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プレミアム税務2020年01月17日 「非居住者認定」判決、国が上告を断念(2020年1月20日号・№819) 武富士事件の最高裁判示踏まえ客観的な認定ポイントを重視

  • 国内及び海外関連法人の業務に従事する納税者を「非居住者」と認定した東京高裁判決(本誌814号4頁参照)が、国の上告断念により確定。
  • 今後の実務における「居住者・非居住者」の認定は、より客観的な認定ポイント(滞在日数・職業活動の本拠)により判断することに。

 本件は所得税法上の「居住者・非居住者」の認定を争点とする事案だが、相続税法上の納税者の住所の認定を争点とする武富士事件の最高裁判決(平成23年2月18日判決)の影響を色濃く受けている。武富士事件で最高裁は、同事件を贈与税回避事案とみつつも、「住所であるか否かは、客観的に生活の本拠たる実体を具備しているか否かにより決すべきもの」と判示した上で、①滞在日数、②業務への従事状況などから、香港居宅に生活の本拠たる実体があるものと認定したところだ。
 本件においても、一審判決(本誌799号4頁参照)は「客観的に生活の本拠たる実体を具備しているか否かは、①滞在日数、住居、②職業、③生計を一にする配偶者その他の親族の居所、④資産の所在等を総合的に判断するのが相当である。」との住所の認定ポイントを判示した上で、シンガポール等への滞在の実態を背景に、「納税者の職業活動はシンガポールを本拠として行われていたものと認められる。」と判示。滞在日数としては、国内と海外拠点との比較で大差はないとした上で、職業の状況に着目し、「納税者の職業活動はシンガポールを本拠として行われていたものと認められる。」と認定した。
 また一審判決では、③生計を一にする配偶者その他の親族の居所、④資産の所在等、その他の事情については、「納税者の生活の本拠が日本にあったことを積極的に基礎付けるものとはいえない。」と判断。控訴審判決も一審の判断を引用し、課税庁の新たな主張を一蹴していた。 
 国の上告断念により確定した本件判決は、滞在の事実、職業といったより客観性のある認定ポイントを重視したものであり、武富士事件の最高裁判決の判示内容とも合致する。住所の認定に関する今後の租税実務も、武富士事件判決・本件判決の認定ポイントを踏襲することが想定される。
 なお、周知のとおり、上告理由には判例違反などの上告理由が必要となる。本件では、武富士事件の最高裁判決を引用して組み立てられた第一審判決・控訴審判決に対して、国も上告理由を見出すことが困難な状況にあり、上告断念に至ったものと考えられよう。

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