであろうから、本件修正申告が「更正があるべきことを予知してされたものでない」と主張することに無理があろう。
 次に、重加算税の賦課決定における「納税者」の範囲については、前記3で述べた従前の裁判例に照らすと、本件においてXの営業を主宰していた常務取締役Oが行った不正工作はXが行ったものと同視されることになろう。ただし、本件においては、Oは、Xの過少申告に加担するために不正工作(売上除外)をしたわけではなく、自己の利益のために(Xを害するために)Xの売上の一部を詐取(横領)したのであるから、Oが常務取締役であったからと言って即Xの不正工作と同視することには疑問が残る(XとOとは、同一利害関係に属していない)。しかも、本件においては、OがXの売上の一部を詐取(横領)した段階では、確かに、Xの売上の計上漏れが生じているが、その時点では、当該金額の横領損失という損金が生じることになるから、過少申告は生じないことになる。ただし、その段階において、Xは、Oに対し損害賠償請求権が生じることになるが、当該請求権を即益金の額に算入すべきか否かについて裁判例も分かれているところでもあるので(注17)、なお検討を要する課題である。
(注1)平成23年改正前の所得税法234条2項、法人税法156条、相続税法60条4項、消費税法62条6項等参照。
(注2)これらの関係の詳細については、品川芳宣「現代税制の現状と課題 租税手続編」(新日本法規 平成29年)143頁、同「国税通則法の理論と実務」(ぎょうせい 平成29年)137頁等参照。
(注3)本判決の評釈については、笹倉宏紀・別冊ジュリストNo.207(租税判例百選(第五版))230頁参照。
(注4)前出(注2)各書参照。
(注5)最高裁昭和47年11月22日大法廷判決(刑集26巻9号554頁)、最高裁昭和48年7月10日第三小法廷決定(刑集27巻7号1205頁)、大阪地裁昭和51年3月30日判決(税資88号179頁)、最高裁昭和63年3月31日第一小法廷判決(同163号1122頁)、名古屋地裁平成4年12月24日判決(同193号1059頁)等参照。
(注6)前出(注2)各書参照。
(注7)平成23年の通則法改正と翌24年の調査通達の内容を批判的に論じたものとして、品川芳宣「「国税通則法」を改称するな!」税理士新聞平成23年7月15日号4頁、同「国税通則法の改正案の問題点とあるべき方向(上)、(下)」税務事例平成23年11月号11頁、同平成23年12月号9頁、同「納税環境整備(税務調査手続、理由附記の法制化)の問題点」税経通信平成23年3月号17頁、同「国税通則法改正後の税務調査手続等の問題点」税経通信平成25年4月号17頁等参照。
(注8)東京高裁昭和61年6月23日判決(税資152号419頁)、神戸地裁昭和58年8月29日判決(同133号521頁)、東京地裁平成7年3月28日判決(同208号1015頁)、東京高裁平成7年11月27日判決(同214号504頁)、最高裁平成11年6月10日第一小法廷判決(判例時報1686号50頁)等参照。
(注9)「更正の予知」の解釈論の詳細については、前出(注2)「国税通則法の理論と実務」265頁、品川芳宣「附帯税の事例研究 第四版」(財経詳報社 平成24年)149頁以下等参照。
(注10)「平成28年版 改正税法のすべて」(大蔵財務協会 平成28年)874頁参照。
(注11)前出(注10)873頁。
(注12)前出(注7)各書参照。
(注13)その問題については、紙幅の都合別稿に譲る。
(注14)これらの問題の詳細については、前出(注9)「国税通則法の理論と実務」296頁、同「附帯税の事例研究」317頁等参照。
(注15)静岡地裁昭和44年11月28日判決(税資57号607頁)、東京地裁昭和55年12月22日判決(同115号882頁)、東京高裁昭和57年9月28日判決(同127号1068頁)等参照。
(注16)武田昌輔「使用人等による不正行為と租税逋脱に関する若干の考察」(税理30巻5号5頁)等参照。
(注17)損害賠償請求権を取得(発生)した段階で益金の額に算入できるとした裁判例として、横浜地裁昭和40年4月8日判決(税資41号313頁)、東京高裁昭和40年10月13日判決(同41号1077頁)、最高裁昭和43年10月17日第一小法廷判決(同53号659頁)等を、そうではないとした裁判例として、東京高裁昭和54年10月30日判決(同109号127頁)、最高裁昭和60年3月14日第一小法廷判決(同144号546頁)等を参照。

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