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解説記事2023年07月03日 SCOPE パーシャルスピンオフ税制における事業再編計画の認定(2023年7月3日号・№985)

計画認定受ければ令和6年4月以降の実施も可
パーシャルスピンオフ税制における事業再編計画の認定


 ソニーグループが完全子会社であるソニーフィナンシャルグループのパーシャルスピンオフを検討する旨を公表しているが、令和5年度税制改正では、新たにスピンオフ実施法人に持分を残す(発行済株式総数の20%未満)スピンオフであるパーシャルスピンオフについても、一定の要件を満たせば課税の対象外とする措置が1年間の時限措置として講じられている。パーシャルスピンオフ税制の適用を受けるには、令和5年4月1日から令和6年3月31日までの間に産業競争力強化法の事業再編計画の認定を受けることが必要だが、同期間に認定を受ければ、スピンオフの実施が令和6年4月1日以降であったとしても対象となる。なお、事業再編計画は、事前相談から認定までには3か月程度要することもあるので早めの相談が必要だ。

スピンオフ税制の要件に「事業再編計画認定要件」等を追加

 パーシャルスピンオフ税制は、一定の要件を満たすことにより、再編時の譲渡損益や配当に対する課税を対象外とするというもの。従来のスピンオフ税制の要件に加えて、「事業再編計画認定要件」等が加えられている(参照)。事業再編計画認定要件については、通常の事業再編計画の認定要件に加えて、①スピンオフされる会社から、当該会社の特定役員(社長、副社長、代表取締役、代表執行役、専務取締役若しくは常務取締役又これらに準ずる者で法人の経営に従事している者)に対して、ストックオプションが付与され、又は付与される見込みであること(なお、付与人数についての要件はなし)、②スピンオフされる会社の主要な事業の開始日から事業再編計画の認定の申請の日までの期間が十年を超えていないこと、③スピンオフされる会社の主要な事業の成長発展が見込まれることにつき、証券会社が確認していることのいずれかの要件を満たす必要がある。③の主要な事業かどうかは、一義的には収入金額の多寡で判定することになる。

 事業再編計画の認定については、令和5年4月1日から令和6年3月31日までに受ける必要がある。この期間内に認定を受ければ、スピンオフの実施が令和6年4月1日以降であっても、パーシャルスピンオフ税制の適用対象となる。また、当初の事業再編計画の内容に変更事由が生じ、その後に変更認定を受けた場合であっても同様だ。
 なお、事業の成長発展が見込まれる要件を満たすものとして事業再編計画の認定を受けていれば、パーシャルスピンオフ税制の適用に加えて、株主総会手続の負担軽減や取締役等が負う欠損填補責任の立証責任の転換等の会社法の特例を適用することもできる。

パーシャルスピンオフ、会計上もスピンオフと同様に簿価で
 企業会計基準委員会(ASBJ)では、パーシャルスピンオフの会計処理について検討を行っているが、パーシャルスピンオフ税制が時限的なものであることから早期に基準開発を完了すべきというニーズを踏まえ、まずはパーシャルスピンオフ税制(発行済株式総数の20%未満)と同様のケースに限定して基準開発を行っている。この場合、スピンオフと同じくパーシャルスピンオフについても、株式分配実施会社は配当財産の適正な帳簿価額をもってその他資本剰余金又はその他利益剰余金を減額することになる方向だ。

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