カートの中身空

閲覧履歴

最近閲覧した商品

表示情報はありません

最近閲覧した記事

解説記事2024年03月11日 ニュース特集 税務CG、対象拡大に向け調査部一般部門で試行(2024年3月11日号・№1018)

ニュース特集
統括官がトップマネジメント等と面談
税務CG、対象拡大に向け調査部一般部門で試行


 先般、国税庁は令和4事務年度における税務に関するコーポレートガバナンス(税務CG)に係る取組状況等を公表し、今後の方向性として調査部特官所掌法人以外の法人への対象拡大などを検討していることを明らかにした。そこで本特集では、税務CGの取組の拡大に向け、東京局調査部、名古屋局調査部で実施されている一般部門所掌法人に対する試行についてQ&A形式で確認する。

調査部特官所掌法人以外の法人も対象へ

Q
 税務CGの取組について、どのような検討が行われていますか。
A

 現状、税務CGの充実に向けた取組は調査部特別国税調査官所掌法人(特官所掌法人)を対象に実施されていますが、国税庁が2月21日に公表した税務CGに係る「令和4事務年度の取組状況等」では、特官所掌法人以外の法人への対象拡大や対象法人の実情に応じた実施方法等を検討している旨が明らかにされました。なお、同庁は、税務CGの充実が期待される企業として、①上場企業、②内部統制システムの整備が義務付けられている企業を挙げ、①②以外でも事業規模が一定程度ある場合は、税務CGの充実を通じて税務コンプライアンスの維持・向上を図ることが効果的であるとしています。

J-CAP制度の開始に伴い審理機能を強化

Q
 まず特官所掌法人に対する税務CGの取組について教えてください。
A

 東京局の特官所掌法人に対する税務CGの取組を見てみましょう(図1参照)。同局の税務CGのプロセスでは、部次長がトップマネジメントと面談して「税務CG評価結果」を伝えています。また、令和5年10月から税務CGの取組の一環として、J-CAP制度の試行を開始しています。この取組は、新規性の高い形態の取引等について税務上の取扱いを早期に回答し、企業の税務リスクを低減させることなどを目的としたものです。

 J-CAP制度の試行に伴い、東京局調査部は特官班(Eグループ・5班)を税務CG及び審理担当に振り替えるなど審理機能を強化しています。
 なお、特官の主要な所掌業種等については、表1を参照。

調査第二部~第四部で税務CGの試行

Q
 東京局調査部の一般部門における試行について教えてください。
A

 東京局は、令和2事務年度から税務CGの充実に向けた取組の拡大に向け、調査第二部から第四部(表2参照)が所掌する一部の法人への試行(税務CGの評価)を実施し、問題点や課題を集約・分析しています(評価結果の通知、再発防止促進プログラムは実施せず、一般部門所掌法人はJ-CAP制度の対象外)。

 この試行では、統括官が税務CGの取組状況を確認するために「内部体制等確認票」を交付し、経理担当役員等に、①トップマネジメントの関与、②経理担当部署の体制・機能、③税務に関する内部牽制などの評価項目について記載を依頼します。
 その後、統括官は提出された確認票を基に評価項目に係る取組状況の聴取や情報収集(社内規定・報告書等)を行い、チェックシート・税務CG評価書を使用して取組状況を判定します(図2参照)。

評価結果は実務指導専門官が確認

Q
 税務CGの評価・判定は、統括官のみで行われるのですか。
A

 統括官による評価結果は、調査第一部調査管理課(調査部全体の事務の総合調整などを担当)の実務指導専門官(実専官)が確認します。
 統括官が行った評価結果等に見直しが必要な場合は、実専官が調査総括課を経由して統括官へ見直しを要請します。要請を受けた調査総括課は、見直しが必要な理由等を確認し、統括官は必要に応じて再判定を行います(図3参照)。

経理担当役員以上の者と意見交換

Q
 一般部門におけるトップマネジメントとの面談は?
A

 調査終了後、統括官がトップマネジメント等(経理担当役員以上の者)と面談します。面談では「税務CG評価結果」の伝達はなく、取組の改善事項等について意見交換が行われるようです(図4参照)。
 なお、「税務CG評価結果」は、税務リスクに応じた法人の監理等に使用する「税務リスク判定シート」(情報源:税務調査、判定要素:内部体制)に反映されます。

上場法人を対象に各部門3~5件実施

Q
 名古屋局調査部一般部門でも税務CGの試行が実施されていますね。
A

 名古屋局調査部では、一般調査部門が実地調査に着手する法人のうち、上場法人を対象として税務CGの充実に向けた取組の試行を実施しています。
 名古屋局の試行においてもトップマネジメントとの面談は統括官が行い、評価が低い項目について効果的な取組事例を紹介しつつ、意見交換等を行うことで、法人自らが税務CGの充実に取り組むよう促すとしています。
 なお、令和5事務年度の試行件数は、各部門3~5件とされています。

当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。

週刊T&Amaster 年間購読

お申し込み

新日本法規WEB会員

試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。

週刊T&Amaster無料試読申し込みはこちら

人気記事

人気商品

  • footer_購読者専用ダウンロードサービス
  • footer_法苑WEB
  • footer_裁判官検索