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税務ニュース2024年07月19日 高裁も一括譲渡の契約書価額比を否認(2024年7月22日号・№1036) 一括譲渡された土地建物の区分、取引当事者間の合意に拘束力なし

  • 東京高裁、一括譲渡された土地建物の売買契約書記載の価額比が合理的に区分されていないとした原判決を支持し、控訴棄却(令和6年5月30日判決)。

 本件は、土地及び建物の一括譲渡に係る売買契約書に土地の代価及び建物の代価が区分されている場合であっても、合理的に区分されていないとして建物及び土地の時価の比で按分すべきか否かが争われた事案である。
 一審の東京地裁は、合理的に区分されていないとした課税処分を適法としたが(本誌982号)、高裁も原判決を支持。さらに、争点1の「消費税法施行令45条3項の規定が消費税法28条5項の委任の範囲を超えるものか否か」について、追加で判断を示した。
 東京高裁は、控訴人の主張を、「消費税法28条1項にいう『対価の額』は取引当事者間で合意した額をいうものであるから、一括譲渡の場合においても、取引当事者間の合意により課税資産の対価の額と非課税資産の対価の額が区分されているときには、その区分の合理性を問題とすることなく、取引当事者間で合意された区分に従って課税標準が定められなければならないというものである」とした上で、それに対し、「消費税法28条1項の趣旨は、消費支出に担税力を認め、その担税力に応じた課税を行おうというものであり、(中略)一括譲渡の対価の総額のうちどの範囲を課税資産の譲渡に係る消費支出と見るかという場面において、取引当事者間の合意に絶対的な拘束力を認めることは同項の趣旨から求められるということはできない」と一蹴。加えて、「かえって、消費税の負担を不当に免れるために、取引当事者間で恣意的に課税資産の対価の額と非課税資産の対価の額の区分が合意された場合を含めて、取引当事者間でその区分に関する合意がある以上、当該区分の合理性を問題とすることなく、常に当該区分に従って課税標準を定めなければならないとすると、消費支出に担税力を認め、その担税力に応じた課税を行おうという同項の趣旨に反することになるというべきである」と断じた。
 その上で、消費税法施行令45条3項が規定する算定方法は、一括譲渡の場合の課税標準の算定方法として合理的なものと判断。
 結論として、消費税法施行令45条3項の規定は、消費税法28条5項の委任の範囲内で定められた有効なものであるから、同施行令45条3項の規定は無効であるという控訴人の主張は採用できないとしてその主張を斥けている。

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