会計ニュース2023年11月17日 四半期の簡便的処理も経過措置適用可(2023年11月20日号・№1004) ASBJ、当面の間は現行実務の継続を容認
企業会計基準委員会(ASBJ)は、現在、四半期報告書廃止後の半期報告書の基準となる「(仮称)中間会計基準等」の開発を行っているが、現行の四半期会計基準等で認められている原価差異の繰延処理やみなし取得日の取扱いについては、「(仮称)中間会計基準等」でも認める方向だ。
一方で、簡便的な会計処理として認められている「一般債権の貸倒見積高の算定における簡便的な会計処理」や「未実現損益の消去における簡便的な会計処理」については、前年度からの著しい変動がない場合に前年度末の決算において算定した基準等を四半期決算で使用することができる取扱いを認めることとし、前四半期から著しく変動がない場合の簡便法については、前四半期に算定した基準等を用いることは決算日以外の期中の数値を用いることになるため、認めない方向で議論が行われていた(本誌1001号40頁参照)。
しかし、金商法改正法案の施行日(令和6年4月1日)までの準備期間が非常に短い中で実務への負担に配慮すべきとの意見や、四半期の簡便的な会計処理は、財務諸表利用者の判断を誤らせないことを条件として認められているものであることから、引き続き簡便法を認めてもよいのではないかとの意見を踏まえ、これまでの前四半期から著しく変動がない場合の簡便法も経過措置として認める方向になっている。
また、現行の四半期決算で有価証券の減損処理又は棚卸資産の簿価切下げに係る方法として四半期切放し法を採用する会社は、第1四半期決算で減損又は評価損を計上する場合に、金商法改正法案では四半期決算が廃止されることから、現行の第2四半期決算と金商法改正法案における中間決算とで会計処理の結果が異なると考えられるため、公開草案においてその変更の影響に関する意見募集を行い、経過措置を定める等の対応を行うとしていた。しかし、四半期切放し法を適用している企業が中間切放し法を適用する場合、第1四半期で計上された評価損を洗替えするためのシステム変更等が必要になる可能性があり、準備期間が短い中では対応が困難であるため、これまで四半期会計基準等に基づき四半期切放し法を適用している場合は、第1四半期の末日において切放し法を適用したものとして中間会計期間末において切放し法を適用することができる経過措置を定めることとしている。
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