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会計ニュース2023年10月27日 適格SO、N-3企業が付与日一括費用計上(2023年10月30日号・№1001) 監査法人が「権利確定日が合理的に予測不能」と認める

  • 監査法人のショートレビューを終えた段階にあるN-3期の企業が、「権利確定日が合理的に予測不能」という税制適格SOの付与日における一括費用計上の条件を満たすと監査法人に認められた事例を確認。

 周知の通り、国税庁が策定した税制適格ストックオプション(SO)に係る付与契約時の新たな株価算定ルールに伴い、税務上は税制適格SOの行使価格を1円に設定することが可能となったが、会計上は基本的に「権利確定日」までの期間に渡って按分して費用計上していくことになる。ただし、ASBJは7月7日に公表した解説の中で、「権利確定日が合理的に予測不能であれば、付与日において一括費用計上すればよい」との考えを示している。このASBJの解説を巡り、上場予定日を具体的に設定した上で事業計画や資本政策を立案した場合でも「権利確定日が合理的に予測不能」と言えるのかとの懸念がある一方、「上場予定日」とは言っても現実には延期となるケースの方が一般的であるため、一括費用計上が認められるべきとの意見もあり、実務に混乱が生じていることは本誌998号でお伝えしたところだ。
 こうした中、監査法人のショートレビューを終えた段階にあるN-3期(証券取引所の上場審査に申請する決算期の3期前)の企業が、大手監査法人から一括費用計上を認められた事例が確認された。同社は税制適格SOを過去に数回発行しているが、いずれも直近のベンチャーキャピタルからの資金調達時の株価をベースに権利行使価額を決定したため、権利行使価額は高額なものとなっている。そこで、国税庁の新たな株価算定ルールを踏まえ、発行済みのSOを消却し、権利行使額を1円に修正した税制適格SOを発行し直すことを予定しており、その際の会計上の費用計上方法について監査法人に確認したところ、N-3期における一括費用計上で問題ないとの見解を得たという。監査法人は、「N-3の段階では、事業計画で上場時期を設定するとしても、確実性に乏しい」と判断したものとみられる。実際、上場を目指す企業のほとんどが当初の事業計画通りに上場できず、1〜5期程度は上場時期がずれ込むことは珍しくなく、こうした実態が考慮されたのだろう。
 ただ、SOの発行時期が同様の期であっても、業績、主幹事証券が決定済みか、内部管理体制やガバナンス体制の整備状況など、個々の企業の置かれた状況によって上場の確度は変わってくる。また、監査法人のスタンスによっても判断が変わる可能性はある。本件を巡る混乱はまだ続きそうだ。

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