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税務ニュース2024年01月12日 過大利子税制、繰越期間延長も不満の声(2024年1月15日号・№1010) 海外は無期限も10年どまり、通貨スワップの金利差は利子から除外されず

  • 過大支払利子税制、令和6年度税制改正で超過利子額の繰越期間が7年から10年に延長されるも、海外では無期限であることや、通貨スワップ取引で外貨を調達する際の金利差が制度の対象となる「利子」の範囲から除外されず、金融業界等からは落胆の声。

 周知のとおり、過大支払利子税制とは、所得に比して過大な利子の損金算入により法人の課税所得を圧縮する租税回避を防止することを目的とした制度であり、同税制が適用される場合、損金算入限度額を超える利子は損金算入することができない。
 同税制は、BEPS勧告の国内法制化のための2019年度税制改正で、①国外の関連者等に限らず国外の第三者・関連者等に対する支払利子を適用対象とし、②調整所得金額についてはこれまで加算されていた益金不算入の配当等を加算対象から除外した上で、③損金算入限度額が調整所得金額の50%から20%に引き下げられた。また、適用免除基準については、①関連者純支払利子等の額1,000万円以下→対象純支払利子等の額2,000万円以下にする、②新たに企業グループ単位の適用免除基準を設ける、などの改正が行われた。
 損金算入限度額は、BEPS勧告を受けた各国では30%が主流とされているが、日本がこれより低い20%に設定したのは、対象となる支払利子等が「国外」の第三者・関連者等に対する支払利子等に限定され、国内の第三者・関連者等に対する支払利子等が除外されたことを受けたものではないかといわれている。
 しかし、市場から外貨を調達して国際投資を行う金融機関では、昨今の欧米の金利上昇により海外に対する利息の支払いが増加し、租税回避を行う意図がないにもかかわらず多大な税負担が発生する構図となっているため、現下の経済情勢を考慮した所要の措置を講じる必要があるとして、同税制の見直しを求める声が高まっていた。
 こうした声を受けて、令和6年度税制改正では、超過利子額(本税制の適用により否認された利子)の繰越期間が7年から10年に延長されることが大綱に盛り込まれた。ただし、海外では繰越期限は無期限であることから、今回の改正に対して物足りなさを指摘する声も多い。
 また、同税制の適用対象とされる利子の範囲が広いことも懸念されており、金融庁は農林水産省とともに、通貨スワップ取引で外貨を調達する場合などに生じる金利差を「利子」の範囲から外すよう要望していたが、今回の税制改正大綱には盛り込まれなかった。

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