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解説記事2023年10月30日 税務マエストロ インボイスQ&A~令和5年10月改訂を検証する!(2023年10月30日号・№1001)

税務マエストロ
インボイスQ&A~令和5年10月改訂を検証する!
#292
 税理士 熊王征秀

マエストロの解説

 個別通達(法令解釈通達)として運用されていた「インボイス通達・軽減通達・総額表示通達」が令和5年10月1日より基本通達に統合されたことに伴い、下記のQ&Aが令和5年10月2日付で一斉に改訂された。
・消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A
・消費税の軽減税率制度に関するQ&A(制度概要編)
・消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)
 このうち、消費税の軽減税率制度に関するQ&Aについては、取扱通達から基本通達への通達番号の変更と、附則から法令への条文番号の変更に伴う改訂であり、実質的な内容変更はない。
 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(インボイスQ&A)については、インボイス制度実施前の取扱いに関する旧問7(登録に関する経過措置)を削除し、令和5年9月に追加された「お問合せの多いご質問」4問を追加した。また、解説を追記している問が幾つかあるので、これらの追記事項についても確認しておく必要がある。本稿では、改訂されたQ&Aについて、新たに追加された4題の問を解説するとともに、追記事項の内容について、確認が必要と思われる項目をピックアップして紹介する。
 ところで、筆者が改訂Q&Aを確認したところ、明らかに誤りと思われる箇所が幾つか見つかったので、なるべく早い時期に国税庁に修正していただきたく、まずはこの誤りと思われる箇所について指摘しておきたい。

Ⅰ 新インボイスQ&Aの誤りと改訂の提案

1 修正事項の指摘(その1)
 新Q&Aでは、8頁の問7(免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に登録を受ける場合)の【答】の頭に文章を追加し、「消費税課税事業者選択届出書」を「課税選択届出書」と省略表示することとしているのであるが、148頁の問116(2割特例の適用が適用できない課税期間②)の末尾に追加した注意書の下から2行目には、「消費税課税事業者選択届出書」と記載されている。これは「課税選択届出書」への変更を失念したものと思われる。

2 修正事項の指摘(その2)と改訂の提案
 161頁の問128(適格請求書などの請求書等に記載された消費税額による仕入税額の積上げ計算)の問に対する具体的な回答(【答】の⑤から下4行目の「したがって……」以降の箇所)は次のように改訂されている。

(適格請求書などの請求書等に記載された消費税額による仕入税額の積上げ計算)

問128 仕入税額の計算について、適格請求書に記載のある消費税額等に基づいて積上げ計算する場合、消費税額等の記載がない適格簡易請求書の交付を受けたときは、どのように計算すればよいですか。【令和5年10月改訂】

         ↓

 (改訂前)
         :
  したがって、ご質問の場合は、上記②の場合ですので、適格簡易請求書に記載された金額が、税込金額の場合には、その金額に110分の10(軽減税率の対象となる場合は108分の8)を掛けて消費税額等を算出し、また、税抜金額の場合は、その金額に100分の10(軽減税率の対象となる場合は108分の8)を掛けて消費税額等を算出し、その金額を基礎として、仕入税額の積上げ計算を行います。
         :

         ↓

 (改訂後)
         :
  したがって、ご質問の場合は、上記②の場合ですので、適格簡易請求書に記載された対価の額が、税込金額に110分の10(軽減税率の対象となる場合は108分の8)を掛けて消費税額等を算出し、その金額を基礎として、仕入税額の積上げ計算を行います。
         :

 簡易インボイスの場合、法律上は次のような表記方法が認められることになる。

 問128では、「……消費税額等の記載がない適格簡易請求書の交付を受けたとき……」となっているので、表記方法としては上記の「イ」又は「ロ」のケースということになる。
 これを受け、改訂前のQ&Aは、消費税法57条の4第2項に規定されている適格簡易請求書の記載事項に忠実に、記載金額が税込の場合と税抜の場合に区分して仕入税額の計算方法を示している。ただ、このような計算をするためには、記載金額が「税込」なのか「税抜」なのかが領収書等に書いてあることが前提となろう。
 ところで、小売、飲食、タクシー業のように不特定多数の顧客を対象とする業種の場合には「総額表示」が義務付けられているのであるから、「イ」のような表記方法は「総額表示義務違反」ということになるのではないか? 法律で「イ」のような表記方法を認めてしまったことにそもそもの問題があるように思えるのである。
 改訂後のQ&Aであるが、「……税込金額に110分の10(軽減税率の対象となる場合は108分の8)を掛けて消費税額等を算出……」と書いてあるので、税込金額が記載されていることが前提になっているようである。であるならば、問についても「……税込金額と適用税率の記載があり、……」と下記下線の箇所のように加筆するべきではないか?

問128 仕入税額の計算について、適格請求書に記載のある消費税額等に基づいて積上げ計算する場合、税込金額と適用税率の記載があり、消費税額等の記載がない適格簡易請求書の交付を受けたときは、どのように計算すればよいですか。【令和5年10月改訂】


 また、改訂後のQ&Aには「……適格簡易請求書に記載された対価の額が、税込金額に110分の10……」と書いてあるのだが、この文章は明らかに変てこりんなので、「対価の額が、」の文章を削除して下記のように修正すべきである。

         :
  したがって、ご質問の場合は、上記②の場合ですので、適格簡易請求書に記載された税込金額に110分の10(軽減税率の対象となる場合は108分の8)を掛けて消費税額等を算出し、その金額を基礎として、仕入税額の積上げ計算を行います。
         :

3 体裁について(提案)
 【答】の「したがって……」以降の文章は問に対する具体的な回答である。Q&Aの書き方だと、問に対する回答が⑤の一部のように読めてしまうので、①から⑤までの一般的な解説と区別するためにも間に1行スペースを設けたほうがいいのではないか?

Ⅱ 新設されたQ&A

○小売店を経営する新設法人における登録の通知を受けるまでの間の適格簡易請求書の交付方法

問37 当社は、当期に新設した法人で、小売店(コンビニエンスストア)を経営しています。課税期間の初日から適格請求書発行事業者の登録を受ける旨を記載した申請書を当該課税期間の末日までに提出し、課税期間の初日から登録を受けたのですが、登録通知が届くまでの間、登録番号の記載をしていないレシートを交付していた場合、登録通知書が届いた後、どのように適格簡易請求書を交付すればよいですか。【令和5年10月追加】

【答】の要約
1 新設された法人の対応方法

 新たに設立された法人は、登録申請書を設立事業年度の末日までに提出することにより、設立年月日から適格請求書発行事業者になることができる(消令70の4、消規26の4、消基通1−4−7、1−4−8)。ただし、通知を受けるまでの間はインボイスを発行することができないので、売手は、次のような方法で対応することになる。

・事前に適格請求書等の交付が遅れる旨を取引先に伝え、通知後に適格請求書等を交付する。
・取引先に対して、通知を受けるまでは、登録番号のない請求書等を交付し、通知後に改めて適格請求書等を交付し直す。
・取引先に対して、通知を受けるまでは登録番号のない請求書等を交付し、その請求書等との関連性を明らかにした上で、適格請求書等に不足する登録番号を書類やメール等でお知らせする。

2 小売業などの対応方法
 他方、質問のように不特定かつ多数の者を販売先とする小売業などの場合には、上記のように書類を事後交付することができない。そこで、小売店などは顧客に対し、事前にインボイスの交付が遅れる旨をホームページや店頭にてお知らせした上で、例えば次のように対応することを検討する必要がある。

・売手のホームページ等において、「弊社の登録番号は『T1234……』となります。令和6年■月1日(課税期間の初日)から令和6年●月●日(通知を受けた日)までの間のレシート等をお持ちの方で仕入税額控除を行う方におきましては、当ページを印刷するなどの方法により、レシートと併せて保存してください」と掲示する。
・買手側から電話等を受け、その際に登録番号をお知らせし、買手側においてその登録番号の記録とレシート等とを組み合わせてインボイスとして保存してもらう(これにより、買手は仕入税額控除を受けることができる)。

3 買手の取扱い
 登録番号のない請求書等を受領した買手側では、申告期限後に記載事項を満たす適格請求書等を受領する又は登録番号のお知らせを受けることとなった場合であっても、事前に売手が適格請求書発行事業者の登録を受ける旨を確認できたときは、登録番号のない請求書等に記載された金額を基礎として仕入税額控除を行うことができる。この場合には、事後的に交付された適格請求書等や登録番号の通知を保存することが必要となる。
 なお、事後的に適格請求書等の交付等を受けることができなかった場合には、仕入税額控除を行った翌課税期間において、本来の控除税額との差額を調整することが認められている。
4 類似のQ&A(下線の箇所が改訂により追加されている)
(登録日から登録の通知を受けるまでの間の取扱い)

問36 適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者に対しては、その旨が書面等で通知されるそうですが、登録日から通知を受けるまでの間の取引については、既に請求書(区分記載請求書等の記載事項である「税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の税込価額」を記載しており、「税率ごとに区分した消費税額等」の記載はありません。)を交付しています。改めて、適格請求書の記載事項を満たした書類を交付しなければいけませんか。【令和5年10月改訂】

【答】
 ご質問の場合、登録日から登録の通知を受けるまでの間の取引について、相手方に交付した請求書は、登録番号、税率ごとに区分した消費税額等の記載がなく適格請求書の記載事項を満たしていません。
 この場合、通知を受けた後、登録番号や税率ごとに区分した消費税額等を記載し、適格請求書の記載事項を満たした請求書を改めて相手方に交付する必要がありますが、通知を受けた後に登録番号などの適格請求書の記載事項として不足する事項を相手方に書面等(注)で通知することで、既に交付した請求書と合わせて適格請求書の記載事項を満たすことができます(基通1−7−3)。
 なお、小売業等の不特定かつ多数の者に対して事業を行う場合には、事前に適格請求書の交付が遅れる旨を伝えたうえで、事業者のホームページ等において登録番号を掲示するなどにより対応することとして差し支えありません。詳細は、問37《小売店を経営する新設法人における登録の通知を受けるまでの間の適格簡易請求書の交付方法》をご参照ください。
(注)既に交付した書類との相互の関連が明確であり、書面等の交付を受ける事業者が適格請求書の記載事項を適正に認識できるものに限ります。
         :
      (以下省略)

○任意組合等に係る事業の適格請求書交付に当たっての各種届出書の提出方法

問51 当団体は、任意組合等に係る事業として適格請求書の交付を考えていますが、組合員の一人が新たに事業を開始した者であるため(事業を開始した日の属する課税期間に当たるため)、その組合員が当該課税期間の初日から登録を受けようとする旨を記載した登録申請書を当該課税期間の末日までに提出することで、当該課税期間の初日から登録を受けたものとみなされる事業者である場合、登録申請書を提出していることを確認の上、「任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出書」の当該事業者の登録番号欄を空欄で提出し、当該組合員に係る登録通知書が届き次第、登録番号を別途提出することとしてよいでしょうか。
  また、組合員の加入・離脱が頻繁に行われることが予定されるところ、「任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出事項の変更届出書」は組合員の加入・離脱の都度提出しなければならないのでしょうか。【令和5年10月追加】

【答】の要約
1 新規加入の組合員がいる場合の取扱い

 任意組合等に係る事業においては、新規加入の組合員が課税期間の初日から適格請求書発行事業者の登録を受けることが見込まれる場合、任意組合等の届出書の「組合員の登録番号欄」に「後日提出予定」などの記載を行った上で提出し、その組合員に対して適格請求書発行事業者の登録通知があった後、速やかに任意組合等の届出書(次葉)等により、当該組合員の登録番号を提出することができる。
 ただし、仮にその組合員が登録拒否要件(消法57の2⑤)に該当し、適格請求書発行事業者の登録を受けられなかった場合には、それまで適格請求書を交付した任意組合等の事業について、改めて適格請求書ではない書類を交付する等の対応を行う必要がある。
2 任意組合等の届出書に記載した事項に変更があったとき
 「任意組合等の変更届出書」に、任意組合等に係る組合契約の契約書その他これに類する書類の写しを添付し、変更事項を速やかに納税地を所轄する税務署長に提出する必要がある(消令70の14③)。
 任意組合等の変更届出書は、原則として、適格請求書発行事業者である組合員の加入や離脱など、変更があった都度速やかに提出することが求められているが、そうした変更が頻繁に行われるなど、速やかな提出が困難である場合には、当該任意組合等に係る計算期間の末日までに、その計算期間内に生じた変更事項をまとめた一覧を添付の上、任意組合等の変更届出書を提出することができる(次頁参照)。

○ごみ袋等に係る適格請求書の交付方法

問53 当社は、小売業(スーパーマーケット)を営む事業者です。当社が商品として扱う自治体の指定ごみ袋や粗大ごみの処理券等については、条例等の内容に応じて、課税や非課税、不課税など課税関係が異なります。こうした課税関係の中、顧客に対してどのように適格請求書を交付すればよいですか。【令和5年10月追加】

【答】の要約
 指定ごみ袋や粗大ごみの処理券については、原則として各自治体が定める条例等の内容に応じて対応を検討することになる。
1 売手側の取扱い
 ごみ処理券等の販売により収受する金銭は、ごみ処理手数料を各自治体に代わって収受するものなので、その販売が非課税取引や不課税取引となるものであっても、媒介者交付特例を活用して顧客にインボイスを交付することができる。
 この場合におけるインボイスの写しについては、自治体に交付する納入通知書等に代えることも認められる。
 媒介者交付特例を活用してインボイスを交付する場合でも、売手側は課税売上高を計上する必要はない。収受した金銭を預り金として処理することや、物品切手の売買であれば非課税売上高を計上することができる。

2 買手側の取扱い
 業務用のごみ処理券等を購入した事業者は、継続適用を条件に、購入日の属する課税期間で仕入控除税額の計算に取り込むことができる。 

○高速道路利用料金に係る適格簡易請求書の保存方法

問103 当社では高速道路を頻繁に利用するのですが、高速道路利用について、いわゆるETCシステムを利用し、後日、クレジットカードにより料金を精算しています。この場合、クレジットカード会社から受領するクレジットカード利用明細書の保存により仕入税額控除を行うことはできますか。【令和5年10月追加】

【答】の要約
 クレジットカード会社が発行する利用明細書はインボイスの記載要件を満たさないので、インボイスとして利用することはできない。
 よって、高速道路の利用について、有料道路自動料金収受システム(ETCシステム)により料金を支払い、ETCクレジットカードで精算を行った場合には、原則として、高速道路会社が運営するホームページ(ETC利用照会サービス)から利用証明書をダウンロードしてこれを保存する必要がある。
 ただし、高速道路の利用頻度が多いような場合には、全ての高速道路の利用について利用証明書を保存することが困難であることから、下記の書類を保存することで、仕入税額控除を認めることとしている。

① クレジットカード会社から受領するクレジットカード利用明細書
② 利用した高速道路会社などが発行する利用証明書

 この場合において、②の高速道路会社が発行する利用証明書は、①の利用明細書の受領ごとに(毎月)取得・保存する必要はない。各高速道路会社ごとに、サンプルとして1回だけダウンロードし、保存しておけばよいこととされている。
※ 利用期間や利用年月日などの取引の詳細が記載されている高速道路会社が発行するETCコーポレートカードやETCパーソナルカードについては、利用区間や利用年月日などの取引の詳細が記載されていることから、その利用明細書をインボイスとして利用することができる。

Ⅲ 問116(2割特例の適用ができない課税期間②)への(注)の追加について

 「課税事業者選択届出書」の提出により、令和5年10月1日前から引き続き課税事業者となっている事業者は、令和5年10月1日の属する課税期間について「2割特例」を適用することはできない。
<具体例1>
 令和3年中に「課税事業者選択届出書」を提出した個人事業者が、令和4年分の申告で消費税の還付を受けるケース

 そこで、「課税事業者選択届出書」の提出により、令和5年10月1日の属する課税期間から課税事業者となる事業者は、その令和5年10月1日の属する課税期間中に「課税事業者選択不適用届出書」を提出することにより、提出日の属する課税期間(令和5年10月1日の属する課税期間)から「課税事業者選択届出書」の効力を失効させることが認められている。
<具体例2>
 令和4年中に「課税事業者選択届出書」を提出し、令和5年から課税事業者になる個人事業者が、令和5年中に「課税事業者選択不適用届出書」を提出して「課税事業者選択届出書」の効力を失効させるケース

 上記の<具体例2>では、「課税事業者選択届出書」の提出により課税事業者となったのは令和5年10月1日の属する課税期間(令和5年)であることから、令和5年中に「課税事業者選択不適用届出書」を提出することにより「課税事業者選択届出書」の効力を失効させ、「2割特例」の適用を受けることができるということである。
 この取扱いは、「課税事業者選択届出書」の提出により、令和5年10月1日の属する課税期間から新たに課税事業者となる事業者に限り、期間限定で認められた経過措置である。よって、<具体例1>のように、「課税事業者選択届出書」の提出により令和4年から課税事業者となる個人事業者の場合には、令和5年中に「課税事業者選択不適用届出書」を提出したとしても、令和5年から「課税事業者選択届出書」の効力を失効させ、免税事業者となることはできない。結果、令和5年10月1日から2割特例の適用を受けることもできないことになる。
 また、令和5年中に「課税事業者選択届出書」を提出して令和6年から課税事業者となる個人事業者は、令和6年中に「課税事業者選択不適用届出書」を提出したとしても、令和6年から「課税事業者選択届出書」の効力を失効させることはできない(登録申請書を提出している場合には、当然のことながら免税事業者となることはできない)。

 この経過措置に関する問い合わせや誤解が多かったのであろうか……今回の改訂では、インボイスQ&A問116(2割特例の適用ができない課税期間②)に下記の注意書きが追加されている。

 (注)上記の「「課税選択届出書」の提出により令和5年10月1日を含む課税期間の初日から課税事業者となる事業者」とは、当該課税期間から初めて課税事業者となる事業者をいうのであり、「課税選択届出書」の提出により令和5年10月1日を含む課税期間より前の課税期間から課税事業者となっていた事業者は、該当しません。そのため、対象外となる事業者においては、令和5年10月1日を含む課税期間中に「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出したとしても、当該課税期間につき「消費税課税事業者選択届出書」を失効させることはできません。また、結果として当該課税期間においては2割特例を適用できないこととなります。

Ⅳ 公表サイトに旧姓(氏)を公表する方法

 住民基本台帳法令の規定により、住民票に旧姓を併記できない事業者は、「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」に戸籍謄本を添付して提出することにより、旧姓(氏)での氏名の公表ができることが明記された。具体的には、インボイスQ&Aの問2・19・22に下記の文章が追加されている。

 なお、住民基本台帳法令の規定により、やむを得ず住民票に旧姓を併記できない場合には、「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」に戸籍謄本を添付して提出することにより、旧姓(氏)での公表をすることができます。
 また、既に公表サイトに氏名が公表されている方についても同様の手続により旧姓(氏)での氏名の公表が可能です(既に付されている登録番号は変更されませんのでご留意ください。)。
(注)1 住民基本台帳法令の規定により、やむを得ず住民票に旧姓を併記できない場合とは、例えば、過去に住民票に旧姓を併記する手続を行い、その併記した旧姓を削除した後、再度、氏に変更(婚姻や離婚)がないにもかかわらず、旧姓を併記しようとする場合が該当します。
  2 氏名に代えて旧姓を使用するケースにおいては、「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」の記載に当たっては、「氏名に代えて公表」にチェックを入れていただくようお願いします。
  3 e-Taxにより届出書や申出書を提出する場合は、住民票の提出は不要ですが、戸籍謄本の添付をされる方については、管轄のインボイス登録センターに郵送いただくようお願いします。
  4 「住民票への旧姓の併記方法」や「住民票に旧姓を併記できない場合」の詳細については、お住いの市区町村にお尋ねください。

記事に関連するお問い合わせ先
記事に関するお問い合わせは週刊「T&Amaster」編集部にお寄せください。執筆者に質問内容をお伝えいたします。
TEL:03-5281-0020 FAX:03-5281-0030 e-mail:ta@lotus21.co.jp
※なお、内容によっては回答いたしかねる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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