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税務ニュース2024年08月23日 高裁でも書面申告での消費税還付不可(2024年8月26日号・№1040) 資本金1億円超法人への電子申告義務化は合理性ありと判断

  • 東京高裁、資本金1億円超の特定法人が仕入税額控除不足額の還付を受けるためには電子申告が必要とした原判決を支持(令和6年6月26日判決)。

 本件は、電子申告によらず、書面申告により消費税の還付申告書を提出した資本金1億円超の法人(特定法人)が、仕入税額の控除不足額の還付を受けられなかったため、訴訟を提起した事案である。
 納税者は、電子申告の義務化を定めた消費税法46条の2第1項及び2項が“財産権の規制は公共の福祉に適合しなければならない”とする憲法29条2項に違反していると主張したが、東京地裁は、電子申告の義務化は立法府の裁量権の範囲を超えるものではないとして、納税者の主張を斥けた。
 これを不服とした納税者は控訴し、原判決が「電子申告の義務化の対象となる事業者は、資本金の額が1億円を超える法人等であって、一定の財産基盤の安定性を有すると考えられることを踏まえれば、電子申告の義務化に伴って生じる経済的負担及び経理担当者の教育等の負担が過大とはいえない」としたことに対し、「負担が過大かどうかと財務基盤が安定しているかどうかとは全く関係がない」「資本金の額が1億円を超える法人については電子申告を義務化しても耐えうる程度の財務基盤があることを裏付ける資料は一切ない」などと主張した。
 これに対し東京高裁は、「電子申告の義務化に伴って生じる直接的な経済的負担に加え、社内環境の整備等のためには、特に導入の初期を中心として、人的、物的体制の整備等のために一定の経済的支出を要すると考えられることからすれば、電子申告の義務化における対象事業者の範囲の設定と、財務基盤の安定性とは密接な関係がある」と指摘。
 また、①資本金の額が1億円を超える法人(大法人)は、軽減税率が適用されない、外形標準課税の対象となるなど、中小法人が受けることができる税務上の諸々の優遇措置を受けることができないが、その趣旨は、大法人は経営基盤強化のための優遇をする必要がないとされるからであること、②我が国において、資本金1億円以上の企業は、全企業数の1.7%にすぎないにもかかわらず、売上高においては全企業の63.6%(約900兆円)を占めていることなどからすれば、一般に、資本金1億円を超える法人が、電子申告の義務化に伴う負担との関係で、一定の財務基盤の安定性を有すると考えることは合理性があるとして、納税者の主張を斥けている。

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