カートの中身空

会計ニュース2022年10月21日 自己割当ての暗号資産は会計処理せず(2022年10月24日号・№951) ASBJ、税制改正要望を踏まえ暗号資産の会計上の取扱いに見解

  • 令和5年度税制改正要望の暗号資産の期末時価評価課税の見直しに関し、企業会計基準委員会は、暗号資産の発行者が発行時に自身に割り当てた暗号資産の会計上の取扱いについて見解を示す方針。
  • 発行による対価を受領しておらず、内部取引と考えられるものは、第三者との取引が生じるまでは資産及び負債を認識せず。

 内国法人が有する暗号資産(活発な市場が存在するもの)は、税務上、期末に時価評価し、評価損益は課税の対象とされている。しかし、この取扱いは、キャッシュ・フローを伴う実現利益がない中で継続して保有される暗号資産についても課税を求めるものであり、国内においてブロックチェーン技術を活用した起業や事業開発を阻害する要因として指摘されている。このため、経済産業省及び金融庁は、令和5年度税制改正要望において、法人が発行した暗号資産のうち、当該法人以外の者に割り当てられることなく、当該法人が継続保有しているものは、期末時価評価課税の対象外とすべきとしている(今号4頁参照)。
 一方、会計上の取扱いに関しては、企業会計基準委員会が「資金決済法における暗号資産の会計処理等に関する当面の取扱い」を公表しているが、自己の発行した資金決済法に規定する暗号資産は対象外となっている。このため、会計上、暗号資産の発行者が発行時に自身に割り当てた暗号資産の会計上の取扱いに関する定めはない。
 この点、企業会計基準委員会には、会計上の取扱いをどのように考えているのか質問が寄せられている。同委員会が今年3月に公表した「資金決済法上の暗号資産又は金融商品取引法上の電子記録移転権利に該当するICOトークンの発行及び保有に係る会計処理に関する論点の整理」では、「発行時に自己に割り当てたICOトークンについては、第三者が介在していない内部取引に該当するとして、会計処理の対象としないことが考えられる」との見解を示しており、論点整理に寄せられた多くのコメントもこの見解に同意するものであった。
 したがって、企業会計基準委員会では、暗号資産の発行者が発行時に自身に割り当てた暗号資産(※発行者が暗号資産を生成し、そのうち一部を第三者に販売した場合に、残りを発行者自身が保有し、いまだ移転していないものを想定)のうち、発行による対価を受領しておらず内部取引と考えられるものは、第三者との取引が生じるまでは資産及び負債を認識しない取扱いが考えられるとしており、今後、議事概要としてホームページに公表する予定としている。

当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。

週刊T&Amaster 年間購読

お申し込み

新日本法規WEB会員

試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。

週刊T&Amaster無料試読申し込みはこちら

人気記事

人気商品

  • footer_購読者専用ダウンロードサービス
  • footer_法苑WEB
  • footer_裁判官検索