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税務ニュース2022年05月27日 総則6項最高裁判決の他税目への影響は(2022年5月30日号・№932) 合理的な理由あっても通達から離れた処分は信義則違反となる可能性

  • 総則6項適用事案に対する最高裁判決の判示内容が他税目に及ぼす影響を懸念する声。
  • 総則6項のように通達から離れた課税処分を可能とする定めが存在しない通達の場合、通達と異なる内容の課税処分は信義則違反として違法となる可能性。

 既報の通り(本誌928号、931号参照)、不動産の相続税評価を巡り財産評価基本通達(以下、財基通)に基づく評価額が総則6項により処分行政庁に否定された事案の最高裁判決(令和4年4月19日)では納税者側の敗訴が確定したが、本判決の大きな意義の一つは、最高裁が、課税処分の評価額が相続税法22条の時価(客観的な交換価値)を上回らない場合には、財基通が画一的に適用されているという「公知の事実」があっても、合理的な理由があれば財基通に基づく評価額と異なる処分も許される、という一般論を“初めて”判示した点だ。
 この判示に対し実務家からは、他税目においても国税当局が「合理的な理由」を捻りだせば通達を離れた課税ができるのではないかとの懸念の声が聞かれる。しかし、当然ながら通達と異なる内容の課税処分が法令解釈を誤ったものである場合には課税処分は違法となる。加えて問題になるのが、税法上の信義則(42頁参照)との関係だ。一般に通達は「信頼対象となる公的見解」とされており、国税当局が通達と異なる内容の課税処分を行えば、仮にその課税処分が正しい法令解釈に基づくものであっても、税法上の信義則違反として違法となる可能性が高い。
 今回の最高裁判決でこの税法上の信義則違反が問題となっていないのは、財基通では総則6項により同通達が定める評価によらない評価が明示的に認められているため、同通達に定める評価方式が「信頼対象となる公的見解」であるとまでは言えないからではないかと考えられる。つまり、今回の最高裁判決は、通達と異なる内容の処分について、正しい法令解釈に基づくものであり、かつ、税法上の信義則違反の問題が生じない場合であっても、通達が画一的に適用されているという「公知の事実」がある場合には、税法上の平等原則に基づき課税処分が違法となることがある、ということを判示したものと言える。裏を返せば、総則6項のような明示的な規定がない場合、通達と異なる内容の課税処分は、仮に正しい法令解釈に基づくものであっても、税法上の信義則違反として違法となりかねない。結論として、今回の最高裁判決の上記判示内容は、基本的には総則6項がある財基通特有の問題と言えよう。

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