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税務ニュース2024年03月29日 インド法人への金員は技術上の役務対価(2024年4月1日号・№1021) 審判所、源泉徴収に係る所得税の算出にグロスアップ計算は認めず

  • 請求人がインド法人に支払った金員は、日印租税条約12条4項に定める「技術的性質の役務に対する料金」に該当するかが争われた事案(令和5年8月15日裁決)。

 本事案は、請求人がインドに所在する外国法人3社(J社、K社、L社)に対して支払った金員について、日印租税条約12条4項に規定する「技術上の役務に対する料金」に該当するか争われたもの。原処分庁は、本件金員は「技術上の役務に対する料金」に当たるとして、源泉徴収に係る所得税の納税告知処分等を行い、あわせてK社への支払いについて源泉徴収に係る所得税の額をグロスアップ計算で算出していた。一方、請求人は①J社はインドの法律に基づき設立されたLLPであるから請求人の支店的な存在であり、支払った金員は業務委託の対価ではない、②請求人とK社の契約によれば、支払った金員はソフトウエアの譲渡対価である、③L社に支払った金員はウェブサイト等のデザインの対価であるから、日印租税条約12条4項の「技術上の役務に対する料金」には該当しない旨主張し、処分の一部の取り消しを求めていた。
 審判所は、日印租税条約12条4項に定める「技術上の役務に対する料金」とは、経営的もしくは技術的性質の役務又はコンサルタントの役務の対価としての全ての支払金をいう旨規定しており、技術的性質の役務の対価には、ソフトウエア開発に対して支払う対価が含まれると解されるとした。
 その上で、J社はインドLLP法に基づき設立された法人であり、請求人とは別個の法的主体であることや、協働でソフトウエア開発業務を行っていると認められることから、開発業務に係る役務は「技術的性質の役務」に該当すると指摘。K社との契約についても、請求人がK社に対してソフトウエアの開発支援を依頼し、K社が対価の最終支払いまでに定義された範囲の全ての業務を完了させ、開発に関するソフトウエア等を請求人に引き渡す旨を定めたものであるため、ソフトウエアの譲渡対価ではなく「技術的性質の役務」に該当するとした。また、「技術上の役務に対する料金」の範囲はプログラミングサービスの提供に限定していないため、L社が行った役務は「技術的性質の役務」に該当するとの判断を示した。
 ただし、K社に対する支払金額については、K社との契約上、請求人が源泉徴収に係る所得税を負担することを合意したものとは認められず、原処分庁の主張するグロスアップ計算により算出することはできないとして、審判所は原処分の一部を取り消した。

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