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税務ニュース2021年09月17日 TPR事件後重要性増す事業継続の当否(2021年9月20日号・№898) 審判所では、営利性、有償性、反復継続など求める裁決

  • TPR事件の判決以後、何をもって「事業を継続している」と言えるかの判断の重要性高まる。
  • 裁決では、「営利性」「有償性」「反復継続」など求める。

 ヤフー・IDCF事件に続く法人税法132条の2の適用事案であるTPR事件では、「完全支配関係下の適格合併にも、組織再編税制の基本的な考え方から事業の継続が想定されている」との判示とともに国の勝訴が確定している(令和3年1月15日付 TPRの上告棄却決定)。この判決を機に、組織再編税制実務上、何をもって「事業が継続している」と言えるのかの判断の重要性が高まっている。事業継続が難しくなった100%子会社を吸収合併するという経営判断は一般的に見受けられるものだからだ。
 現在まさにこの点を最大の争点として、PGMプロパティーズが東京地裁で係争中であることは既報の通りだが(本誌883号4頁参照)、その裁決では、57億円の繰越欠損金を有していた被合併法人(PGPAH6社)は「事業を行ってない」との判断が示されている。事業継続性が問題となったのは、PGPAH6社のGood部分(ゴルフ場)を分社型分割した後存続したBad部分だが、国税不服審判所はPGPAH6社が事業を行ってない根拠として次のようなものを挙げている。

・分社型分割後に計上された収益は、平成22年4月〜23年12月の間の本件簿外債務に係る補償金にとどまる。
・当該収益に係る業務内容は、連絡書面の送付と2回の協議にとどまる。
・以上からすると、本件簿外債務への対応という行為は、営利性、有償性がなく、また、反復継続して遂行するような、社会通念上の事業とは認められない。
・本件管理運営業務委託契約に基づく業務についても、具体的な業務形態が不明であるばかりか、業務報酬等の支払はなく、業務の遂行状況を具体的に確認できる業務報告書の提出もないことから、同契約に係る業務が行われていたとは認められない。
・平成24年1月以降、収益計上がない。
・分社型分割後のPGPAH6は「休眠会社」であり、そもそも事業を行っていないため、引き継ぐ事業は存在せず、適格合併の要件である事業継続要件を満たさないとの記載された社内文書が存在している。

 組織再編税制実務の安定化のためにも、本件を通じ、何をもって「事業を行って(継続して)いる」と言えるか、実務に資する判断基準が示されることが期待される。

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