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解説記事2023年01月16日 最新判決研究 同族関係者間で非上場株式を発行会社を介在して売買した場合の課税関係(2023年1月16日号・№962)

最新判決研究
同族関係者間で非上場株式を発行会社を介在して売買した場合の課税関係
東京地裁令和4年2月14日判決(平成30年(行ウ)第389号、第400号、第401号)
 筑波大学名誉教授・弁護士 品川芳宣

一、事実

(1)X社(原告)は、平成25年8月22日、自社株式をX1(原告、X社前取締役Aの妻)から5373株、X2(原告、X1とAの長男)から1670株、訴外甲(X1とAの長女)から265株、及び訴外乙(X1とAの次女)から190株、合計7498株(以下「本件株式」という。)を1株当たり3000円で譲り受けた上で(以下、これらの取引を「本件取引1等」といい、X1及びX2に係るものを「本件取引1」といい、X1に係るものを「本件取引1(X1分)」といい、X2に係るものを「本件取引1(X2分)」という。)、X3(原告、X社の代表取締役、X社の前代表取締役Bの長男、BはAの兄)に対し、本件株式を1株当たり3000円で譲渡した(この取引を以下「本件取引2」という。)。X1、X2、甲及び乙(以下「X1ら」という。)は、上記各株式を平成25年4月15日にAが死亡したことにより相続(以下「訴外相続」という。)により取得したものである。また、X1らは、平成25年分所得税について、本件取引1等について上記の譲渡価額を基にして、配当所得等を確定申告した(なお、X1、X2、X3及びX社を以下「Xら」という。)。
(2)これに対し、所轄税務署長1は、平成29年6月2日、X1に対し、平成25年分所得税につき、本件取引1(X1分)に係る譲渡所得金額を所得税法59条を適用して、本件株式の1株当たりの価額を1万6567円と算定して更正及び過少申告加算税の賦課決定(以下「本件更正等(X1分)」という。)をした(以下「第1事件」という。)。また、所轄税務署長1は、同日、X2に対しても、平成25年分所得税につき、同様に、更正及び賦課決定(以下「本件更正等(X2分)」という。)をした(以下「第2事件」という。)。
 更に、所轄税務署長1は、平成29年5月9日、本件取引2に関し、X3の平成25年分所得税につき、本件株式を廉価で取得したことによって享受した経済的利益が給与所得に当たるとする更正及び賦課決定(以下「本件更正等(X3分)」という。)をした。そして、所轄税務署長2は、平成29年5月9日、X社に対し、上記X3に対する経済的利益の供与による給与所得に係る源泉所得税の納税の告知と不納付加算税の賦課決定(以下「本件納税告知等」という。)をした。
 Xらは、上記各処分を不服として、前審手続を経て、国(被告)に対し、上記各処分の取り消しを求めて、本訴を提起した。

二、争点及び当事者の主張

1 争点
(1)本件取引1が所得税法59条1項2号所定の「著しく低い価額の対価として政令で定める額による譲渡」に該当するか(争点①)
(2)本件取引2によって享受した経済的利益が所得税法28条1項所定の「給与等」に該当するか(争点②)
(3)本件取引1及び2に係る意思表示が錯誤無効であるか否か(争点③)

2 国の主張
(1)本件取引1についてみると、X1及びX2は、いずれも財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)188の(1)所定の「同族株主」に該当するものの、X1及びX2並びにその直系血族等である訴外甲及び乙の有する議決権の合計数が、X社の議決権総数の約24.7%にとどまることが認められるから、いずれも評価通達188の(2)所定の「中心的な同族株主」には該当しないことになる。そのため、評価通達178所定の「大会社」、「中会社」又は「小会社」のいずれに該当するかを判定するに当たって、所得税基本通達(以下「基本通達」という。)59−6の(2)の規定が適用されることはない。そこで、評価通達178の規定によって判定すると、X社は、評価通達178所定の「中会社」に該当するものと認められる。これを前提として、評価通達178から189−7までに定める例によって本件取引1の時における価額を算定すると、1株当たり1万6567円になるから、この金額をもって、所得税法59条1項所定の「その時における価額」と認めるのが相当である。また、X1らが主張する資本等取引の概念は、法人税法上のものにとどまるから、その相手方である個人の所得税等には関係がないものといえる。
(2)本件取引2の対価の額がその時における価額を下回るものであった場合には、X3は、X社から、その差額に相当する経済的な利益を享受していたことになるところ、この経済的な利益は、X3がX社の代表取締役としての地位に基づく労務の対価として享受したものであるから、所得税法28条1項所定の「給与等」に該当するものと認められる。そのため、当該場合には、X3については、それに係る給与所得に対する課税がされることになり、X社については、それに係る源泉徴収義務を負うことになる。
 ところで、基本通達36−36の規定等を踏まえると、この場合においても、取引相場のない株式の価額については、基本通達59−6に準じた一定の条件を付した上で、評価通達178から189−7までに定める例によって算定するのが合理的である。
 本件取引2についてみると、X3は、本件取引2によってX社の株式7498株を取得したものであるし、X3及びその直系血族である訴外母丙の有する議決権の合計数も、X社の議決権総数の50%超であったことなどが認められる。そのため、X3は、評価通達188の(1)所定の「同族株主」に該当するとともに、評価通達188の(2)所定の「中心的な同族株主」にも該当することになり、本件株式の1株当たり2万5633円になるから、この金額と実際の対価の額(1株当たり3000円)との差額(1株当たり2万2633円)をもって、所得税法33条1項所定の「金銭以外の物又は権利その他の経済的利益の価額」と認めるのが相当である。
(3)X3については、長年にわたりX社の代表取締役を務めていたものであり、その資産状況を十分に把握していたはずであるし、訴外Bからの訴外贈与に伴って提出された訴外贈与税申告書に、X社の株式の評価額が1株当たり1万3166円である旨が記載されていたことなども踏まえると、X3がX社の株式の価額を正しく認識することができなかったとする事情も見当たらない。
 また、X1及びX2についても、訴外相続税申告書に、X社の株式の評価額が1株当たり1万3778円である旨が記載されていたことなどを踏まえると、本件取引1及び2の時における価額と実際の対価の額との間に大差があることを認識していなかったとは考え難い。

3 X1及びX2の主張
(1)平成17年の会社法の制定等に伴って、自己株式が純資産の部の控除項目として区分されたことを受け、自己株式の取得については、資産の譲渡ではなく、いわゆる資本等取引として整理されることになった。そして、本件取引1は、X社が自己株式を取得したもので、ここでいう資本等取引として整理されるものであるところ、このような自己株式の取得においては、対価の額の多寡にかかわらず、株主と発行会社との間で、何らの利益も移転することはない。
 そうすると、自己株式の取得である本件取引1がされたとしても、対価の額の多寡にかかわらず、X1及びX2とX社との間では、何らの利益も移転していないことになるから、それをもって、X1及びX2がX社に対して資産の譲渡をしたとは認められないし、本件取引1により保有期間中の増加益が実現したとみなして株式等に係る譲渡所得等に対する課税の対象とすることは許されないというべきである。

4 X3及びX社の主張
(1)平成17年の会社法の制定等に伴って、自己株式が純資産の部の控除項目として区分されたことを受け、自己株式の処分については、資産の譲渡ではなく、いわゆる資本等取引として整理されることになった。そして、本件取引2は、X社が自己株式を処分したもので、ここでいう資本等取引として整理されるものであるところ、このような自己株式の処分においては、対価の額の多寡にかかわらず、発行会社と株式会社との間で、何らの利益も移転することはない。
(2)仮に本件取引2が廉価でされたものであり、その時における価額と実際の対価の額との差額に相当する経済的な利益があったとしても、X3の労務の対価であったとは考え難いから、それが所得税法28条1項所定の「給与等」に該当することはないというべきである。

5 Xらの主張
 本件取引1及び2の対価の額(1株当たり3000円)は、本件税理士の指導によって決定されたものであるところ、この本件税理士は、S税務署長等を歴任していた高名な税理士で、長年にわたりX社の顧問税理士又は監査役を務めていたものであったことから、X3及び訴外Bは、全幅の信頼を置いていた。また、X1及びX2は、いずれもX社の業務に関与していなかったが、訴外相続税申告書を提出するに当たって訴外Bから本件税理士を紹介された際に、その経歴等の自己紹介を受けており、本件税理士が高名な税理士であり、実務経験も豊富であると認識していた。そのため、X1、X2及びX3が、当該指導によって決定されたこの対価の額について疑問を差し挟む余地はなかったし、税負担の可能性、株主間の公平、事務負担等も踏まえた上で算定された適正な価額であると認識していた。加えて、X社の株式については、従前も1株当たり3000円で取引していたし、その点につき税務指導等を受けたこともなかったため、X3はもちろん、X1及びX2も、本件取引1及び2の対価の額(1株当たり3000円)が取引実績に合致するものであると認識していた。
 したがって、X1、X2及びX3が本件取引1及び2の時における価額について錯誤に陥っていたことは明らかであり、本件取引1及び2に係る意思表示は錯誤無効である。

三、判決要旨

請求棄却。
1 争点1(本件取引1の所得税法59条1項適用の可否)

(1)所得税法33条1項は、譲渡所得とは、資産の譲渡による所得をいう旨を規定しているところ、この譲渡所得に対する課税は、資産の値上がりによりその資産の所有者に帰属する増加益を所得として、その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会に、これを清算して課税する趣旨のものである(最高裁昭和47年12月26日第三小法廷判決・民集26巻10号2083頁等参照)。すなわち、譲渡所得に対する課税においては、資産の譲渡は課税の機会にすぎず、その時点において所有者である譲渡人の下で生じている増加益に対して課税されることとなるところ、所得税法59条1項は、同項各号に掲げる事由により譲渡所得の基因となる資産の移転があった場合に、当該資産についてその時点において生じている増加益の全部又は一部に対して課税することができなくなる事態を防止するため、譲渡所得等に係る総収入金額の計算に関する特例として、その計算については、「その時における価額」に相当する金額により資産の譲渡があったものとみなすこととしたものと解される(最高裁令和2年3月24日第三小法廷判決・裁判集民事263号63頁参照)。
 また、所得税法59条1項2号所定の「著しく低い価額の対価として政令で定める額による譲渡」に該当する場合には、同項の規定により、「その時における価額」に相当する金額により譲渡があったものとみなされることになるところ、ここでいう「その時における価額」とは、資産の譲渡の時における当該資産の客観的交換価値、すなわち、当該資産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいう。
(2)X社の株式が取引相場のない株式に該当するものであるところ、当該株式の客観的交換価値については、必ずしも一義的に確定することができるものではない。そこで、課税実務上、当該株式の価額については、基本通達59−6の規定において統一的な取扱いが設けられており、原則として、基本通達59−6所定の一定の条件を付した上で、評価通達178から189−7までに定める例によって算定することとされている。このような取扱いは、これによる評価方法が当該株式の客観的交換価値を算定する評価方法として一般的な合理性を有するものである限り、納税者間の公平、納税者の便宜、徴税費用の削減等の観点からみても、合理的であるし、これを全ての納税者に適用することは、実質的な税負担の公平を実現し、租税平等主義の原則にもかなうものといえる。そのため、その評価方法が当該株式の客観的交換価値を算定する評価方法として一般的な合理性を有するものであるときには、その評価方法によって算定された価額については、その評価方法によっては当該株式の客観的交換価値を適切に算定することができない特別の事情がある場合でない限り、当該株式の客観的交換価値を超えるものではないと推認するのが相当であるし、その金額をもって、所得税法59条1項所定の「その時における価額」と認めることができるものと解される。
(3)本件で問題になる譲渡所得に対する課税は、前記で述べたように、所有者である譲渡人の下で生じている増加益に対して課税する趣旨のものであるから、その課税の場面においては、譲受人ではなく、当該譲渡人の評価会社への支配力に着目して評価すべきものと解される。そのため、その課税の場面においては、相続税等の課税の場面を前提とする評価通達の規定をそのまま用いることはできず、その差異等に応じた取扱いが必要になる。このような観点から、基本通達59−6は、取引相場のない株式の価額につき、基本通達59−6所定の一定の条件、すなわち、評価通達188の(1)所定の「同族株主」に該当するか否かは株式を譲渡又は贈与した個人の当該譲渡又は贈与直前の議決権の数により判定する旨などの条件を付した上で、評価通達178から189−7までに定める例によって算定する旨を規定したものと解されるし、その他の具体的な内容等をみても、一般的な合理性に欠けるところがあるとする事情は見当たらない。
 そこで、所得税基本通達59−6の定めにより、評価通達178〜189−7までに定める例によって本件取引1の時における価額を算定すると、1株当たり1万6567円となるところ、それを否定する特別の事情も認められないから、その金額をもって、所得税法59条1項所定の「その時における価額」と認められる。
(4)これに対し、X1及びX2は、本件取引1については、X社の自己株式取得という資本等取引として整理されるものである等主張する。しかしながら、譲渡所得に対する課税は、資産の値上がりによりその資産の所有者に帰属する増加益を所得として、その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会に、これを清算して課税する趣旨のものであるところ、ここでいう所得税法33条1項所定の「資産」は、譲渡性を有する財産権で譲渡所得の基因となり得るものを広く含む概念であり、同項所定の「譲渡」も、その資産を移転させる一切の行為をいうものと解されるから、本件取引1がこれに該当することは明らかである。また、X1及びX2の主張する資本等取引の概念は、法人税法上のものにとどまるし、ある発行会社が自己株式を取得した場合であっても、その相手方である個人からみれば、保有期間中の増加益を観念することができ、当該株式が自らの支配を離れて他に移転することにも変わりはないため、上記の趣旨が妥当するものと解される。その上、上記の趣旨からも明らかなように、譲渡所得に対する課税は、譲渡人と譲受人との間で移転した利益を捉えて課税する趣旨のものではないから、この点に関するX1及びX2の主張は、その前提を欠くものといえる。

2 争点2(本件取引2によって享受した経済的利益の給与所得該当性)
(1)所得税法36条2項は、同条1項所定の「金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額」について、「当該物若しくは権利を取得し、又は当該利益を享受する時における価額」とする旨を規定しているところ、ここでいう「当該物若しくは権利を取得し、又は当該利益を享受する時における価額」とは、その取得又は享受の時における当該物又は権利その他経済的な利益の客観的交換価値をいうものと解される。そして、この点につき、基本通達36−36は、使用者が役員又は使用人に対して支給する有価証券については、その支給時の価額により評価するとした上で、この場合における支給時の価額は、基本通達23〜35共−9及び評価通達の第8章第2節の取扱いに準じて評価する旨を規定している。
 そこで、基本通達23〜35共−9の規定についてみると、基本通達23〜35共−9の(4)の定めによっては、X社の株式の価額を一義的に確定することは困難である。
(2)そこで、本件取引2についてみると、X3は、本件取引2によってX社の株式7498株を取得したものであるし、本件取引2の時においてX3及びその直系血族である訴外母丙の有する議決権の合計数は、X社の議決権総数の50%超であったことが認められる。そのため、X3は、評価通達188の(1)所定の「同族株主」に該当するとともに、評価通達188の(2)所定の「中心的な同族株主」にも該当することになるから、X社は、基本通達59−6の(2)に準じ、評価通達178所定の「小会社」に該当するものと認められる。これを前提として、評価通達178から189−7までに定める例によって本件取引2の時における価額を算定すると、1株当たり2万5633円になるところ、本件全証拠を精査しても、それを否定する特別の事情があるとする事情は見当たらないから、この金額と実際の対価の額(1株当たり3000円)との差額(1株当たり2万2633円)をもって、所得税法33条1項所定の「金銭以外の物又は権利その他の経済的利益の価額」と認めるのが相当である。
 そして、本件取引2については、X3がX社の代表取締役としての地位に基づいてX社からその株式を取得したものと認められるから、それによりX3が享受した上記差額に相当する経済的な利益についても、その地位に基づく労務の対価として支給されたものと解するのが相当であるし、その他に、本件全証拠を精査しても、これを覆すに足りる事情は見当たらない。そのため、この経済的な利益については、所得税法28条1項所定の「給与等」に該当するものと認められる。
(3)これに対し、X3及びX社は、本件取引2については、X社が自己株式を処分したもので、いわゆる資本等取引として整理されるものであるから、対価の額の多寡にかかわらず、X社とX3との間では、何らの利益も移転していない旨などを主張している。しかしながら、その資本等取引の概念は、法人税法上のものにとどまるし、ある発行会社が自己株式を処分した場合であっても、それが廉価でされたものであるときには、その相手方である個人に経済的な利益が生ずることは明らかである。また、本件において、X3が享受した前記差額に相当する経済的な利益は、X社が実際の対価の額を上回る客観的交換価値を有するX社の株式を処分し、X3に交付したことで生じたものであるから、X社が支給したものと評価することができる上、この経済的な利益が所得税法28条1項所定の「給与等」に該当するものと認められることは、前記で述べたとおりである。
(4)また、X3及びX社は、仮に自己株式の処分である本件取引2が廉価でされた場合には、これによる経済的な利益が他の株式を有する株主からX3に対して移転することになるが、この経済的な利益は、所得税法9条1項16号所定の「相続、遺贈又は個人からの贈与により取得するもの」に該当することから、これを所得税の課税の対象とすることはできないし、贈与税の課税の対象とすることが検討される旨なども主張している。
 しかしながら、この点に関する主張は、この経済的な利益が贈与税の課税の対象とされることを前提とするものと解されるが、ある発行会社が廉価で自己株式を処分した場合であっても、その相手方である個人が何らかの給付と引換えにそれを取得していたときには、当該個人に対して贈与税を課することはできないものと解される。そして、本件取引2により享受した経済的な利益につき、X3がX社の代表取締役としての地位に基づく労務の対価として享受したものであることは、前記のとおりであるから、これに対して贈与税を課することはできないし、この点に関するX3及びX社の主張は、その前提を欠くものといえる。

3 争点3(本件各取引における意思表示に錯誤無効の存否)
(1)X3については、前記前提事実のとおり、長年にわたって、X社の代表取締役を務めていたものであり、その資産状況を十分に把握していなかったとは考え難い上、訴外Bからの訴外贈与に伴って提出された訴外贈与税申告書やその添付資料である贈与契約書及び計算明細書にも、Xの株式の評価額が1株当たり1万3166円である旨が記載されていたことが認められるから、そのX3が当該株式の価額について1株当たり3000円にとどまるものと認識していたとは、にわかには信じ難いところである。また、前記前提事実の認定事実のとおり、本件税理士が、訴外贈与税申告書又は訴外相続税申告書では、1株当たり1万3166円又は1万3778円である旨を記載していたにもかかわらず、本件取引1及び2では、1株当たり3000円とするよう指導したことに鑑みると、本件税理士は、これによって税負担を圧縮することなどを意図していたものと推認するのが合理的であるところ、その本件税理士がX社の代表取締役であるX3に対して直接又は訴外Bを介してその点を一切説明していなかったとか、X3がその点に関する質問等を一切しなかったとすることにも、疑問を差し挟む余地があるというべきである。
(2)これに対し、X1及びX2については、いずれもX社の業務に関与していなかったもので、本件税理士との接点も乏しく、その株式の価額等について誤解していた可能性を否定し難いところではあるが、他方で、前記前提事実のとおり、本件取引1の前である平成25年7月4日に成立した訴外相続に係る遺産分割協議書には、X社の株式の評価額が1株当たり1万3778円である旨が記載され、同月5日に提出された訴外相続税申告書やその添付資料にも、その旨が記載されていたことが認められる上、訴外甲の供述によれば、これに記載された金額と本件取引1の対価の額とが一致していないことを認識していたことがうかがわれるから、X1及びX2が当該株式の価額について1株当たり3000円にとどまるものと認識していたとすることには、疑問を差し挟む余地があるというべきであるし、その他に、本件全証拠を精査しても、これを裏付けるに足りる事情までは見当たらない。
 また、所得税などのように、課税の対象が私法上の行為それ自体ではなく、私法上の行為により生じた経済的成果である場合には、その原因となる私法上の行為が無効であったとしても、現にその経済的成果がその無効に起因して失われない限り、それに係る課税をすることは妨げられないものと解されるところ、前記認定事実によれば、Xらが本件取引1及び2に係る意思表示の錯誤無効に基因してその対象とされたX社の株式の返還等をしたとする事情は見当たらない。そのため、仮に本件取引1及び2に係る意思表示が錯誤無効であるとしても、それにより生じた経済的成果がその無効に基因して失われたとは認められない。

四、解説

はじめに
 本件は、同族会社内の同族関係者間で、経営に関与しなくなった一族から経営に関与している一族に対して自社株式を譲渡するに当たり、当該同族会社(発行会社)を介在して売買(自己株式の取得と同株式の譲渡)した場合の課税関係が問題となったものである。この場合、譲渡した一族には、みなし配当課税とみなし譲渡課税が問題となるのか、発行会社(同族会社)には自己株式の取得・譲渡という資本取引ということで課税関係が生じないのか、譲受けた一族には経済的利益の給付ということで給与所得課税が問題になるのか、という各問題が生じることになり、当該自己株式の「価額」等が問題となる。
 また、当該発行会社にとっては、自己株式の取得・譲渡という資本剰余金の増減という資本取引であるから、そもそも所得課税が生じないから、当該自己株式の譲渡側及び譲受け側にも課税関係が生じないという見解もありそれが原告側の主張であるが、その当否も問題となる。
 なお、本訴においては、上記の自己株式の譲渡価額及び譲受け価額は信頼していた顧問税理士が算定したものであるから、当該売買取引において、原告側に意思表示の錯誤無効がある旨の主張についても審理されているが、当事者の主張と判決要旨の紹介に留めることとする。

1 発行会社を介在した自己株式売買の課税関係
(1)本件のように、同じ同族関係者間で、経営に関与していない一族から関与している一族に対して自己株式を移転する手法としては、直接贈与又は売買する方法もあるが、当該発行会社を介在させて、自己株式の取得・譲渡という手法も、実務上よく見られることである。この場合、まず、発行会社においては、自己株式の取得・譲渡ということで会社法等の企業会計上の会計処理が問題となる。この点、会社法では、株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする(同法431)としているほか、会社計算規則では、自己株式の取得価額を自己株式の額とする等と定め(同規則24①、②)、自己株式の消却を資本剰余金の減少項目としている(同規則24③)。
 また、金融商品取引法において「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」とされる「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」では、自己株式の取得原価をもって純資産の部の株主資本から控除する(同基準7)とされ、自己株式の処分差損益は、その他資本剰余金の増減項目とされている(同基準9、10)。これらの企業会計上の各規定に照らせば、会社法等の企業会計では、自己株式の取得・譲渡の各処分は、資本取引となり、損益を発生する余地はないことになる。
 また、法人税法では、原則として、資産の販売等による収益の額が益金の額を構成し、原価、費用及び損失の額が損金の額を構成することになっているが、いずれも「資産等取引」に係るものは除外されている(法法22②、③)。そして、「資本等取引」とは、「法人の資本金等の額の増加又は減少を生ずる取引並びに法人が行う利益又は剰余金の分配(〈略〉)及び残余財産の分配又は引渡しをいう。」(法法22⑤)ことになる。そのほか、法人税法22条4項は、法人の損益計算において、「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」に従うべきことを定めている。そのため、法人税法においても、自己株式の取得・処分(譲渡)において損益を認識する余地はないことになる。
 このような発行会社における自己株式に係る会計処理を考慮すると、当該株式の取得先や処分(譲渡)先の株主等に対しても課税関係を生じさせるべきではない、という見解もあり得るところ、それが、本件におけるXらの本件各更正等を違法であるとする主張の論拠の一つとなっている。
(2)次に、発行会社にとっての自己株式の取得及び譲渡の相手先が個人株主又は当該会社の役員である場合には、当該個人の課税関係が問題となる。まず、譲渡する側においては、所得税に係るみなし配当課税と譲渡所得課税が問題となる。みなし配当課税については、法人の株主等が当該法人の自己株式の取得により金銭その他の資産の交付を受けた場合において、その金銭の額及び金銭以外の資産の価額が当該法人の資本金等の額のうちその基因となった当該株式に対応する部分を超えるときには、その超える部分の金額が配当所得とみなされる(所法25①)。そして、本件の場合は、X1らが取得した1株当たり3000円を基礎として配当所得の金額が算定されることになるが、これについては当事者間に争いがない。この場合、当該譲渡(取得)価額が適正で行われていれば、このみなし配当課税のみで当該個人株主の課税関係は終了する。
 他方、譲渡所得課税については、みなし配当のように譲渡人が受領した実際の金額に基づいて譲渡所得金額が算定されるわけではなく、所得税法59条1項の定めにより、法人に対し著しく低い価額で譲渡したときには、当該資産の「その時における価額」によって譲渡があったものとみなされ、更に、租税特別措置法(以下「措置法」という。)37条の10第1項に、株式等を譲渡した場合の課税特例が設けられている(注1)。
 また、自己株式の譲受け人側においては、本件のように、発行法人が自己株式を取得した当日に譲渡が行われ、かつ、譲受人が役員である場合には、その譲渡価額が低額であれば、本件のような給与所得課税が問題となり、当該経済的利益が役務の対価ではなく法人からの贈与であれば、一時所得課税が問題となる。しかし、発行法人の自己株式の低額取得のみが行われた場合又は当該低額譲渡から当該自己株式の譲渡までに相当の期間が離れている場合には、当該取得段階において、譲渡株主以外の株主に対して、X3らが主張するみなし贈与課税(相法9参照)の問題が生じることになろう(注2)。

2 みなし譲渡課税とその時の「価額」
(1)所得税法上の譲渡所得の金額は、原則として、その年において実際に収入すべき金額を基にして算定される(所法33③、36①)。しかし、上記規定の別段の定めとして、所得税法59条1項は、次に掲げる事由により譲渡所得の基因となる資産の移転があった場合には、譲渡所得の金額の計算につき、その事由が生じた時に、その時における価額に相当する金額により、これらの資産の譲渡があったものとみなしている(注3)。
① 贈与(法人に対するものに限る。)又は相続(限定承認に係るものに限る。)若しくは遺贈(法人に対するもの及び個人に対する包括遺贈のうち限定承認に係るものに限る。)
② 著しく低い価額の対価として政令で定める額による譲渡(法人に対するものに限る。)
 上記②については、所得税法施行令169条が、「譲渡所得の基因となる資産の譲渡の時における価額の2分の1に満たない金額とする。」と定めている。
 また、居住者等が株式等を譲渡した場合には、所得税法上の総合課税ではなく、措置法37条の10の規定により、申告分離課税が適用されるが、その場合の譲渡所得金額の計算における当該株式の譲渡価額は、当該株式の「その時の価額」を基に算定され、「その時の価額」は基本通達59−6の規定が準用されることになる(平成27年改正前の措置法関係通達37の10−27等参照)。そして、本件のように個人の株主が発行会社に自己株式を譲渡した場合には、当該株主が実際に受領した金額が配当所得に係る収入金額の基礎となり、当該株式の「その時の価額」と実際に受領した金額との差額が譲渡所得の金額に係る総収入金額の基礎になる。
(2)所得税法においては、前述の無償又は低額の取引のみではなく、後述する現物給付のような経済的利益の供与等において、当該資産等のその時の「価額」の意義が問題となるが、その「価額」の意義については、一般的に、「不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額」すなわち「客観的交換価値」であると解されている。しかし、客観的交換価値自体が不明確であることもあって、実務では、特別の事情がない限り、所得税基本通達の定めによって評価されている。
 そして、基本通達23〜35共−9(4)は、非上場株式の価額について、次のように定めている。
① 売買実例のあるもの 最近において売買の行われたもののうち適正と認められる価額
② 公開途上にある株式 公募等の価格等を参酌して通常取引されると認められる価額
③ 類似法人の株式の価額のあるもの 当該価額に比準して推定した価額
④ ①から③までに該当しないもの 発行法人の1株当たりの純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額
 上記の取扱いは、当該非上場株式の実態に応じて可能な限り「通常取引されると認められる価額」によって評価しようとしているのであるが、それも困難な場合には、所得税法59条の適用に関して、基本通達59−6が次のように定めている。すなわち、同通達は、「その時における価額」を基本通達23〜35共−9に準じて算定した価額によることを原則とした上で、「この場合、23〜35共−9(4)二(編注=前記④)に定める「1株又は1口当たりの純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額」については、原則として、次によることを条件に、(編注=評価通達)の178から189−7まで(〈略〉)の例により算定した価額とする。」と定めている。その条件は、次のとおりである。
① 評価通達178から189−7までに定める同族株主等の判定における「取得した株式」とあるのは「譲渡又は贈与した株式」それぞれ読み替えること。
② 当該株式の価額につき評価通達179の例により算定する場合において、当該株式を譲渡又は贈与直前に当該株式の発行会社にとって同通達188の(2)に定める「中心的な同族株主」に該当するときは、当該発行会社は常に同通達178に定める「小会社」に該当するものとしてその例によること。
③ 当該株式の発行会社が土地等又は上場有価証券を有しているときは、1株当たりの純資産価額の計算に当たり、これらの資産については、当該譲渡又は贈与の時における価額によること。
④ 評価通達185に定める1株当たりの純資産価額の計算に当たり、評価差額に対する法人税額等相当額を控除しないこと。

3 現物給付の給与所得課税とその時の「価額」
(1)本件のように、会社の代表取締役が当該会社から資産を低額で譲り受けた場合には、当該経済的利益の所得の種類とその価額が問題となる。これらの点につき、まず、所得の種類につき、所得税法28条1項は、「給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与」と定めているので、経済的利益の給付が「これらの性質を有する給与」に該当しなければ、当該経済的利益は、一時所得(所法34)又は雑所得(所法35)として課税されることになる。しかし、会社役員が当該会社から経済的利益の給付を受けた場合には、特段の事情がない限り、給与所得と認定されることになる。
 また、当該各所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、「別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもって収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)」(所法36①)とされる。そして、この場合の「金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額は、当該物若しくは権利を取得し、又は当該利益を享受する時における価額」(所法36②)とされる。これらの場合においても、その時における「価額」の解釈(評価)が最も問題となり、前記2で述べたように、基本通達の取扱いが問題となる。
(2)まず、基本通達36−36は、「使用者が役員又は使用人に対して支給する有価証券(〈略〉)については、その支給時の価額により評価する。この場合における支給時の価額については、23〜35共−9及び(編注=評価通達)の第8章第2節(公社債)の取扱いに準じて評価する。」と定めている。この場合、評価通達の第8章第2節は、専ら、公社債の評価方法を定めたものであるので、本件においては直接関係はない。よって、役員等が勤務会社から取得した有価証券の価額の評価は、基本通達23〜35共−9の定めによるのであるが、非上場株式に係る同通達(4)の取扱いについては、前記2において既に述べた。そして、本件取引2のような給与所得課税における非上場株式の価額についても、同通達(4)二に定める「1株当たりの純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額」を算定することは実務的に困難である。
 そこで、本件取引2のような給与所得課税についても、本来、所得税法59条に係る「価額」の解釈に定められている前記の基本通達59−6の取扱いが準用できないかが問題となる。この点については、法人税について、課税上弊害がない限り、評価通達の準用を広く認めていること(法基通4−1−6、9−1−14参照)等に照らせば、給与所得課税についても、評価通達の準用が認められるものと解される。ただし、基本通達59−6が、譲渡所得課税のため、当該株式の譲渡段階で「同族株主」等の判定しているところであるが、給与所得課税については、相続税及び贈与税と同様に取得課税であるが故に、評価通達の本則どおり、取得段階で「同族株主」等の判定が行われるべきと考えられる。

4 本件における課税関係とその時の「価額」
(1)本件取引1においては、X1及びX2が、X社に対して、同社株式を1株当たり3000円で譲渡したというものである。したがって、前記1で述べたように、X社自身の法人税の問題のほか、X社の自己株式取得に係るX1らの配当所得の金額が、実際の売買価額の1株当たり3000円を基にして算定され、所得税法59条1項適用による譲渡所得の金額が当該株式の「価額」から上記3000円を控除した金額を基に算定されることになる。
 また、当該株式の「価額」は、基本通達59−6の定めに従い、評価通達178から189−7までに定める例によって算定すると、次のとおりとなる。すなわち、X1及びX2は、本件取引1の直前において、評価通達188(1)所定の「同族株主」に該当するものの、X1及びX2並びに訴外甲及び乙の有する議決権の合計数(7498株)が、X社の議決権総数の約24.7%にとどまることが認められるから、いずれも評価通達188の(2)所定の「中心的な同族株主」には該当しないことになる。そして、X社の業種が卸売業であること、純資産価額が7000万円以上20億円未満であること、従業員数が5人超1000人未満であること、平成25年7月期末以前1年間における取引金額が2億円以上80億円未満であることなどが認められるから、X社は、評価通達178所定の「中会社」に該当し、これを前提にして、評価通達178から189−7までの定める例によって本件株式の1株当たりの「価額」を算定すると、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式により、かつ、Lの割合が0.75となるので、本判決判示のとおり1株当たり1万6567円になる。
(2)他方、本件取引2においては、X社の代表取締役であるX3が、X社が本件株式を取得した当日に同社から本件株式を1株当たり3000円で譲り受けたというのであるから、「特段の事情」がない限り、X3にとっての本件株式の1株当たりの「価額」と取得価額1株当たり3000円との差額に本件株式数7498株を乗じた金額が給与所得の金額となる。そして、本件においては、上記のような特段の事情は見当たらない。
 かくして、X3は、本件取引によってX社の株式7498株を取得したところ、その時点において、X3及びその直系血族である訴外母丙の有する議決権の合計数がX社の議決権総数の50%超であったというのであるから、X3は、評価通達188の(1)所定の「同族株主」に該当することになるとともに評価通達188の(2)所定の「中心的な同族株主」にも該当することになる。そのため、X社は、基本通達59−6の(2)に準じ、評価通達178所定の「小会社」に該当することになる。そのため、前述のLの割合は0.5になる。これを前提にして、X3が取得した本件株式の1株当たりの価額を算定すると、本判決判示のとおり、1株当たり2万5633円となる。

5 本判決の意義と問題点
 以上のように本件は、同族会社の同族関係者間において、経営に関与しなくなった一族から経営に関与している一族(当該同族会社の代表取締役)に対して、当該自社株式を売買するに当たって、当該同族会社を介在して、譲渡・譲受けが行われた場合の課税関係が問題となったものである。この場合、通常であれば、同族会社に対する譲渡価額が適正(関係通達の取扱いどおり)に算定されて、譲渡人側には、みなし配当課税で課税関係が終了することになる(当該自己株式を消却すれば、X3の支配関係が強まることになる。)。しかし、本件においては、1株当たりの価額が通達上の1万6567円を大幅に下回る3000円で行われ、かつ、その3000円で当該会社の代表取締役が譲り受けたということで、課税関係とそれぞれの1株当たりの評価額を複雑にしたものである。その複雑化した課税関係等を明確にしたという点では、本判決は、実務に大いに参考になるものと考えられる。
 また、本件においては、顧問税理士が本件株式の1株当たりの価額を3000円と算定しているのであるが、当該売買の直前においては、X1らの父Aの相続に係る相続税において1株当たり1万3778円と算定されていること等に鑑み理解に苦しむところがある(将来、これが原因で顧問税理士に対する損害賠償請求事件が提起される恐れもある。)。しかし、X1らの所得税額総額の多寡のみを考えれば、本件株式の適正額を算定していれば、当該適正額と1株当たりの資本金等の金額との差額全額が、みなし配当金額として最高55%の累進税率が適用されることになるが、本件のように、1株当たり3000円に止めておくと、当該3000円までが累進税率が適用され、それを超過する金額(1株当たり1万6567円−3000円)について約20%の分離課税が行われることになった。これは、いわば、「怪我の功名」なのかも知れないと、考えさせられるところである。
(注1)措置法37条の10は、居住者等が株式等を譲渡した場合には、当該株式等の譲渡による譲渡所得等について、所得税法上の関係各規定にかかわらず、他の所得と区分して、いわゆる申告分離方式により、株式等に係る課税譲渡所得等の金額の100分の15に相当する所得税を課する旨定めている(他に、地方税等の負担が生じる。)。
(注2)相続税法9条は、「対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で利益を受けた場合」には、幅広くみなし贈与課税を行う旨定めている。
(注3)このような規定が設けられた経緯、趣旨等については、品川芳宣「資産の無償譲渡をめぐる課税と徴収の交錯(1)」税理2004年1月号23頁等参照。

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