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税務ニュース2023年05月26日 R6年度改正で退職所得控除額一律化へ(2023年5月29日号・№980) 勤続20年を境にした差異をなくし、人材流動化を促進

  • 新しい資本主義実現会議がとりまとめた「三位一体の労働市場改革の指針(案)」で、退職所得に対する優遇税制の改正が論点に。
  • 本誌取材によると、令和6年度税制改正により退職所得控除を見直し、勤続20年を境にした控除額の差異をなくして「一律」の金額に。人材の流動化を促進。

 政府の「新しい資本主義実現会議」は5月16日に「三位一体の労働市場改革の指針(案)」をとりまとめたが、その中に盛り込まれたのが、退職所得課税制度の見直しだ。同指針には以下の記述がある。

退職所得課税については、勤続20年を境に、勤続1年あたりの控除額が40万円から70万円に増額されるところ、これが自らの選択による労働移動の円滑化を阻害しているとの指摘がある。制度変更に伴う影響に留意しつつ、本税制の見直しを行う。

 この記述の中でまず注目したいのが、語尾の「行う」との文言だ。これは退職所得課税制度の見直しが政府内で既定路線になっていることを示している。
 本誌取材によると、見直しの内容は、現行制度上、勤続20年を境に勤続1年あたりの控除額が40万円から70万円に増額されるところ、これを「一律」の金額とする。勤続年数が長ければ退職所得控除額が多くなるという仕組みを見直し、人材流動化を促す。退職所得は、原則として「退職金額−退職所得控除額)×1/2×税率」により税額を計算することになっているが、このうち「×1/2」の部分は勤続年数とは関係がないことから、今回は見直しの対象とはならない。あくまで「勤続年数による税制優遇の格差」をなくすために控除額の一律化のみが実施される。一律化後の控除額は現時点では決まっていないが、少なくともいずれかの金額に寄せるということは考えにくい。これは、仮に一律70万円とすれば財源の問題が生じ、逆に一律40万円とすれば、勤続20年を超えた者からの反発が予想されるためだ。今のところ、両者の中間をとって一律55万円、あるいは50万円といった金額が有力視されている。
 退職所得控除の見直しは令和6年度税制改正のテーマとなることは確実だが、他の所得税関連の改正に見られるように、激変緩和の観点から、施行は改正の2年後等になる可能性が高い。改正が確定した後は、退職が近い社員の間で、現行の退職所得控除の適用を受けるための“駆け込み退職”が起こる可能性もあろう。

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