税務ニュース2022年11月02日 政府税調、悪質な納税者への罰則強化を 納税者環境整備に関する専門家会合が開催

　政府税制調査会は10月28日、「第9回納税環境整備に関する専門家会合」（座長・岡村忠生京都大学法学系（大学院法学研究科）教授）を開催した。会合では、高齢者などの個別サポートを必要とする納税者への対応や、税に対する公平感を大きく損なうような行為への対応について、日税連や国税庁からの説明後、委員間で意見交換を行った。
　国税庁は、令和2事務年度における所得税、法人税及び消費税の調査件数を示したほか、調査事例として調査の接触を一切拒否された事例や、調査時に資料の提示・提出を拒否・遅延された事例等を紹介。委員からは「けん制措置の強化を図るべき」「対価を得た第三者が加担して不正書類を作成することも考えられる。新たな制裁を考案する際は第三者も対象とする必要がある」といった意見のほか、「仮装隠蔽には厳しく対処すべきだが、安易に重加算税を適用しないようにすべき」などの慎重論も見られた。