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解説記事2024年02月12日 SCOPE グローバル・ミニマム課税制度の法人税等の開示を一部変更へ(2024年2月12日号・№1014)

四半期財表の経過措置、要件に関係なく注記
グローバル・ミニマム課税制度の法人税等の開示を一部変更へ


 企業会計基準委員会(ASBJ)は1月9日まで意見募集を行っていた実務対応報告公開草案第67号「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い(案)」等に対して寄せられたコメントについて検討を行っている。四半期財務諸表については、適用初年度のみならず、翌年度以降も当面の間は同制度に基づく上乗せ税額を法人税等(当期税金)に計上しないことができる経過措置が設けられているが、経過措置を適用した場合には、公開草案で示された要件に関係なく、その旨を注記することに変更されることになった。
 そのほか、現時点では、公開草案からの内容面での大きな変更はない模様だ。文言や表現方法の明確化などが主な修正となっている。なお、同委員会では実務対応報告を3月末までに正式決定する予定だ。

前連結会計年度に法人税等を計上していない場合も注記

 企業会計基準委員会は「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い(案)」等に対して寄せられたコメントについて検討を開始した。公開草案に対しては、団体7件及び個人2件からコメントがあり、このうち、四半期財務諸表における経過措置に関しては、注記の要否を判断する要件は不要とのコメントが寄せられている。
 公開草案では、連結財務諸表及び個別財務諸表においては、適用初年度よりグローバル・ミニマム課税制度に基づく上乗せ法人税等(当期税金)を計上することとする一方、四半期財務諸表については、適用初年度のみならず、翌年度以降も当面の間は同制度に基づく上乗せ税額を法人税等(当期税金)に計上しないことができる経過措置が設けられている。
 ただし、この経過措置を適用し、①前連結会計年度及び前事業年度においてグローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等を計上している、②当四半期連結会計期間及び当四半期会計期間において、当連結会計年度及び当事業年度におけるグローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等が重要であることが合理的に見込まれるとの2つの要件を満たす場合には、その旨を注記することになる。
 この点、企業会計基準委員会は、前述②の要件については、四半期財務諸表においてはグローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等を合理的に見積ることが年度に比して困難な場合があると考えられることにより設けられたものであり、この趣旨に鑑みると四半期財務諸表において重要か否かの要件を判断することは極めて困難であることから削除することが妥当としている。また、①の要件を削除した場合には、前連結会計年度及び前事業年度においてグローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等を計上していない場合であっても、経過措置を適用している場合には注記がなされることになるが、当連結会計年度及び当事業年度のグローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等に関する税負担の予測に資する情報を財務諸表利用者に提供するという観点において、財務諸表利用者にとって有用な情報が提供される可能性があるとしている。
 このため、同委員会では、寄せられたコメントを踏まえ、公開草案で示された注記の要件を削除し、四半期財務諸表における経過措置を適用した場合には、その旨を注記することに変更することとしている。

企業が合理的な金額で見積る限りは「誤謬」に該当せず
 年度の連結財務諸表及び個別財務諸表については、適用初年度よりグローバル・ミニマム課税制度に基づく上乗せ法人税等(当期税金)に計上することになるが、企業が財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき法人税等の合理的な金額を見積っている限りは、見積額と確定額との間に差額があっても「誤謬」には該当しないとされている。

中間財務諸表等も法人税等の見積り計上は不要

 そのほかでは、四半期報告書制度見直し後において、特定事業会社に該当した場合に作成が必要となる半期報告書に含まれる中間財務諸表においても、グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の見積り計上が不要であることを明確化すべきとのコメントが寄せられている。この点については、中間財務諸表等についても、四半期財務諸表等と同様の取扱いとなる旨を明記することとしている。
 また、グローバル・ミニマム課税制度により納付する税金も、通常の法人所得税に係る税金と同様に、企業会計基準第27号「法人税、住民税及び事業税に関する会計基準」第5項に従い会計処理を行うことを明示するべきであり、仮に発生源泉が明らかでない等の理由により損益処理を求めるのであれば、損益として計上することを明示すべきとのコメントが寄せられている。この点、グローバル・ミニマム課税度に係る法人税等については、当該法人税等を(連結)損益計算書において表示することを公開草案第9項及び第10項において明らかにしているが、コメントを踏まえ、「損益」に計上する旨をより明確化するとしている。

適用初年度の翌年度以降の取扱いは補足文書に追加

 なお、適用初年度の翌年度以降の取扱いを明確にすべきとのコメントを踏まえ、補足文書にその旨を明確化する。具体的には、グローバル・ミニマム課税制度の特徴(実務対応報告案BC2項からBC4項)を踏まえると、対象範囲の判定や個別計算所得等の金額等の算定にあたって必要な情報を適時かつ適切に入手することが困難である場合があるとし、この場合においても補足文書第12項に示した例を参考としつつ、適用初年度の翌年度以降に入手した情報等を加味した上で見積りを行うことが考えられるとする文言を追加する。

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